画像はイメージです
日本の国民食と言っても過言ではないカレーだが、ここ10年でカレー店の数はどの程度増減したのだろうか?また、人口10万人あたりのカレー店の数がもっとも多い都道府県はどこなのか。
NTT タウンページでは、タウンページデータベース(職業別電話帳データ)を活用してさまざまなマーケティング情報を提供しており、同社が運営するタウンページデータベース商品紹介サイトでは、独自の都道府県ランキングを発表している。
本稿では、タウンページデータベースをもとにした、カレー店の10年間における登録件数推移と都道府県別の登録件数ランキングを紹介する。
2013〜2022年におけるカレー店登録件数の推移
はじめに、2013年から2022年までの全国のカレー店の登録件数の推移データを紹介する。
出典:「タウンページデータベース」(NTT東日本・NTT西日本)NTTタウンページ株式会社調べ
2013年から2017年まではそれほど大きな変動はなかった。専門店や海外からの出店も増え、日本のカレー業界はある種飽和状態を迎えていたのかもしれない。2018年からは登録店舗数の減少に拍車がかかり、2022年には2,598店舗にまで減少、2014年に3,015店舗あったピーク時に比べ、約400店舗減少となった。
業界内での熾烈な競争やコロナウイルス流行の影響で店舗運営が立ち行かなくなったことも影響しているのだろう。カレーはコロナ前からデリバリーが展開されておりコロナ禍に適した業態ではあったが、店舗運営が中心であったため、他の飲食店に比べれば打撃は小さいものの業績を大きく落としてしまったことが原因のひとつと考えられる。
地域別に見る人口10万人あたりの「カレー店」登録件数
続いて、2020年から2022年にかけての都道府県別のカレー店の登録件数の推移と10万人あたりのカレー店の調査結果を紹介する。
出典:「タウンページデータベース」(NTT東日本・NTT西日本)NTTタウンページ株式会社調べ
2020年の人口10万人あたりのカレー店登録件数トップは石川県・北海道・富山県で、2021年もその顔ぶれは変わらなかった。
2021年の10万人あたりの登録件数は石川県が5.47店舗、2位の北海道で4.31店舗、3位の富山県は3.00店舗だった。2022年は3位に大阪府が入り富山県が4位となったが、10万人あたりの登録件数の差はたった0.01と、かなりの激戦だった
また5位から10位については、2020年・2021年と順位に変動はあるもののほぼ顔ぶれは変わらない結果となった。
2022年「カレー店」登録件数、1位~3位の都道府県の特徴
1位の「石川県」は、日本海の新鮮な海産物の宝庫で伝統的な和食のイメージが強いが、実はカレー好きな県民性でもよく知られている。中でも「金沢カレー」と称されるカレーは知っている人も多いのではないだろうか。
特徴としては、濃いめのルー、ルーの上に乗っているカツ、そしてそのカツにソースがかかっていること、などが挙げられるが、店によって多少違いがあるようだ。
2位の「北海道」は、北のカレー王国と言われるほどのカレーの名地。特に札幌発祥のスープカレーは大人気で、ジンギスカンやラーメンと並ぶ名物フードとして全国から求める人がいるほど。新鮮な野菜をふんだんに使用したスープカレーのおいしさは格別だ。スープカレーの他、クリームソースをベースにして作るホワイトカレーも北海道のご当地グルメだ。
3位の「大阪府」はカレー激戦区の都市として有名。創業100年を超える名物カレー店など老舗カレー店も存在感を放っているが、近年静かな盛り上がりを見せているのがスパイスカレー。独自に調合したスパイシーなカレーで、ご飯と合わせる、出汁を使うといった点が特徴で、スパイシーなのにあっさりとした味が新感覚だ。日本最大のカレーイベント「カレーEXPO」は大阪府吹田市の万博公園で開催されている。
<調査概要>
都道府県別 人口約10万人に対する「カレー店」の登録件数分布及び年別の推移を掲載している。
対象期間と抽出方法:2020年・2021年・2022年の各4月時点で、タウンページデータベースの業種分類「カレーハウス」に登録されている件数を集計し算出。
※1人当たりの登録件数は、小数点以下数桁になるため10万人換算をしている。
出典元:東日本電信電話株式会社
構成/こじへい