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どんな画像ができる?進化が止まらない「画像生成AI」の世界

2022.11.12

進化が止まらない「画像生成AI」の人気サービス4選|無料アプリを試してみた

ツイッターやメディアで話題になることが増えた画像生成AIサービス。イメージをテキストで伝えると、それを受けたAIが瞬時にイラストや背景を描き上げるというものだ。

今回はそんな「AIお絵描き」が楽しめる4つの人気サービスの特徴や使い方を紹介する。

記事の後半では、LINEで遊べる「お絵描きばりぐっどくん」を使ってみた感想や、実際に生成した画像をまとめたのでチェックしてみてほしい。

画像生成AIとは?

画像生成AIとは、描きたい絵のイメージをキーワードとして打ち込むとそれに基づいたイラストを人工知能が自動生成するというシステムだ。

画像生成AIで描いたイラスト16

[画像:AIピカソで作成]

所要時間はものの数10秒~1分程度。AIはインターネット上に無数にある画像データから学習し、キーワードに対して最適と思われるオリジナルの画像を作成する。

画像生成AIで描いたイラスト14

[画像:お絵描きばりぐっどくんで作成]

メディアやSNSを見ていると正直、的外れな絵や不気味な絵が解として返ってくることもあるようだが、ハッとしてしまうほどハイクオリティな作品が生まれることもあるという。

画像生成AIで描いたイラスト10

[画像:AIピカソで作成]

画像生成AIサービスとして有名なのは、2021年から2022年の前半にかけて発表されたOpenAI社の「DALL・E」やGoogle社の「Imagen」だ。しかしこれらは世間を大きく騒がせたものの、AIを使って誰もが気軽に「お絵描き」ができるサービスとはいえないものだった。

そんな折、登場したのがMidjourney社の「Midjourney」だ。スペックについては後ほど詳しく解説しているが、Midjourneyは一般ユーザーである我々も気軽に楽しめる「AIお絵描きブーム」の草分け的存在として知られている。

画像生成AIで描いたイラスト17

[画像:お絵描きばりぐっどくんで作成]

画像生成AI関連の開発・研究は現在世界中で爆発的に広まっており、アニメやデザイン、広告やゲーム業界のみならず様々なビジネスへの応用も期待されている。

画像生成AIというと敷居が高そうなイメージだが、早くもスマホアプリに展開されたものなどが登場しており、広い層から高い関心を集めている。画像生成AI市場の可能性と期待値は非常に高いといえるだろう。

画像生成AIの人気サービス4選

数年前から賑わっている画像生成AIサービスの界隈で、注目を集めているものを4つ紹介する。日本の一般ユーザーから支持されているサービス・アプリをまとめたので、専門知識がないという人もぜひチェックしてもらいたい。

①Stable Diffusion(ステーブル・ディフュージョン)

開発:Stability AI社(イギリス)

2022年8月にオープンソースとして公開され、「革命」ともいわれた画像生成AIサービス。

現時点で公開されている多数の画像生成AIの中でもトップレベルといわれる性能に加え、オープンソースという配布形態が全世界に衝撃を与えた。

オープンソースとは、ソフトウェア自体の使用がフリーなだけでなく、その構成プログラムである「ソースコード」を完全無償で一般公開することだ。これにより、一般・法人問わず誰でも無償でプログラムの再利用・再配布をすることが可能になる。

公開からわずか数ヶ月だが、日本でもStable Diffusionを利用して開発されたアプリやサービスが続々とリリースされておりいずれも話題をさらっている。

【特徴】

  • 利用料は無料
  • ソースコードが無償公開されている
  • 生成した画像は商用利用可能
  • 使用にはある程度の専門知識が必要

Stable Diffusionを無料で使用するにはPCにインストールしてローカルでの実行環境を整えるか、「Google Colaborator」などのブラウザからPythonの記述・実行ができるサービスを利用することだ。

実際にAIに画像を生成させるときは、通称「呪文」と呼ばれるプロンプトを入力する。より高度で理想に近いイラストを描かせるにはこの呪文の組み立て方がカギになる。

そんなところもStable Diffusionがプログラマーたちの探求心を刺激する要因なのではないだろうかと思う。現に、早くもネットでは「Stable Diffusion呪文集」「呪文詠唱のコツ」などのコンテンツが競い合うように公開され盛り上がりを見せている。

もし自分で動作環境の構築するのが難しい場合は、「DreamStudio」というオンラインサービスで試すこともできる。Stable Diffusionのベータ版としてリリースされたもので、ブラウザ上に環境が整っているためアカウントを作成すれば手軽に利用できる(呪文を扱う点は変わらない)。

DreamStudioは初回登録から200枚程度(画像サイズによる)の画像生成までは無料、それ以降は課金制となっている。

■Stable Diffusion:https://stability.ai/blog/stable-diffusion-announcement

■DreamStudio:https://beta.dreamstudio.ai/

②Midjourney(ミッドジャーニー)

開発:Midjourney社(アメリカ)

2022年6月に公開された画像生成AIサービス。当初、想像を遥かに超えるイラストのクオリティが話題になり、たちまちSNSで拡散された。

同年8月に米コロラド州で開催された美術品評会ではMidjourneyで生成された作品が1位を獲得し、物議を醸したことでも有名だ。

【特徴】

  • トライアル(25枚)は無料で利用可能
  • サブスクリプション会員(有料)は商用利用可能
  • 使用は単体ではなく、チャットアプリを通じて行う

Midjourneyに画像生成の指示を出すためには、フリーのチャットアプリサービス「Discord」のアカウントが必要。DiscordからAIへテキストを送ると、テキストに基づいた4パターンの画像を生成してくれるシステムだ。

テキストで指示を送ってからイラストが生成される時間は約1分ほど。通常使用する分には特別な知識は必要なく、日本語での指示も可能だが英語の方が精度が高いという。

サブスクリプション(有料)会員は2022年10月の時点で月額10ドル~。法人プランを含む複数のプランが用意されており、月額や作成数の上限などが異なる。

■Midjourney:https://www.midjourney.com/home/

③お絵描きばりぐっどくん

開発:株式会社西海クリエイティブカンパニー(日本)

Stable Diffusionを使って制作されたLINEで遊べるAIお絵描きbotサービス。2022年8月末にリリースされた。

九州工業大学情報工学部に在籍している現役大学生が開発したことでテレビなどで取り上げられ、話題になった。

【特徴】

  • 1日10枚まで無料
  • プレミアムメンバー(有料)になると無制限で作成可能
  • 生成された画像データの著作権はStable Diffusionの規約に属する
  • 使用にはLINEの友だち登録が必要

最大の特徴はその手軽さだ。「三毛猫を抱いた少女」や「モネが描いた秋の風景」など、描きたいイラストのイメージをLINEでメッセージとして送信すると、AIが自動生成したデータが送られてくる。

画像生成AIで描いたイラスト13

[画像:お絵描きばりぐっどくんで作成]

プログラミングの知識や導入の手間が要らず、ゲーム感覚で使えるため画像生成AIのお試しとしてはぴったりだろう。

お絵描きばりぐっどくんの詳しい使い方は後編でレビューしているのでそちらを参考にして欲しい。

■お絵描きばりぐっどくん:https://page.line.me/877ieiqs

④AIピカソ

開発:株式会社AIdeaLab/株式会社みらいスタジオ(日本)

2022年9月にリリースされたAIお絵描きアプリ。こちらもStable Diffusionを使って制作されている。

iOS版とAndroid版があり、スマホで気軽に画像生成AIを試してみたい人から人気を集めている。

【特徴】

  • 利用料は無料
  • 作成枚数も無制限
  • 広告表示あり
  • 生成された画像データの著作権はStable Diffusionの規約に属する
  • ラフ絵からのAI画像生成も可能

初期設定などはなく、インストール後にアプリを開けばすぐに作業画面へ進むことができる。

画像生成AIで描いたイラスト15

[画像:AIピカソで作成]

指示はキーワードを入力するか、簡単なラフ絵を送信してAIにイラストとして仕上げさせる方法もある。キーワードの入力は日本語と英語の両方に対応している。

珍しい機能としては、画像の一部を塗りつぶし、その部分だけをAIに描かせることができるというもの。これにより、例えば「ビルが立ち並ぶ都心の風景」の一部に「ゴジラのような怪獣」を登場させるなどということが可能になる。

AI画像生成のハードルが低く、アイデア次第で遊び方が広がるのが良いところだ。

■AIピカソiOS版:https://apps.apple.com/app/ai-picasso-dream-art-studio/id1642181654

■AIピカソAndroid版:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.aidealab.aipicasso

LINE友達登録で使える「お絵描きばりぐっどくん」でAIイラストを描いてみた

ここからは、LINE友達登録で使える「お絵描きばりぐっどくん」の詳しい使い方を紹介する。

作品例や画像生成AI初体験の筆者が実際に試してみた感想なども載せているので参考にしてもらいたい。

【使い方】

1 まずはLINEアプリを開き、「お絵描きばりぐっどくん」(https://page.line.me/877ieiqs)を友だちに追加する

2 トーク画面になれば準備OK

3 キーボードマークをタップして任意のメッセージを送ろう

早速「三毛猫を抱っこした少女、水彩画風」とメッセージを送ってみた。

生成されたのがこちらの画像だ。

画像生成AIで描いたイラスト1

思わず「ぽい!」と口に出してしまった。雰囲気のある仕上がりで、水彩画のにじんだ感じもよくできていると思う。どこかのアーティストが描いたといわれてもしっくりくる。

続いて「三毛猫を抱っこした少女、アニメ風」とメッセージを送ってみた。ばりぐっどくんが描いてくれたのがこちらのイラストだ。

画像生成AIで描いたイラスト2

これはヒドイ(笑)

かろうじて「少女」で「アニメ風(?)」だが、三毛猫でもないし首から下のデッサンがおかしくなってしまっている。

アニメという単語はそもそも「アニメーション(動画)」の意味なので、我々が思うようなニュアンスでAIに捉えてもらうことはできないのかもしれない。

固有名詞はどうなのだろうかと思い、「東京タワーの夜景」と打ってみた。仕上がりはこちら。

画像生成AIで描いたイラスト4

おおー!これはまさしく東京タワーの夜景というに相応しい画像だ。

日本にしかないものでもイケるんだなと思い、続いて「神社の鳥居と狛犬」をリクエスト。

画像生成AIで描いたイラスト7

正しくもないがそこまでおかしくもない。しかしあきらかに狛犬ではない。

海外の方が「日本の神社」と聞いてなんとなく思い浮かぶものといった感じだが、大きくズレてはいないだろう。

実在の建物や風景などはタッチを指定しないと写実的に描くようになっているのかもしれない。ここまで、大体10秒~数10秒ほどで生成された画像が返ってくるのでストレスはない。

だんだん面白くなってきたので、色々試してみた。

「青い空と青い海と地中海の街並み」

画像生成AIで描いたイラスト8

「モネが描いた日本の秋の風景」

画像生成AIで描いたイラスト3

「美しい海を泳ぐ人魚、油絵風」

画像生成AIで描いたイラスト6

このあたりは素晴らしい仕上がりだった。実在する芸術家のタッチはAI的に描きやすいようなので、「ピカソ」や「ゴッホ」あたりもおすすめだ。

次の「サイバーパンクの侍」も、なかなか良かった。

画像生成AIで描いたイラスト11

「サイバーパンク」という単語は日本ではそこまで馴染みがないが、近未来的都市的な雰囲気を出したいときに使うとAIに伝わりやすいというウワサをネットで見た。ぜひ試してみて欲しい。

続いて、恐怖を覚えつつ感心してしまったのが「可愛いゴスロリの少女」の画像だ。

画像生成AIで描いたイラスト12

怖い、怖すぎる…!

今夜夢に出てきそうだ。

だが「ゴスロリ」という単語がAIに通じたのには驚いた。ゴスロリは「ゴシック・アンド・ロリータ」略で、日本生まれの造語なのだと思うが、しっかりゴスロリファッションの少女(?)が登場したところには恐れ入った。

最後はこちら、「少女漫画に出てくる金髪イケメン」。

画像生成AIで描いたイラスト5

まぁ、わからなくもない…かなぁ(笑)

漫画好きの小学三年生が描いたイケメンという感じ。せめて頭くらい金色に塗ってくれても良かったのではと思うが。「漫画」だからモノクロなのかもしれない。

ちなみに、「女の子を壁ドンする金髪イケメン」を描いてもらおうとしたら、ばりぐっどくんを困らせてしまった。

恐らくだが、「壁ドン」の言葉の響き的に、利用規約にある「有害・残酷なコンテンツ」に該当してしまうのではないだろうか。

10枚生成したところで本日分の上限枚数が終了。

お絵描きばりぐっどくんは疲れてしまうので、10枚以上作成したい場合はまた次の日に作業するかプレミアムメンバーになる必要がある。

画像生成AIを試した感想は、「面白かった」につきる。呪文といわれるAIへの指示を自分なりにハックしていくのも楽しそうだ。VRゲームのように普及が進めばのめりこむ人はさらに増えるだろう。

ただ、正直なところ生成した画像をクリエイティブに活用できるかといわれると悩んでしまう。「人に見せたい」や「手元に飾っておきたい」という思いが湧くまでには至らなかった。

画像生成AIで描いたイラスト9

[画像:AIピカソで作成]

個人的には、暇つぶしができる新ジャンルのゲームといった感覚だ。とにかく楽しめたことは間違いない。

次の機会があればぜひ他の画像生成AIも試してみたいと思う。

画像生成AIは世界中の注目を集めるジャンル

目まぐるしいスピードで進化する画像生成AIの世界。1年といわず数ヶ月、数週間のうちに次々と情報が更新されていくので、目が離せない。

近頃では、AIという従者を思い通りに従わせ、的確な呪文を導き出すことができる人=「プロンプトエンジニア」などという立場も確率されはじめているという。

気になる人はぜひ早いうちに片足を突っ込んでおいてはいかがだろうか。瞬く間に拡大されるであろう画像生成AIマーケットの先行きを追いかけてみてほしい。

※記事内の情報は全て2022年11月の執筆時のものです

※各サービスの詳細については公式サイトにてご確認ください

文/黒岩ヨシコ

編集/inox.

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