健康管理やワークアウトのサポートなどで注目を集めるスマートウォッチは、「Apple Watch」シリーズや「Galaxy Watch」シリーズなど、スマートフォンメーカーのモデルが主流。メーカーをそろえることで得られるスマートフォンとの接続性の良さが、魅力になっています。
そんなスマートウォッチ市場で、出荷台数世界3位(2022年第2Q)にランクインするのが、「Amazfit」です。まだご存じの方は少ないかもしれませんが、iPhoneとAndroidスマートフォンのどちらにも接続できることで、実は世界的に支持を集めているブランドです。そこで、Amazfitの最新モデル「Amazfit GTR 4」のレビューをご紹介します。
なお、ラウンド型ディスプレイのAmazfit GTR 4に対して、ほぼ共通のスペック、価格でスクエア型ディスプレイを搭載した「Amazfit GTS 4」も同時に発売されているので、デザインの好みに合わせて製品をチョイスできるのも魅力。では、実際にAmazfit GTR 4の装着感や機能を実際に試しながら、使い勝手を紹介していきましょう。
デザイン・装着感
Amazfit GTR 4のディスプレイサイズは1.43インチで、有機EL素材を採用。スマートウォッチとしては比較的大きめになっており、視認性は抜群。通知も問題なく確認できます。また、常時表示ディスプレイにも対応しており、「反指紋コーティング」が施されているため、指紋汚れが付着しにくいのも、うれしい要素です。
本体質量は34gで、見た目の印象よりも比較的軽くなっており、長時間の着用も快適です。バンドは、ワークアウト時に最適なフッ素ゴム素材の、「スーパースピードブラック」と、ビジネスシーンでも着用しやすいレザー素材の「ヴィンテージブラウン」の2色。今回はレザー素材のヴィンテージブラウンを試していますが、初めは革がかなり固く、着け外しに少し手間取りました。
本体側面には、回転させてスクロール操作が行える「ナビゲーションクラウン」と、ショートカットボタンが配置されています。スクロールはかなりスムーズで快適。ショートカットボタンは、初期設定ではワークアウトモードが割り当てられていますが、設定から任意の操作を割り当てることができます。
健康管理・ワークアウト
Amazfit GTR 4には、150種類以上のスポーツモードが搭載されており、ランニングやサイクリング、水泳といった運動データを取得。屋外ランニングやウォーキングといった8つのスポーツは自動的に認識し、スポーツモードを開始するので、特別な操作を行わなくても、どれくらい歩いたかなどが後から確認できます。
特徴的なのが、GPSの精度と安定性でしょう。業界初の「デュアルバンド円偏波GPSアンテナ」を搭載。6つの衛星システムに対応しており、99%の精度で測位可能となっています。また、目的地までリアルタイムでナビゲートする機能や、辿ったルートをリアルタイムで表示する機能にも、アップデートで対応予定となっています。
健康管理機能としては、24時間365日の心拍数、血中酸素レベル、ストレスレベルのモニタリングに対応。前世代よりも33%多くデータの収集が行えるようになりました。
睡眠に関する機能も豊富に搭載されており、主睡眠や仮眠時の眠りの深さや呼吸の質をモニタリングできるのはもちろん、睡眠時にディスプレイ輝度を下げ、通知を無効にする「スリープモード」や、自分の睡眠習慣に合わせた「睡眠スケジュール」の作成も可能となっています。睡眠スケジュールは、夜勤のユーザーなども扱いやすいよう、朝、昼の時間帯を主睡眠として設定できます。
また、毎朝6時~10時の間に、その日の天気やスケジュール、Amazfit GTR 4本体のバッテリー残量といったポップアップが表示される「モーニングアップデート」機能も搭載。こちらは、ユーザー側から時間の指定が行えないのが少々残念ですが、生活のお供として活躍する、スマートウォッチらしい機能となっています。
機能・アプリ
Amazfit GTR 4の大きな特徴が、標準的な使い方で14日間持続するバッテリー性能でしょう。ハードな仕様でも7日間、省電力モードなら24日間となっており、バッテリー残量を気にすることなく使えます。
スマートウォッチはバッテリー持続時間が1日前後のモデルが多く、充電器も独自規格になっている場合は、旅行や出張などで少々扱いにくいのも事実。標準使用で2週間持続するバッテリー性能があれば、旅行などに充電器を持っていく必要もなく、夜間に充電しておくといった手間も省けます。もちろん、豊富に搭載されている、睡眠時の機能を活躍させるという意味でも有用です。
また、オンライン時にナビゲーションクラウンを長押しすると、「Amazon Alexa」が起動できるのもポイント。オフライン時には、スポーツモードの起動や、タイマーやアラームの設定など、インターネット接続の必要がない機能は、声の操作でコントロールできます。
個人的に気に入っているのが、「リモート撮影」機能。スマートフォンメーカーのスマートウォッチの場合、同一メーカーの場合のみしか使用できない場合も多い機能ですが、Amazfit GTR 4であれば、問題なく使用できます。スマートフォンを固定して撮影したいシーンなどで、便利な機能となっています。
Amazfit GTR 4は、専用アプリ「Zeppアプリ」と接続することで、様々な設定が可能。対応OSは、iOS 12.0以降、Android 7.0以降となっており、iPhoneとAndroidスマートフォンのどちらとも接続できるのも、本製品の強みの1つです。
アプリでは、Amazfit GTR 4の各種設定のほか、健康モニタリング機能のオン、オフ切り替えや、通知の設定のほか、文字盤の変更やアプリストアの表示などが行えます。各操作はわかりやすく、設定できる項目も豊富に用意されているので、多くの人が自分の使いやすいようにカスタマイズできるのも魅力となっています。
大画面と強力バッテリーが特徴の万能スマートウォッチAmazfit GTR 4
1.43インチの大画面ディスプレイや、標準使用で14日間持続するバッテリー性能を有したAmazfit GTR 4。公式オンラインストアでの販売価格は3万1900円。高性能スマートウォッチとしては、標準的な価格設定といえます。
大画面の見やすさや物理ボタン、軽量なボディなど、Amazfit GTR 4はとにかく「誰でも使いやすい」のが魅力。紹介した通り、iPhoneとAndroidスマートフォンのどちらでも使用できるので、万人におすすめできるスマートウォッチです。
取材・文/佐藤文彦