現在、Web3に関して、どのような企業が参入していて、どんなプロダクト(アプリやサービス)を展開しようとしているのか。その全体像を明らかにしようというのが「カオスマップ」だ。それぞれの詳細について、制作した企業に解説してもらった。
Web3カオスマップとは!?
Web3を構成する様々なプロダクトや技術に関わるプレーヤー(企業やプロジェクトなど)をカテゴライズし、俯瞰できるようにした業界地図。今回取材したDiarkisやスカイランドベンチャーズのような企業が公開している。
分散型でオープンな 新しいサービスが続々
グローバルのWeb3関連プレーヤーを分類して「コンテンツ」「ブロックチェーンテクノロジー」「知的財産管理ツール」という、3つのカオスマップを作成・公開しているのが、オンラインゲームに欠かせないリアルタイム通信エンジンを開発、提供するDiarkis社だ。上に紹介する「コンテンツ」のマップでは、サービスやツールをまとめている。
「Web3にカテゴライズされるプロダクトの多くは、我々の通信エンジンの設計と同じく“分散”の概念にもとづいていることから、マップ化したいと考えました」
そのように作成の経緯を説明するのは同社CEO高橋信頼さん。公開後の反響は大きかったという。
「Web3には、どこかの企業がルールを作って、それを押しつけるのではなく、みんなで管理するという考え方のプロダクトが多い。発想が既存のものとは大きく異なります。そこがすごくおもしろいし、注目すべき点ですね」(高橋さん)
同社が上記のようなWeb3カオスマップを作成したのは2022年2月だが、その後も新しいブロックチェーンゲームなどのプロダクトが続々と登場しているそうだ。
一方、国内の関連プレーヤーや、日本人創業者によるプロダクトをまとめたマップを公開しているのが、ベンチャーキャピタル(VC)のスカイランドベンチャーズだ。Web3に特化したファンドの設立や、NFTコレクションの買収などを行なうなど、Web3のプレーヤーとして自らも積極的に活動している。
同社CEOの木下慶彦さんによると特に動きが活発なのは、すでに始動しているものが多い「GameFi」や「NFT」のカテゴリーだ。
「スマホの登場後に『AppStore』や『GooglePlay』から様々なアプリが配信されて急成長したように、イーサリアムというプラットフォーム上で、いろんなプロダクトが急速に盛り上がりを見せています。一方でDeFiのように国内では法規制もあって、新規参入が難しい分野もあります。なお、すでに株ではなくトークンで資金調達し、DAOで意思決定をする時代になってきました。弊社のようなVCがWeb3の企業やプロダクトに対して積極的に投資していくのは必然ですね」(木下さん)
一方、例えばYouTubeが広く利用されるまでに10年以上かかったように、Web3の時代がすぐに到来するわけではない。VCとしては10年、20年という長期的に見る必要があるとも木下さんは話していた。
海外
グローバルにおけるWeb3関連のうち、サービスとツールを提供する企業を分類。登録すればすぐに利用できるサービスも多い。
国内
日本で活動、もしくは日本人が主要メンバーとして参加しているWeb3のプロジェクトなどをマップ化。スタートアップの事例も多い。
すでにWeb3で運用されているとってどんなもの?
「brave」
暗号資産が稼げるWebブラウザー
Web3への入り口として最も手軽に試せるもののひとつが、Webブラウザー「brave」。広告をブロックできるブラウザーとして知られているが、逆に広告を見れば、暗号資産の「BAT」を受け取れるユニークな仕組みが用意されている。スマートフォンやタブレット、PCなどの様々なプラットフォームに対応している。
「CRYPTO SPELLS」
NFTを売買し、ほかのゲームでも使える
日本発のブロックチェーンを用いたトレーディングカードゲーム。カード(NFT)をマーケットで自由に売買できるほか、ゲーム内で獲得できるカード発行権を使ってオリジナルのカードも発行できる。提携しているほかのブロックチェーンゲームへ、カードを転送することも可能。無料で始められるのも魅力だ。
取材・文/太田百合子
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