ドンキの「情熱価格」がリブランドして進化中
2009年のブランド立ち上げ以来、その価格と商品のインパクトの強さで注目を集めることの多いドン・キホーテ(以下、「ドンキ」)のプライベートブランド「情熱価格」。だが同店を運営する「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」(以下「PPIH」)によると、確かに当初はドンキらしい商品で注目を集めたが、次第に独自性が失われていき、売上高に占めるPB商品の構成比も伸び悩んでいたという。
そこで同社は2020年夏ごろからリブランディングに着手。2021年2月にはさらにドンキらしさを実現するための新たなブランドメッセージ「ドンドン驚キ」を掲げたリニューアルを決行。その成果を披露するために、「ドン・キホーテPB商品メディア向け体感・展示会」を開催した。
同展示会を取材した筆者が驚いたのは、そのあまりに赤裸々な情報開示。喜ばれるだろうと思って開発したのに、まったく売れなかった「やっちまった商品」コーナーを始め、普通なら隠しておきたいであろう商品への不満ネタが、これでもかと公開されていたのだ。以下はその一例。
「この商品のここがダメだった」というユーザーからのダメ出し情報で再開発した商品コーナー。
こうした赤裸々な広報の姿勢とともにもうひとつ意外だったのが、「情熱価格のウェアが、すごく攻めている」という事実。正直、ドンキに行くのは話題のお菓子などの食品、グッズが目当てで、衣料品コーナーで足をとめたことはなかった。しかし、「情熱価格」コーナーにはやたらと衣料品が多く、しかもそのひとつひとつをよく見ていくと、「ここまでやる!?(しかもこの価格で)」と驚くものばかり。
以下、開発担当者のコメントとともに、特に強く印象に残った「情熱価格」ウェアを紹介する。
男性特有の人に言えない悩みを解消する「ドンキ・テクノロジー」が1090円!
「情熱価格ウェアで最も驚いたのが、「ドンキ・テクノロジー ボクサーパンツ」(1,090円※税込み以下同)。「きっと見つかる理想の下着!」をコンセプトに、誰にも言えなかった男性特有の細かい悩み・不安に対応するためタイプ別に6種の商品を開発したシリーズ。ラインナップは以下のとおり。
・裸族のようにリラックスしたいという人のための極薄・超軽量パンツ「かるック」
・汗で蒸れて股間やお尻がムズムズする人のためにウルトラメッシュ素材を使用した「むれナック」
・吸水&防水で水分が表面の生地に漏れにくく、ちょい漏れも安心な「もれナック」
・伸長率355%で窮屈さを軽減しやさしくフィットする「のびック」
・とにかく極上の肌触りを味わいたい人のための「さらテック」
・ポジションが定まらず左右にズレるのが気になる人のための超立体インナーポケット構造「ポジテック」
まさにかゆいところに手が届く、いたれりつくせりの機能。それがこの価格というのは驚きだ。
「ドンキ・テクノロジーは、男性特有の細かい悩み・不安を解消するために作られたメンズインナーの新シリーズです。理想の下着に巡り合えていない方はもちろん、これをきっかけに、特にこだわりをお持ちでなかった方も、ぜひ試してみていただきたいです」(PB企画開発担当のPPIH 向 剛史氏)