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ドラマ『アトムの童』でも話題!世界で注目される「インディーゲーム」の魅力

2022.11.06

今年9月、「東京ゲームショウ」が3年ぶりにリアル開催された。3年前は幕張メッセの隅のホールで展開していたインディーゲームのブースが、今年は目立つ場所に配置されて、にぎわいを見せた。

また、ドイツで今年8月に開かれた世界的なゲームイベント「ゲームズコム」においても、1100以上の出展者の多くは、インディーゲーム開発者だった。

近年世界中で注目の高まるインディーゲーム業界の動向について、ゲーム関連メディアでも活躍する編集者の藤縄優佑氏に解説してもらった。

開発者の「こだわり」を自由に詰め込んだインディーゲーム

「インディーゲーム」と聞いてピンとくる人はどのくらいいるだろうか。一般的に少人数・低予算で開発されたゲームを主に指す言葉だが、藤縄氏曰く、インディーゲームとそれ以外とを線引きする明確な定義は存在しないそうだ。

「例えば大手ゲーム会社の場合、すべてにおいて高水準にまとまったゲームの開発が求められます。一方のインディーゲームの傾向としては、開発者の『こだわり』を最優先で詰め込んだ、強い意思が見て取れる作品が多いです」(藤縄氏、以下同)

PC向けゲームのダウンロード販売や配信のプラットフォームとして機能する「Steam」は、オンラインでの同時接続数が、2022年10月23日に3000万人を超えたという。今、世界中のゲームファンが利用する「Steam」において、メジャー作品の存在が「Steam」の売り上げを支えていることは間違いないが、インディーゲームも無視できない存在感を放っている。

販売価格が2000円前後のインディーゲームが月のトップリリースに現れるなど、「Steam」で爆発的にヒットしたタイトルもある。例えば、今年8月にリリースされた邪神教団を運営する「Cult of the Lamb」は、発売月のトップリリースに登場。他のプラットフォームでの配信も含めて、発売から1週間で100万本の売り上げを突破している。

Valve社のPCゲーム配信プラットフォーム「Steam」には、数多くのゲームタイトルが並ぶ。

近年では、インディーゲーム開発を国が支援しているケースもあるそうだ。

「例えばマレーシアでは、通信マルチメディア省傘下の企業が、ゲーム開発のプロトタイプ作成の資金援助やゲームイベント出展の支援などで、インディーゲーム作りをバックアップしていると聞きます。こうした取り組みは、世界のいくつもの国で進められているそうです」

日本では、国による支援といった動きは現時点では見られないが、民間のレベルでは大手企業によるインディーゲーム開発の支援が目立ち始めている。

「日本国内では、マーベラスというゲーム企業が主催するindie Game incubator、通称iGiというインディーゲーム開発者の支援プログラムに注目しています。専門家の講義を受けながらゲームをブラッシュアップし、パブリッシャー(販売会社)との契約を最終目標にプレゼン技術も磨ける仕組みとなっています。また、最近は資金援助の取り組みもプログラムに組み込まれました」

2020年にマーベラスから発売された和風アクションRPG『天穂のサクナヒメ』は、リアルな米作りを再現したシミュレーション要素をゲームシステムに取り入れたことで、農林水産省のHPがゲームの攻略に役立ったとネット上で話題になったが、こちらも開発元は少人数の同人サークル「えーでるわいす」である。

リアルな稲作をゲームに取り入れた『天穂のサクナヒメ』のように、インディーゲームには斬新な発想をもとにデザインされた作品が多い。

世界的人気を誇る『Minecraft』もインディーゲームだった!?

TBSドラマ『アトムの童(こ)』で登場した「Downwell」はSteamや任天堂の公式オンラインストアなどで購入可能。

現在TBSで放送中のドラマ『アトムの童(こ)』には、主人公・那由他が作ったゲームとして、ゲームクリエイター・もっぴん氏が過去に開発した「Downwell」という2Dアクションのインディーゲームが登場。

兄弟2人によるインディーゲーム制作チームChilla’s Art(チラズアート)のホラーゲーム「事故物件」がVtuberの実況動画の影響で話題になるなど、日本国内でもインディーゲームの認知度は高まりつつある。藤縄氏によると、現在世界中で広く遊ばれているゲームの中にも、インディー発祥のゲームが存在するのだとか。

「Mediatonicという企業が開発した最大60人で遊べるパーティーゲーム『Fall Guys』は、シンプルながら熱くなってしまうゲーム性が一定の評価を得ていた状況で、大胆にも有料から基本無料へとシフトチェンジ。これが功を奏して世界的な大ヒットとなりました。世界的に爆発的なブームを巻き起こした建築ゲーム『Minecraft』しかり、これらの人気作が、実はインディー発であることはあまり認知されていないかもしれません」

現在はさまざまなプラットフォームで展開する『Fall Guys』。基本無料で遊ぶことができる。

また、インディーゲームの開発者は、TwitterやDiscordを活用してファンと交流するケースも見られる。そうした開発者とユーザーの近い距離感も、インディーゲームの魅力の1つだと藤縄氏は語る。

「ゲームの開発状況が可視化されて、ユーザーもゲーム開発の様子を見守れる点は、インディーゲームの面白さの1つだと思います。応援していたゲームがリリースされると、作者と一緒に喜びを共有できるのはインディーゲームならではですね」

大作と比べて短い時間でクリアできる作品が多いことも、インディーゲームの特徴だ。開発者の熱意を感じる濃厚なゲーム体験を短時間で満喫できる、と藤縄氏も太鼓判を押す。

「制限時間いっぱいまで敵の猛攻を耐え抜くアクションゲーム『Vampire Survivors』は、一度のプレイ時間は短いものの、もう1回、もう1回とプレイが止まらなくなる、いわゆる『スルメゲー』。今年9月にゲームデザイナー大賞を受賞したデッキ構築型カードゲーム『Inscryption』も、先が気になる展開に圧倒されて遊んでいるとあっという間に時間が溶けていきました。プレイ時間がコンパクトで、安くて面白いインディーゲームは、紹介しきれないほどたくさんありますよ」

気軽に手を出しやすい価格と程よいボリュームで、自分の趣味嗜好に刺さるゲームと出会えるインディーゲームの世界。YouTubeなどで定期的にインディーゲームの情報を発信している『INDIE Live Expo』といった情報番組も活用して、まだ見ぬ名作を探してみてはいかがだろうか。

文/清談社・小森重秀

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