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明日は中国の「独身の日」、消費者の6割が「今年は購買を減らす」

2022.11.10

中国において毎年11月11日は、未婚者を想起させる「1」が続くことから、独身を祝う「独身の日」とされている。この日は中国で一大商戦が繰り広げられることで知られているが、今年の「独身の日」はどれほどの盛り上がりが予想されるのだろうか?

グローバル・コンサルティング・ファームのアリックスパートナーズはこのほど、2022年の中国の独身の日に関する消費者調査レポートを発表した。本調査は中国全土約2,000名の消費者を対象に実施したもので、今年で5回目となる。

「支払う価値のある商品」と認識できるかが重要な意思決定要素に

独身の日は中国における最大規模の商戦だが、今年は14%の消費者が支出を減らす予定と回答しており、昨年よりも購買に慎重になっている。その背景には経済・将来への不安(47%)、より持続可能で節約志向な消費行動への意識(35%)、所得の低下(33%)があると回答している。

消費者の約60%は昨年より支出を増やす予定と回答しているが、購入予定トップ2の商品は日用必需品および洋服/靴であり、それぞれ48%、44%の消費者がこれらの商品に昨年よりも支出を増やすと回答している。また、39%の消費者はラグジュアリー製品の購入の予定が全くないと回答している。

さらに、約4割の消費者は、適切な製品情報を得られた商品のみ購入するとし、昨年までに比べて購入商品をより厳しく選定する傾向にある。消費者の34%が購入前に本当に必要かどうかを再確認し、必要な場合にのみ購入すると回答しており、割引を考慮しても「支払う価値のある商品」と認識できるかが重要な意思決定要素となっていることが明らかとなった。

総じて、独身の日の消費支出は今年も堅調に推移すると想定される一方、節約意識や無駄な購買への自重が強まっていることが推察できる。

ライブストリーミングの利用増加は続く、TikTokの台頭

今年の独身の日にライブコマースに参加する予定と回答した消費者は昨年の97%からは減少しているものの今年も74%に上った。

ライブストリーミングは引き続きセールイベントの主要な情報収集源となっているが、ライブストリーミングを視聴すると回答した消費者のうち44%は過去のライブストリーミングやキーオピオニオンリーダー(KOL)のネガティブなニュースを受けて、メディアへの信頼度が下がったと回答している。

ライブストリーミングの主要な役割として挙げられたのは、製品の詳細なパフォーマンスの理解(60%)、割引や無料ギフトの獲得(35%)、インタラクティブなやり取り(32%)だった。

プラットフォームとしては引き続きTaobaoがトップに上がっており、73%が独身の日にTaobaoを視聴すると回答している。一方でTikTokが台頭しており、58%が独身の日にTiktokを視聴すると回答しており、昨年の38%から上昇している。

よりシンプルでわかりやすいプロモーションを期待

88%の消費者が独身の日以外のセールイベントにも参加しているものの、引き続き独身の日が最も魅力的なセールイベントであると捉えている。他のセールイベントにも参加した消費者のうち53%は、他のセールイベントへ参加したとしても独身の日の支出額に与える影響はなく、27%は独身の日の支出額を昨年よりも増やす予定と回答している。こうした傾向は、特に所得の高い消費者層やTier1都市(北京・上海)に住む消費者の間に現れている。

昨年までの独身の日における改善点として、42%の消費者が「より良い割引・価格」を最重要項目として挙げている。また、近年の複雑化したプロモーションへの批判として、35%の消費者がよりシンプルでわかりやすいプロモーションを求めている。例えば、先行販売期間の延長などのECプラットフォーム上の環境整備が期待されている。

海外ブランドは引き続き増加

独身の日におけるAlibabaの流通取引総額は、低調と言われた昨年ですら5,403億元(約9.6兆円)、前年比8.45%の伸びを記録した。今年は90か国以上、約4万社にも上る中国国外ブランドが参加予定(昨年は約2.9万社)と、海外企業の熱はさらに高まっている。

近年、日本企業においても特に化粧品・日用品を扱う企業が販売額を伸ばしており、ユニクロ、資生堂、SK-IIは2020年にAlibabaのECサイトであるTモールで各社10億元(当時約150億円)の売上高を達成、その規模は、ユニクロ及び資生堂の2022年中国内全ECサイトの売上高の10%強に相当した。

こうした日本企業は、より合理的な意思決定につながる情報を求める消費者の獲得を狙い、KOLに加え、メーカーの製品担当者自らが正確で詳細な情報を発信できるライブコマースを活用する傾向にある。

「製品詳細・機能・品質」を重視した情報発信を

アリックスパートナーズの東京オフィスで消費財・小売を担当するコンサルタント福井純矢氏は次のように述べている。

「2021年8月に打ち出された『共同富裕』の政府方針のもとで消費を煽るようなプロモーションが減少したことや、国内経済成長が鈍化していることを受け、独身の日は『衝動的で価格重視』から『合理的でコストパフォーマンス重視』のイベントへと変化しつつあります。

この流れを受けて、消費者の主要な情報収集手段であるライブコマースに求められる役割も、今までの『割引や無料ギフト情報の発掘』から『製品詳細・機能・品質の理解』へと変化しています。今後、日本企業が中国における収益拡大を図るためには、独身の日を単発な取り組みや衝動的なセールイベントではなく、中国の消費者に対する継続的なアプローチの一環として製品の魅力や品質を訴求できる最大の機会として捉えることが重要であると考えられます。」

出典元:アリックスパートナーズ

構成/こじへい

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