人気レスラー・グレート-O-カーンが選んだトークや雑談が面白いVTuber6選

YouTubeでは一般的な「ゲーム実況」や「トーク配信」のほか、VTuberだからこそ特色を出しやすい「ご当地系」や「実学・トレンド解説」などがコンテンツのトレンドだ。複数にわたって活躍するケースも多いが、今回は〝特に推せるジャンル〟にて紹介する。

トーク・雑談

トーク・雑談はイラストを2Dアニメとして動かす技術を用いることが多く、VTuberならではの魅力を感じにくいコンテンツだ。それでも時に3万人以上の視聴者を集めるのは、VTuberのタレント性が重要視されている証拠だ。

雑談配信は視聴者と質を高め合う共創コンテンツ

　VTuberにとってトーク・雑談配信は基本コンテンツのひとつだ。その感覚は〝お気に入りのキャラクターが映っている生放送のラジオ番組〟に近いといえる。ともに双方向性のあるメディアだが、視聴者の声が配信内容に与える影響はラジオよりも強い。

　VTuberが視聴者のコメントにダイレクトに反応することがあり、それがたびたび筋書きを超えたドラマやエンタメを生む。キャラクター性を生かしたVTuberのボケ・言動に対して、視聴者がチャット欄にツッコミを書き込む。このコール＆レスポンスがスムーズにできるVTuberの配信は、同時接続人数や再生回数が増える傾向にある。また、ファンが自発的に切り抜き動画を作成・拡散するため、新規視聴者の呼び水にもなるなど、相乗効果を生むのだ。

「例えば、現実社会のアイドルのようにキャラクター性を守りながら活動する芸能人はひとたび粗が出てしまうと、周囲から叩かれる風潮がありますよね。しかし、VTuberにはそれすら許されてしまうような空気感がある。いい意味での粗さ・ゆるさがVTuberの魅力を掘り下げる重要な要素であり、新たなコンテンツを生み出す原動力にもなっているのです」（ニッセイ基礎研究所・廣瀨涼さん）

　VTuberと視聴者が作るプロレスのような美しいグルーヴ感を、ぜひリアルタイムで体験してほしい。

ホロライブ  宝鐘マリン

初配信 2019年8月／チャンネル登録者数 215万人

軽快なトークやモノマネ、イラストなどマルチな才能を発揮。きわどいトークや自ら黒歴史と称する自作ゲームを実況するなど、攻めた内容と視聴者の声に積極的に反応するスタイルで人気。ホロライブの日本勢初となるYouTubeチャンネル登録者200万人を突破した。

プロレスラー／グレート-O-カーンさんの推しポイント
VTuberの魅力を一番体現している

©新日本プロレス

〝宝鐘マリン〟のココがすごい！

宝鐘マリンは宝鐘の一味（ファン）との距離感がめちゃくちゃ近いんじゃよな。視聴者を「君たち」って呼ぶのもそう。高嶺の花のアイドルというよりも、学園の人気者グループの中心人物という印象で、教室の中で一緒にワイワイ話している。彼女の生配信にはそんな雰囲気がある。
© 2016 COVER Corp.

にじさんじ  ジョー・力一（りきいち）

初配信 2018年8月／チャンネル登録者数 42.3万人

「にじさんじSEEDs」2期生としてデビュー。朝8時配信開始でありながら深夜ラジオのテンションで進む「ジョー・力一の深夜32時」をはじめ、ラジオ配信を中心に活躍。サブカルチャーに明るく、昭和ネタも潤沢。歌唱力が非常に高く、ライブパフォーマンスにも華がある。

編集部／ワタナベの推しポイント
1人コントのように話題を転がす〝ラジオの帝王〟

〝ジョー・力一〟のココがすごい！

力一さんのトークは、8代目橘家圓蔵の姿が重なるくらいナンセンスで気持ちいい。にじさんじの盟友・舞元啓介と膝を突き合わせる「舞元力一」も好きですが、最近急接近している〝おしゃべりピンク〟こと周央サンゴとのコラボに期待。平沢進縛り歌枠の1年ぶりの配信を心待ちにしています。
©ANYCOLOR, Inc.

名取さな

初配信 2018年4月／チャンネル登録者数 29.7万人

バーチャルサナトリウムの新人ナースVTuber。雑談配信が多く、ネット流行語を駆使した会話ネタをはじめ、モノマネやお絵描きなど様々な雑談スキルで視聴者を飽きさせない。2022年10月にサンリオとコラボ。秋葉原駅で店舗販売を行なう。

プロゲーマー・ライター／すいのこさんの推しポイント
華やかなライブの裏に気になる一面が？

〝名取さな〟のココがすごい！

誕生日恒例の記念イベントは、衣装や背景も個人VTuberとは思えないほどのハイクオリティー。サナトリウム（長期療養所）のナースを自称しているが、入院中に撮影されたと思われる謎の動画や手首の包帯らしきものなど、時折見せる考察要素もハマるポイント。
©Sana Natori

ホロライブ  大空スバル

初配信 2018年9月／チャンネル登録者数 139万人

ニコニコ動画で活躍していたVTuber「バーチャルおばあちゃん」に憧れて、ホロライブの門を叩いた2期生。男勝りな性格でありながら、アイドル企画「hololive IDOL PROJECT」に参加。ボーイッシュな外見と女の子らしい仕草のギャップでファンを魅了している。

プロレスラー／グレート-O-カーンさんの推しポイント
本当の魅力っちゅうのは3Dになった時にある！

〝大空スバル〟のココがすごい！

大空スバル姫は物事をハキハキ言うタイプなんじゃけれども、Twitterを遡って誰がどんな書き込みをしたのかすべて把握しているという。それくらいスバ友（ファン）のことを見てくれている。小中学校で厳しい学校に入っていたという境遇も、余の境遇と重ねて好感を得るよな。
© 2016 COVER Corp.

にじさんじ  周央（すおう）サンゴ

初配信 2020年8月／チャンネル登録者数 40.3万人

世怜音女学院中等部１年演劇同好会所属の末っ子系VTuber。「みなさま〜」の口上がネットミームとなったほか、朗読スタイルの歌配信も人気。2022年5月『志摩スペイン村』の魅力を熱弁した配信がバズり、同施設のTwitterフォロワーが急増。ワイドショーでも話題に。

エンタメ研究者／廣瀨涼さんの推しポイント
彼女のバズり方はマーケティング的にもおもしろい

〝周央サンゴ〟のココがすごい！

テーマパーク業界における彼女の影響力は大きかったと思います。YouTuberと親和性の低いテーマパークとの間に、誰しもが思いつかなかった接点をひとりのVTuberが作った。この事実はマーケティング的にもすごくおもしろいなって思うんですよね。
©ANYCOLOR, Inc.

のりプロ  犬山たまき

初配信 2018年9月／チャンネル登録者数 89.3万人

漫画家・佃煮のりおがプロデュースする男の娘（女装した男子）VTuber。トークの立ち回りの良さに定評があり、ガヤでも輝く。『犬山たまき対談バトル』『座談会』など、持ち前の話術を生かしたコラボ企画が多く、VTuberだけでなく人気ストリーマーとの共演も。

ゲームキャスター／田中一朗さんの推しポイント
公式情報よりも先に対談バトルをチェックします

〝犬山たまき〟のココがすごい！

初めて見たのは2年前、にじさんじのリゼ・ヘルエスタさん出演回です。今では気になるVTuberを見つけたら、まずは『犬山たまき対談バトル』をチェックするのがルーティン。対談なのでその人の魅力を深く知れますし、視聴者と同じ目線で質問するところも大好きです。
©のりプロ／佃煮のりお

文／たまごまご、渡辺和博、桑元康平

※チャンネル登録者数は2022年9月末時点。