「貧乏ゆすり」がエクササイズになる?期待できる健康効果ややり方を解説
昔から「行儀が悪い」といわれる貧乏ゆすり。落ち着きがなく、座りながら足を小刻みにゆするその行為は良くないクセとして知られています。
イライラしている風にもとれてしまうので、貧乏ゆすりを見て好感を抱くという人は少数派でしょう。
そんな貧乏ゆすりが今、仕事や勉強の合間に座りながらできるエクササイズとして注目を集めているのを知っていますか?
というわけで今回は、貧乏ゆすりが持つ驚きの健康効果についてご紹介。専門家に伺った「貧乏ゆすりエクササイズ」実践のポイントもまとめているのでチェックしてみてください。
貧乏ゆすりをすると健康に良い?
一般的に貧乏ゆすりとは、椅子に座って膝を曲げた状態でかかとを少し浮かせ、小刻みに上下させる動きのことをいいます。
貧乏ゆすりの動きをしていると、ふくらはぎの筋肉を絶えず動かしていることになります。
実際にやってみるとよくわかるのですが、この動きを2~3分も続けていると足首やふくらはぎのあたりからじんわり温かくなってきます。
これは、ふくらはぎの筋肉が絶えず伸縮を繰り返すことで血液循環が増進され、血行が良くなっているサインなのだとか。実はふくらはぎは「第二の心臓」ともいわれていて、下半身へ下がった血液を心臓へ戻すポンプのような役割を持っているんです。
ふくらはぎを含む下半身には全身の70%を占める筋肉があるといわれます。活動停止状態が続くと血流が滞り、様々な不調の原因になってしまいます。
テレワークやデスクワークで座りっぱなしの時間が長いと、足のむくみや筋肉のコリなどに悩まされることがありませんか?長時間の座位で下半身の筋肉が使われていないために起こる症状です。
冷え性やむくみ、肩コリ、腰痛などの他にも、代謝が低下することから肥満や糖尿病、メタボリックシンドロームや高血圧などを招くこともあります。さらに、将来的には脳卒中や心筋梗塞、がんなど命に係わる病気のリスクを高めることも示唆されています。
かといって、普通は仕事中に屈伸運動をしたり、ウォーキングに出るわけにもいかないですよね。
そこで便利なのが「貧乏ゆすり」というわけなんです。
習慣的に貧乏ゆすりをすることで血流が改善され、座りっぱなしからくる冷え性の改善やむくみの解消、病気のリスク回避などの健康効果を期待することができます。
【貧乏ゆすりによって期待できる主な効果】
- 冷え性の改善
- むくみの解消
- 敏捷性の増進
- 筋肉のコリの解消、予防
- 血行不良からくる病気の予防
- エコノミー症候群の予防 など
貧乏ゆすりにはセロトニンの増幅効果がある
何かに集中していたり不安を感じたとき、無意識に貧乏ゆすりをしてしまうという人はいませんか?
貧乏ゆすりは、ストレスの解消や長時間足を動かさない違和感(不快感)などから起こる行為だともいわれます。
対して、貧乏ゆすりのように一定のリズムを刻む動作にはセロトニンの分泌を促進する作用があることがわかっています。セロトニンは「幸せホルモン」ともいわれるホルモンで、セロトニンがたくさん分泌されると緊張状態の緩和やリラックス作用などをもたらしてくれます。
「ストレスが溜まるとつい貧乏ゆすりをしてしまう」というのもあながちまちがいではなく、セロトニンの増幅によるリラックス効果をもたらしてくれる可能性があるんです。
貧乏ゆすりは医学的にも注目されている運動療法
また、近年は貧乏ゆすりの健康効果に関する書籍も多数発売されており、『貧乏ゆすりでゆる体活(二見書房)』『一生寝たきりにならない体は「貧乏ゆすり」でつくる!(日本文芸社)』『「びんぼうゆすり」で変形性股関節症は治る!(エイチアンドアイ)』など、医療効果への注目度も高まっています。
筆者の感覚では、日本で貧乏ゆすりの健康効果が話題になりはじめたのは比較的最近のことです。しかし海外では、貧乏ゆすりの動きに医学的な効果が期待できるとして1970年頃から認識されていたのだとか。
医学用語で「ジグリング」と呼ばれる貧乏ゆすりの動きは、医学会では変形性股関節症への医療効果が期待できる運動療法として知られています。
【変形性股関節症とは?】 関節軟骨の磨耗などが原因で股関節に変形や炎症が起こる。股関節の痛みや運動機能障害などの症状を引き起こし、進行すると歩行や正座が困難になり日常生活にも支障をきたす。 |
変形性股関節症に対するジグリングの効用の例には、痛みの軽減やすり減ってしまった関節軟骨の再生、関節の隙間の拡大などが挙げられます。もちろん100%改善するわけではありませんが、股関節への負荷がなく、老若男女取り入れやすいため実践を勧める専門家も少なくないといいます。
『貧乏ゆすりでゆる体活』の著者・吉原先生に学ぶ!やり方とポイント
そんな貧乏ゆすりの健康効果について、『貧乏ゆすりでゆる体活』の著者でありトップアスリートを相手にするフィットネストレーナーでもある整形外科の名医・吉原先生にインタビューを行いました。
引用:PR TIMES|“貧乏ゆすり”は、実は体にいい行動だった! 8月31日、読売テレビ「朝生ワイドす・またん!」で紹介された世界一カンタンな健康法の詳細は『貧乏ゆすりでゆる体活』(二見書房刊)でチェック!(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000080611.html)
■貧乏ゆすりでゆる体活(二見書房)
■著者:吉原 潔
吉原先生が著書の中で紹介している基本の貧乏ゆすりエクササイズは、椅子に腰かけて30秒程度で実践できる手軽なものです。
貧乏ゆすりの魅力や健康効果を上げるポイント、筆者が実際に試してみて気になった点などについてお話を伺ってみました。
—吉原先生はご自身のご入院をきっかけに『体活』という考え方を見出されたということですが、貧乏ゆすりを体活の一環として広めたいと思われたのはどのような理由からですか?
吉原先生
「貧乏ゆすりは老若男女誰でもできる最適の運動です。静かに、しかも心拍数を上げずに、体への負担が少ない運動(動き)として貧乏ゆすりは価値があります。
入院していると体が弱ります。元々は体が弱っているのを治すために入院しているのですが、健康な時よりも1日の歩数も減り、少なくとも活動性は低下しているといえます。特に下半身の筋力は低下しやすく、かといって病室でスクワットやもも上げなど心拍数が上がってしまうような運動はできるはずがありませんよね。
病院ではなく自宅でも、体を動かす習慣は大切です。そんなとき、例えばどんなに内臓が悪くても貧乏ゆすり自体にドクターストップがかかることはまずないと思います。」
—確かに貧乏ゆすりを使ったエクササイズは手軽ですし、老若男女問わずどんなライフスタイルの方でも気軽に実践しやすい内容ですよね。その上で、吉原先生が特におすすめしたい・向いていると思われるのはどのような方でしょうか?
吉原先生
「運動量・運動強度ともにそれほど高くない動きなので、若い方よりも高齢の方の健康維持に有用だと思います。
また、何かを記憶するときには歩きながら覚えると良いという話を聞いたことがありませんか?筋肉と神経を刺激して、脳を活性化させるため、歩きながら勉強する方が座って勉強するよりも記憶力がアップするといわれています。それと同じ理屈で、じっと座って勉強するよりも貧乏ゆすりで足を動かしながら勉強した方が記憶力がアップするかもしれません。眠くなるのを防ぐこともできますね。」
—貧乏ゆすりをしながらだと暗記科目の効率が上がるかもしれないというのは、面白いですね!機会があればぜひ試してみたいです。
貧乏ゆすりエクササイズを実践するときに、健康効果をアップさせるポイントはありますか?
吉原先生
「『素早く動かす』というのが、大事な要素です。脳からの指令は神経を介して筋肉に伝わるのですが、素早く足を動かすことでその機能を高めて俊敏性を養うことができます。
それによって身体の動きが素早くなったり、転びそうになったときにサッと身をかわす動きが取れるようになります。股関節の病気ですり減った軟骨を元に戻す効果もあります。」
—素早く動かすことが大切ということなのですが、貧乏ゆすりが上手くできない人の場合はできるだけ早く動かすだけでも大丈夫でしょうか?
(実は私は貧乏ゆすりが下手で、リズムよく小刻みに揺らすことがあまりできないんですよ…)
リズム感が無い人や、お年寄りなどが実践する際のアドバイスのようなものをいただけたら嬉しく思います。
吉原先生
「高齢の方に貧乏ゆすりをやってもらうと、小刻みに揺らすことができず動きが大きくなり、リズムもゆっくりというパターンがよく見られます。年齢と共に緻細な動きができなくなってくるんですね。
それに打ち勝つためにも貧乏ゆすりは手軽に取り入れられて効果的な動きです(あえて運動とは言いません!)大きな揺すりでゆっくりペースの貧乏ゆすりしかできない方は、まずはできるだけ早く揺することを心がけましょう。数日間やっていると慣れてくるはずです。
また面白いことに、早く揺する動きができるようになってくると、大きな揺すりも解消されてくるんです。」
—継続することが大事なのですね。また、本来だと貧乏ゆすりは椅子に座って行うものですが、1人暮らしだと家にソファや椅子が無い場合もあるかと思います。例えば地べたに座って、立膝などで実践してもある程度の効果は期待できると思われますか?
吉原先生
「貧乏ゆすりは、座って行うのが<基本>です。また、それが一番効果があります。本では何種類か紹介していますが、あれは貧乏ゆすりに絡めて他の運動を紹介したものです。
やはり座って行うのがベストです!!」
—きちんと座って行うというのも、大事なポイントなのですね。吉原先生、ありがとうございました。」
今日からできる「貧乏ゆすり」で手軽な健康習慣を!
行儀が悪いクセとして知られ、人前でやるのは良くないといわれていた貧乏ゆすり。しかし最近は、座りながらでも足の筋肉を使うことができる手軽な運動やエクササイズとして捉え方が見直されてきています。
パソコン作業による運動不足や足のむくみ、筋肉のコリなどは、現代人にはとても多い悩みですよね。テレワーク時代にぴったりな貧乏ゆすりエクササイズは、座りっぱなしからくる不調に悩んでいる人にもおすすめです。
デスクワーク生活に危機感を感じている人は、貧乏ゆすりで手軽な健康習慣をはじめてみてはいかがでしょうか。
『貧乏ゆすりでゆる体活(二見書房)』
■吉原 潔(よしはら きよし) 先生
『貧乏ゆすりでゆる体活』著者/アレックス脊椎クリニック院長/フィットネストレーナー
日本でまだ数少ない脊椎内視鏡手術技術認定医の資格を有する脊椎外科のスペシャリスト。医学博士でありながら「本格的な運動療法の指導」をモットーとするフィットネストレーナーとしても活躍。プロアスリートから一般患者の方まで幅広い指導を行う。
■資格
日本専門医機構整形外科専門医
日本整形外科学会脊椎脊髄病医
日整会内視鏡下手術・技術認定医 [ FESS (旧PED)・MED ]
日本内視鏡外科学会・技術認定医
日本脊椎脊髄病学会指導医
脊椎脊髄外科専門医
日本スポーツ協会公認スポーツドクター
全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)公認パーソナルフィットネストレーナー
食生活アドバイザー
身体障害者福祉法指定医
文/黒岩ヨシコ
編集/inox.
テレワークのお供に!話題の雑誌付録「USBカップウォーマー」の保温機能を検証してみた
寒い季節に恋しくなるものの1つにホットドリンクがありますが、デスクの上に置いておくと意外とすぐに冷えてしまうことがありますよね
そんな時便利なのが、DIME12月号の付録で話題になっている『USBカップウォーマー』です!
というわけで今回は、冬のオフィスシーンやテレワークに重宝するとウワサのUSBカップウォーマーのスペックや使い心地についてまとめてご紹介します。
DIME12月号付録『USBカップウォーマー』の基本スペック
■サイズ:約120×162×厚さ2.3mm
■USBコードの長さ:約800mm
■給電:USB Type-A(5V/2A推奨)
■保温可能温度:約40℃~45℃
DIME12月号付録の『USBカップウォーマー』は、ホットドリンクやスープを温かいまま保ってくれる保温アイテムです。
使用する容器は、基本的にホットドリンクを入れられる耐熱容器であればOK。セラミックのマグカップや、耐熱ガラスのティーカップ、ティーポットやステンレスカップ、哺乳瓶も使用可能です。
使い方は簡単で、USBケーブルを電源に繋いで本体中心に温かい飲み物が入ったマグカップなどを乗せるだけ。重量センサーが反応して勝手に電源がオンになり、マグカップが乗せられている間は約40℃~45℃に保温してくれます。
裏面に重量センサーのポッチがついていて、一定の重さを感知したら自動で電源オン=保温開始になる仕組みです。
使用中は本体表面の円の中がとても熱くなるので、中心部には絶対に触れないようにしましょう。
ちなみに本体の横幅は12cmほどですが、円の中は約8cmでした。
ホットドリンクの保温に便利!『USBカップウォーマー』を使ってみた
早速USBカップウォーマーを自宅のデスクで使ってみました!
※ご使用前の際はパッケージに記載されている注意事項を一読し、やけどに十分注意してください。
サイズ感はこの通りコンパクト。アウトドアやキャンプシーンでも使いやすそうです。USBケーブルの給電式なので、PCやUSBタップ以外にもモバイルバッテリーなどに繋いで使うことができます。
実際にマグカップを乗せてみると、こんな感じ。
お気に入りのドラえもんのマグカップがサイズ感ぴったりでした。撮影時の関東は最低気温15℃と寒かったのですが、USBカップウォーマーに乗せたドリンクは冷える気配ナシです。
マグカップを手に取ったときは勝手に電源がオフになるので安全ですね。
個人的には冬場の自宅作業は節電のため暖房をガンガンにつけることは少ないので、手軽なあったかアイテムは重宝します。
缶や紙コップにも対応しているようなので、自販機で買った缶コーヒーやスタバのラテも温かいまま最後まで飲めるのは嬉しいですね。もし高い保温効果を期待するなら、底にフチがない平らな容器を使用した方が接地面が増えるので良いと思います。
試しに耐熱ガラスのカップも乗せてみたところ、こちらもしっかり飲み頃の温度を保ってくれました。
ただ、こちらはカップに取っ手がついていないため、底面の近くを持つと少し熱く感じました!
やけどするほどではないかもしれませんが、取っ手の無い容器の場合、表面が熱くなることがあるので気をつけておきましょう。熱伝導が良いステンレスのタンブラーなどを使用する際は取っ手付きにしておいた方が良いかもしれませんね。
*
また、猫を飼っている筆者が試してみたかったのが、USBカップウォーマーで猫の水を保温するというものです。
実は猫は冬場は飲水量が減りがちになってしまうのですが、ぬるま湯なら好んで飲んでくれることがあるのです。
筆者の家では通常「複数の水場を用意→一か所は冷めたら入れ替えてできるだけ常にぬるま湯が入っているようにする」というかなり面倒な対応をしていたのですが(笑)、これがあれば冷めることなく適温に保ってくれるのでは?!
…ということで、猫の水飲み容器を乗せてみたものの、ラグの上では重量センサーのスイッチが入らず無反応。
そこで下にトレイを敷いて再チャレンジするも…
軽すぎて反応してくれないのです!
パッケージの注意書きを見てみると重さ約300g以上になったら電源がオンになるということ。小さくて軽い容器で使用する場合はけっこうなみなみに飲み物を入れておかないといけなそうですね。
下にトレイを敷いて、お湯の量を増やしたらようやく電源オンになりました。
いつもと様子が違うことに警戒されているのか今のところは飲むには至ってませんが、冬の猫の飲み水対策もできそうなので個人的には助かるグッズです。
ただし、中身を飲むと軽くなって勝手に電源が落ちてしまうのは少しネックに感じました。人間用として使う場合も当然同じことが起きてしまうので、USBカップウォーマーは300g以上の重量のある容器で使用するのがベストかもしれませんね。
※USBカップウォーマーを猫の飲み水に使用する際は自己責任で使用してください。円の中心は高温になるので、猫がイタズラしたりやけどをしないように人間の目の届く範囲で使ってあげてくださいね。
『USBカップウォーマー』は寒い季節にぴったりの便利グッズだった
ホットドリンクを温かいまま保ってくれるUSBカップウォーマー。ホットドリンクで体の中から温めるのは冷え対策にも効果的なので、これからの季節にはぴったりです。Amazonや楽天ブックスなどのオンライン書店は、すでに売り切れているようなので、書店やコンビニで入手されることをおすすめします。
デスクワークやテレワークのお供に役立つUSBカップウォーマーを、ぜひお試しください。
文/黒岩ヨシコ