YouTubeでは一般的な「ゲーム実況」や「トーク配信」のほか、VTuberだからこそ特色を出しやすい「ご当地系」や「実学・トレンド解説」などがコンテンツのトレンドだ。複数にわたって活躍するケースも多いが、今回は〝特に推せるジャンル〟にて紹介する。
ゲーム実況
主要な配信スタイルのひとつにゲーム実況が挙げられる。RPGなどを楽しみながらプレイする人、プロゲーマーに引けを取らないスーパープレイで沸かせる人など、その配信スタイルは様々。プレイするゲームタイトルも千差万別だ。
2種類の〝もどかしさ〟がおもしろさのミソ
ゲーム実況はVTuberの〝王道〟といえる配信ジャンルだろう。生配信主体で活動するVTuberの場合、基本的な活動場所が自宅であることがほとんどだ。そのため、PCやゲームハードさえあれば手軽に行なえるゲーム実況はVTuberと非常に相性が良いといえる。
ニッセイ基礎研究所の廣瀨涼さんによると、ゲーム実況の持つおもしろさはストリーマー全体に共通する本質があるという。
「一言で表すと〝もどかしさ〟でしょうか。これには2つの側面があって、一つはゲームが得意じゃない人が自分でプレイする際に感じる、なかなかクリアできないというもどかしさ。ゲームがうまい実況者が軽々とクリアしていく様子を見て、自分も満足するという形で自身のもどかしさが解消され楽しいと感じます。
もうひとつは、実況者のプレイを見て感じるもどかしさ。決して上手とは言えないプレイを観て、コメントを介してツッコミやアドバイス、応援をしたくなる側面です。これらのコメントがきっかけとなり、配信者の新しい魅力が掘り起こされたり、コメントを参考にして技術が向上したりするといった相互作用が生まれていく。これもゲーム実況の醍醐味といえるでしょう」
ゲーム実況配信に対する需要の高まりは、自分に合った消費を選択できる消費者が増えていることの裏づけだという。
「自分でプレイするよりも、『ゲームの内容がわかればいい』、『遊んでいる人を観るほうが楽しい』という人が増えてきている。ゲーム実況にはそういった人たちのニーズもあるのです」
Neo-Porte 渋谷ハル
初配信 2018年5月/チャンネル登録者数 78.6万人
Neo-Porteの運営兼所属タレント。アメリカの名門eスポーツチーム「Team SoloMid」にも所属する。高いFPSの実力が特徴で、特に『Apex Legends』ではプロと遜色ない腕前。VTuber限定大会『VTuber最協決定戦』主催というイベンターとしての顔も持つ。
ゲームキャスター/田中一朗さんの推しポイント
プロ並みの腕前を持つ大会運営の第一人者
〝渋谷ハル〟のココがすごい!
ゲームの腕前や大会運営の手腕はもちろんのこと、確固たるビジョンを持ちつつ、マネタイズも意識した活動も欠かさない渋谷ハルさん。VTuber業界全体を俯瞰したうえで立てているYouTubeの戦略や、自己プロデュースのうまさは、人間としても尊敬できます。
©ShibuyaHAL
ホロライブ 湊あくあ
初配信 2018年8月/チャンネル登録者数 168万人
ホロライブ2期生のバーチャルメイド。自他ともに認める〝陰キャ〟ながら、何事にも真剣に打ち込む姿勢が人気で、特にゲームの実力はメンバー随一。オリジナル楽曲『#あくあ色ぱれっと』がTikTokで流行し、人気急上昇ランキングで2位にランクインした。
エンタメ研究者/廣瀨涼さんの推しポイント
若い世代に刺さるキュートな声と容姿
〝湊あくあ〟のココがすごい!
Z世代から圧倒的な支持を得ている湊あくあさん。人気の秘訣は何といってもビジュアルと声。可愛らしい容姿と、どこか放っておけないドジっ子ぶりが若い世代の心をつかみます。一方で、ゲームや歌うときなどはストイックで真摯な姿勢で臨むギャップも彼女の魅力のひとつでしょう。
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ぶいすぽっ! 一ノ瀬うるは
初配信 2019年4月/チャンネル登録者数 45.5万人
プロゲーマー・ライター/すいのこさんの推しポイント
普段とゲーム時のギャップが魅力的
〝一ノ瀬うるは〟のココがすごい!
どことなく気怠そうないわゆるダウナー系で、古参なのにイジられ役になりがちな「のせさん」ですが、大会になると驚異の集中力を発揮。高い精度で相手を撃ち抜く技術はプロに認められるほど! ご両親が医師で育ちがよく、配信で話す節々から隠しきれない教養レベルを感じられるのも魅力。
©ぶいすぽ
ホロライブ 戌神ころね
初配信 2019年4月/チャンネル登録者数 187万人
ホロライブゲーマーズ所属の犬系VTuber。プレイするのはレトロゲームが多め。ゲームが楽しいあまり、気づいたら配信時間が10時間を超え、マネージャーからストップがかかることも。22年6月にSEGAが展開する『ソニック』のアンバサダーに就任した。
プロレスラー/グレート-O-カーンさんの推しポイント
訛りボイスと心からの笑いは癒し度満点じゃ!
〝戌神ころね〟のココがすごい!
何といっても訛りが可愛いんじゃ。そして屈託のない笑い声……心からゲームを楽しんでいるのが伝わるから、ついこっちも笑顔になっちまう。そして絶対観てほしいのが、今年の元旦にさくらみこ(※)とコラボ配信した24時間番組『#みっころね24』。余がゲストで出たぞ!
※ホロライブ所属のバーチャル巫女アイドルVTuber。
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ぶいすぽっ! 藍沢エマ
初配信 2021年9月/チャンネル登録者数 34万人
「ぶいすぽっ!」所属。メンバーの中でも特に口調が柔らかく穏やかな性格のため、清楚系担当と言われることも。22年8月に彼女を含むメンバーが神田明神納涼祭りとコラボ。直接会話ができるブースやコラボ商品などを販売した。
プロゲーマー・ライター/すいのこさんの推しポイント
どこまでも自然体だからこそ生まれる安心感
〝藍沢エマ〟のココがすごい!
清楚系ながら、時折見せる〝オタク笑い〟などのギャップが魅力だと言われがちですが、それは彼女が自然体だからこそ。楽しそうにゲームをし、視聴者の悩みに親身に向き合う姿勢は安心感を与えてくれます。合格後、半年かけてゲームの実力をつけてからデビューする努力家なところも推せる!
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にじさんじ 葛葉
初配信 2018年3月/チャンネル登録者数 140万人
にじさんじ所属のニートでゲーマーな吸血鬼。「やってんねぇ!」などの独特の台詞回しが特徴。ゲームの腕前はもちろん、配信時間の長さもにじさんじ屈指。2022年3月、ユニバーサルミュージックVirgin Musicよりメジャーデビューを果たした。
編集部/ワタナベの推しポイント
チャラそうで真面目な頼れるお兄さん的存在
〝葛葉〟のココがすごい!
初めて配信を観た時の印象は「ちょっとチャラそうな人」。しかしゲームへの向き合い方や落ち込んでる仲間を本気で励ます姿勢などから、とても真面目で努力家な人なんだと考えを改めました。普段のハイテンションなところは真剣さの裏返し。そのバランスの良さが魅力だと思います。
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文/桑元康平
※チャンネル登録者数は2022年9月末時点。
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