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若い世代でも被害者が急増!迷惑電話対策アプリ「Whoscall」が公開した詐欺電話、詐欺SMSの実態

2022.10.29

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

台湾では2人に1人がダウンロードしている迷惑電話対策アプリ「Whoscall」

台湾の、Gogolookが開発、提供する「Whoscall」は、電話帳に登録されていない電話番号を16億件のデータベースをもとに識別し、迷惑電話をブロックする迷惑電話対策アプリ。Whoscallは日本、台湾、韓国、香港、タイ、マレーシア、ブラジルなどの国と地域でサービスを提供し、全世界でダウンロード数が1億を突破、台湾では2人に1人がダウンロードしている。

Whoscallでは長年にわたり詐欺問題について研究を行っており、2022年の日本国内での最新データをもとに、日本で発生した詐欺事件やその特徴を詳細に分析し注意喚起を促すレポートを発表する「Whoscall日本特殊詐欺 カンファレンス」が開催された。

CEOのジェフ・クオ氏は、台湾の蔡英文総統からスタートアップ企業として最も評価の高い総統イノベーション賞を受賞。新型コロナ対策でスマホアプリを活用したマスク購入のシステムを築く過程で電話番号に関する助言も行い、デジタル担当大臣のオードリー・タン氏から詐欺対策協力パートナー企業として高く評価された。

2015年にはAPP Storeのベストアプリとして表彰され、2013年、2016年にはGoogle Playのベストアプリを受賞している。

台湾ではCIB(犯罪捜査局)、韓国ではFSS(韓国金融監督院)、タイではPCT(タイ警察サイバータスクフォース)と協力して詐欺被害対策に取り組み、2年前に福岡に日本法人を設立。福岡市のAIやIoTなどの先端技術を活用した社会課題の解決に繋がる実証実験プロジェクトに採用されている。

「Whoscallアプリを通じて通信する際に安心を感じていただくことが我々のビジョンです。東アジア最大の16億件もの各国電話番号データベースを有しており、AI技術を用いて詐欺の電話番号を検出。SMSを利用した詐欺の場合、Whoscallはハイパーリンクスキャンテクノロジーを用いて、わずか0.5秒で不審なSMSや悪意のあるリンクを検出し端末に通知します。

主な機能は、着信時に発信者がわかる番号識別、フィルタリングを掛けることで取りたい電話だけ受けることができる自動着信拒否、ショートメッセージ、悪意のあるリンクをフィルタリングすることでフィッシング詐欺のメールを回避することができるSMSアシスタント、アプリ内で直接電話番号を検索できる番号検索の4つです。

詐欺の対策ブランドとして信頼性が高く、様々な国の政府機関や警察機関と密接な協力関係を築き、国内外での詐欺を未然に防ぐことに貢献しています。最近、日本で多発していたスリランカの詐欺電話では、日本で発生する前に弊社のサービスで検知されていたので、グローバルの強みを活かして日本での詐欺を未然に防ぐことができました。

日本では、行政や詐欺対策機関、防犯の専門家と連携を取り、日本に多いショートメッセージの防犯対策新サービスをリリースし、日本のデータベースの数も大幅に増やしました。ソーシャルメディアでは詐欺の啓蒙活動も行っています」(クオ氏)

Whoscall 世界の詐欺レポート2022年<速報版>

日本事業責任者のロー・ウェイチェン氏から、「Whoscall 世界の詐欺レポート2022年<速報版>」を元に、世界や日本の詐欺の状況や、最新の特殊詐欺について解説が行われた。

○世界と日本の詐欺電話・SMS詐欺概況

Whoscallは2022年1月~8月に、昨対比5%増となる33億件の詐欺・迷惑電話・SMSを検知。月間最多となる3月の4.6億件という検知数は、日本とアメリカの人口を足した数字になり、多くの人が知らないうちに詐欺に遭う可能性が非常に高いことを示唆している。

2022年は世界的にコロナウィルス感染症の流行収束の兆しを見せ、欧米諸国などでは流行対策の大幅な緩和が進み、社会や経済の再生へと動き出した。これに伴い、2021年に爆発的に増えたコロナ対策や給付金を悪用した詐欺が下火となり、詐欺の中心がFX、仮想通貨といった投資詐欺や、ロマンス、経済危機、戦争などの世界情勢を悪用した詐欺へとシフトしている。

特殊詐欺は高齢者が被害に遭いやすいと思われがちだが、これから投資を始める、Web3や仮想通貨に興味があるという若い世代に詐欺被害が起きていることが確認されている。

日本では、Whoscallが検知した1月~8月の特殊詐欺の件数は1126件増となる合計1万500件となり、1か月あたりに換算すると約1300件。被害総額は前年比118%増となる211億7300万円に上る。とりわけSMSを用いたフィッシング詐欺に関しては、今年の3月に前月までの月件数の約2倍に増えた後、毎月8万件以上をキープ、これからも増えると予測している。

年末にかけて、例年、クリスマスや年末などの贈り物を送る時期は詐欺が増える傾向があるため、大手ECサイト(Amazon、楽天市場、ふるさと納税)や運送会社に模倣した詐欺SMSメッセージや、クレジットカード関連のフィッシング詐欺SMSが考えられるため注意が必要だ。

Whoscallの調べによると、2022年1月~8月の期間で最も詐欺として利用された回数が多かったブランドは、1位:KDDI、2位:au、3位:Amazon、4位:Visa、5位:Amexであることがわかり、通信キャリアであるKDDIを除いては、ショッピングや支払い関連のブランドが目立った。KDDI、auについては大きな通信障害が発生し、その当日すでにフィッシング詐欺が確認され、Whoscallではすぐにブロックを行い詐欺への対応を実施した。

○海外から日本への詐欺・迷惑電話

Whoscallの調べによると、海外からの詐欺・迷惑電話件数で、最も多かった国はアメリカ(+1)、次にイギリス(+44)、中国(+86)と続く。しかし、発信源を自動に変更や設定できる技術や、発信源を変更するサービスを提供する会社もあることから、アメリカが発信源になっていても、必ずしもアメリカからかけられたものではないこともある。海外からかかってきた心当たりのない番号の国際電話は出ない方が無難といえる。

また、9月には、Twitterで拡散されたことでも話題になった、スリランカ(+94)からのワン切り電話が増えたことをWhoscallは検知。2021年に同社が発表した世界詐欺レポートで、確認できたスリランカからの高額電話詐欺(コールバック詐欺)件数は2020年に48件、2021年は年間600件以上を確認している。2022年はたった2ヶ月(8月と9月)で、前年の約10倍となる6000件以上に急増。

その背景として、スリランカの財政破綻によりワン切り業者(携帯電話を1回だけコールして着信履歴を残すワン切りの電話をかけ、折り返しかけてきた電話を有料サービスへ接続して高額な料金を請求する詐欺業者)が頻繁に活動を始めたことが考えられる。

海外からのワン切り着信は「国際ワン切り詐欺」と呼ばれており、折り返してかけてしまった場合、高額な通話料金が請求されるほか、詐欺の「カモリスト」に載せられてしまい、新たな詐欺ターゲットになってしまう可能性があるので注意が必要。もし電話に出てしまった場合は、すぐに電話を切ることを勧める。

○詐欺電話のピークタイムとその分布

Whoscallの調べによると、詐欺行為が発生する時間は、平日の10時~18時、最も人が活動している時間帯に多いことがわかった。詐欺グループは、この時間帯に政府機関や商業施設などを装って詐欺行為を狙ってくるため、就業中の忙しい中で受信する心当たりのないSMSメッセージや、知らない電話番号からの着信には急いで対応をせず、一呼吸おいて冷静に判断するように心がける。

またこの時間帯は、家族が不在で高齢者が留守番をしていることも多く、家に訪問したり、突然知らない電話を掛けてくることで詐欺が発生するケースもある。電話やSMSだけでなく、突然の訪問等への対応方法を家族で事前に取り決めると良い。

○日本のSMS詐欺トレンド

2022年上半期は通信会社を装った詐欺SMSが増加。2022年1月~8月に目立ったのが、暗号資産、支払い関連とお金に関する詐欺。大手企業や行政機関から来た電話やショートメッセージだからといって油断せず、発信源や情報を確認する必要がある。

2022年1月~8月の期間に検知した詐欺SMSで最も多い手口は、新メッセージサービスを装ったアプリのダウンロード誘導するもの。中でも大手通信会社を装った料金に関する詐欺SMSが急増した。

これは、詐欺業者によってランダムに生成された大量の電話番号リストから一斉にメッセージを送付している可能性が高いと考えられる。また、7月にKDDIの通信障害が起きた時には、「KDDI(au)からの重要なお知らせがあります」など補償を匂わせるような内容の詐欺SMSが横行。このようなSMSメッセージの多くは、偽のウェブサイトに誘導するURLとして短縮URLが設定されていることが多いことも判明した。

2022年にSMSで送られてきたよくある詐欺のパターンは以下の6つになる。これらのメッセージが届いても、絶対にURLをクリックしないように注意する。

SMSフィッシング詐欺を予防するには、「送付先番号の確認」、「誘導先のリンクに短縮URLが使用されている」「URLに記載されているサービス名のドメインを確認する」、以上の3点をチェックするとよい。

【AJの読み】デジタル時代を反映した企業や若者層がだまされる特殊詐欺が世界で多発

インターポール(国際刑事警察機構)がインターポール加盟国の法執行機関から寄せられたデータと分析結果をまとめた、今年10月に発表したレポートでは、アフターコロナの時代になり深刻になった犯罪トップ3として、1位がマネーロンダリング、2位がランサムウェア、3位がフィッシィング詐欺、特殊詐欺と発表した。企業のDX導入により、世界的に特殊詐欺が発生しやすい状況になっているといえる。

こうした状況を受けWhoscallでは法人向けの新サービスを強化。Whoscallの電話番号データベースを活用した発信者番号通知であるCaller ID(API/SDK)の連携で、悪意のある発信者を防ぐ、販促消費や福利厚生に活用できるWhoscall プレミアム版 ギフトコード、Whoscall認証済み番号ソリューションでは、着信画面に氏名や会社名など発信者情報を表示することで、つながる確率とコールバック率を2倍にアップさせる。

Whoscallでは、デジタル世代の若者や企業、スマホを使い慣れていない高齢者や子どもなど、様々な人々の詐欺被害防止に寄与する迷惑電話対策アプリとして、今後もサービスを拡大していくという。

文/阿部純子

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