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真剣佑もHIKAKINもドハマリする「ポケモンカードゲーム」人気の理由を専門店で聞いてみた

2022.10.30

『ポケットモンスター』を題材としたカードゲーム『ポケモンカードゲーム(ポケカ)』が空前の大ブームを起こしている。新発売のカードパックは軒並み即完売、レアカードは高値で取引され、多くの有名人もこぞってプレイしているほどだ。なぜここまで人気なのか――その理由を探るため、秋葉原のポケカ専門店に話を聞いた。

1年間に90億枚売れる『ポケカ』の魅力を実際に体験

俳優の新田真剣佑がお忍びで『ポケモンカードゲーム(ポケカ)』の大会に参加、優勝し話題になった。他にもYouTuberのHIKAKINなど、多くの有名人がポケカを愛好している。2022年で発売26周年を迎えるポケカの世界累計販売枚数は、2021年度時点で約432億枚(出典:株式会社ポケモンホームページ)。2020年度時点では約341億枚と発表されていたので、おおまかな計算ではあるがこの1年間で約90億枚を販売した計算だ。これほどのブームを巻き起こしているポケカの魅力を探るため、専門店へ足を運んだ。

取材したのは、2021年7月にオープンしたポケカ専門店「晴れる屋2」。店長の「とり店長」こと渡辺翔さんに遊び方を教えていただいた。

渡辺翔(わたなべ・しょう)さん
2008年からカードショップに勤務し、店舗運営や広報、新規カードゲームのデザインなどトレーディングカードゲーム業界において幅広く業務を経験。2021年7月より晴れる屋2の店長に就任。TwitterやYouTubeでは「とり店長」の名前で活動している。晴れる屋2のYouTubeチャンネルはこちら

「原作のポケモンバトルをベースにしたルールなので、ポケモンを知っていると更に分かりやすいと思います。どのポケモンを場に出すか、ワザを出すのに必要なエネルギーカードを誰につけていくかなど、シンプルながらも奥深いゲーム性が醍醐味ですね」

筆者は幼少期に少し遊んだ程度でルールはほぼ分からない状態だったが、一度レクチャーを受けた後すぐ遊べる程度には分かりやすいと感じた。

対戦には60枚入りのデッキを使用。場に出して戦わせるポケモンカード、ワザを使う際に必要なエネルギーカード、様々な補助効果を持つトレーナーズカードを駆使して対戦する。

過去3回のブームを作った要因は「ゲームの魅力」と「運営の戦略」

渡辺さんによると、現在のポケカ人気は「プレイヤー増加期」「コレクター増加期」「安定化期」という3度のブームによってもたらされたという。

「最初のブームとなる『プレイヤー増加期』が起こったのは20188月で、500円で購入できるデッキが9種類販売されたことがきっかけでした。ワンコインのお手頃感に加えて、ポケモンGOの中高年人気や大手YouTuberが話題にしたことなども相まって、幅広い世代に広まりました。その結果、対戦でよく使われるカードの価格が高騰し、対戦に必要なカードが手に入らない人が続出していました」

店舗壁部には新田真剣佑(写真左下)やHIKAKIN(写真左上)ら有名人のサインがズラリ。ポケモンという広く認知されているコンテンツだからこそ、友人や同業者に勧めやすいのだという。

「コレクター増加期」が起きたのは20214月頃。コロナ禍で対戦がしづらくなり、コレクションとしての需要が過剰に高まった時期だ。

「とにかく供給が追いついておらず、購入制限がつくほどカードを買うことが困難でした。カードの価値が軒並み上昇した結果、コレクターからも熱い視線を注がれるようになりました」

店舗に展示されているプレミア価格のついたカード。中には1枚100万円を超えるものも。HIKAKINが動画の企画で、世界に数枚しかない5000万円のカードを購入し話題になった。

そして2021年12月ごろから現在に至るまで続く3度目のブームが”最も健全な状態”だと渡辺さんは語る。

「以前よりも供給が追いつき、カードの流通が安定化しました。同時にコロナ禍も落ち着きを見せたことにより、対戦需要とコレクション需要がバランスよく回っているのが現在のブームだと思っています」

ここまでのブームが起きた理由として、ポケモンというコンテンツの魅力に加え、公式の施策も要因として挙げられると解説する。

「公式のレギュレーションで、3年以上前のカードは基本的に大会で使えません。加えて、毎年の終わりに直近1~2年でよく使われた主要なカードが『再録パック』として販売されます。これにより、新規層はデッキとパックを買えばすぐに戦えるし、既存のプレイヤーも常に新鮮な対戦環境を楽しむことができるという状態が構築されています」

また、カードゲームとしての魅力も高い。発売以来26年間、基本的なルールはほぼ変わっていない。幼少期に慣れ親しんだルールだからこそ、子供と一緒に遊べる側面があると渡辺さんは語る。

「これはひとえに、メインのターゲットを子供に設定しているからだと思います。新しく遊ぶハードルを低く設定していることで、裾野を広げることに成功しています。また、原作由来のタイプ相性システムもポケモンならでは。『弱点属性で攻撃すると、与えるダメージが2倍になる』というシステムは、大味ながらゲームバランスに大きく貢献しています」

店舗4階の対戦フロアは対戦客で埋まっていた。小中学生に混じってサラリーマンや大学生の姿も多く見かけた。

今後もポケカブームは継続すると渡辺さんは予想している。

「11月にはポケモンの新作が発売される上、2023年には世界大会が横浜で開催されます。ブームの天井はまだまだ見えません。ポケカへの注目はさらに増していくことでしょう」

取材・文/桑元康平(すいのこ)
1990年、鹿児島県生まれ。プロゲーマー。鹿児島大学大学院で焼酎製造学を専攻。卒業後、大手焼酎メーカー勤務などを経て、2019年5月から2022年8月まで、eスポーツのイベント運営等を行うウェルプレイド・ライゼストに所属。現在はフリーエージェントの「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズのプロ選手として活動中。代表作に『eスポーツ選手はなぜ勉強ができるのか』(小学館新書)。

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