お酒にはいろいろな飲み方があります。中でもソーダ割りは、炭酸の爽快感を感じて飲みやすいため、好む人も多いはずです。
焼酎はお湯割り、水割りで飲む人がメインでしたが、最近では酒蔵が積極的にすすめる飲み方のひとつになったそうです。
ではどうしてお酒のプロがソーダ割りをすすめるのか……相性抜群の本格焼酎と併せてご紹介します。
本格焼酎のソーダ割りが増えたきっかけは〝ハイボールブーム〟
元々本格焼酎の飲み方として親しまれていたのは、お湯割りや水割り。ですが、2005年の〝ハイボールブーム〟により、お酒を炭酸で割るという文化が生まれ、本格焼酎をソーダ割りにする人も増えてきました。
〝ソーダ割り〟の文化、酒蔵はどう思う?
昔だとお湯割り、水割りがメインだった飲み方。では、本格焼酎をソーダ割りにするという文化を酒蔵たちはどう考えているのでしょうか。
ソーダ割り「アリ」が9割超えの結果に!
日本酒造組合中央会が北海道から沖縄まで全国104軒の酒蔵にアンケートした結果によると、ソーダ割りを「アリ」だと答えた人は20~60代全ての年代で9割超えの結果に。
年代別に見てみると、20代の「アリ」が61.5%に対して、60代だと「アリ」が40.4%と低めの結果でした。世代によって差があったのは、「60代以上でソーダ割りを飲んでいる人を見たことがない」(沖縄県)など、飲み方が地域や年齢によって変わってくることがわかります。
酒蔵から見たソーダ割りのおすすめポイント
酒蔵から見たソーダ割りのおすすめの理由TOP3は、
1位「軽快さが増す」
2位「気軽に飲める」
3位「飲み心地がよくなる」
でした。
芋焼酎だと「華やかな香りやフルーティーさが引き立つ」、麦焼酎は「ずっと飲み続けられる」、黒糖焼酎は「原料由来の香りを楽しめる」、泡盛は「アレンジできる」と原材料によって理由はそれぞれ。いずれにしても、ソーダ割りをすることで原材料の個性が際立つ飲み方になることを表しています。
ですが中には、「製品によっては本来の香りが引き出せない」「渋味や苦みが気になる」「飲みづらくなる」という反対の意見もありました。
焼酎ビギナーに飲んでもらいたい!
おすすめの理由TOP3の中にもあったように、ソーダ割りにすることで本格焼酎の飲み心地がよくなり、気軽に飲みやすくなります。なので、焼酎になじみがない、焼酎ビギナーにもぜひ飲んでもらいたいと、お酒のプロは思ってくれているようです。
【参考】本格焼酎と泡盛のソーダ割り
ソーダ割りに合わせて進化! 最新&おすすめ本格焼酎
ソーダ割りにすることで、飲みやすく原材料の個性も引き立つ本格焼酎には、お湯割りを前提にして作られたタイプだとソーダ割りに適さない場合も。これにより、ここ数年、ソーダ割りに合うように原材料や造り方を開発した本格焼酎が登場しています。
そこで、会場にてスピリッツ&シェアリング代表 南雲主于三氏が紹介したソーダ割りと相性抜群な本格焼酎をご紹介します。
メロンやバナナのような甘く程よい酸味。ソーダ割りにおすすめの本格芋焼酎
小正醸造「蔵の師魂 The Green」3080円
ワイン酵母の一つで白葡萄の品種である「ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)」から採取された酵母を使用して発酵。メロンやバナナのような、非常に甘く、程よい酸味でまるで白ワインを感じるような味です。
【参考】蔵の師魂 The Green
力強く奥深いコクと風味が特徴。ソーダ割りにおすすめの本格麦焼酎
柳田酒造「青鹿毛」オープン価格(実勢価格約2547円)
常圧蒸留にて作られ、力強く奥深いコクのある風味が特徴。豊かで伸びのある余韻は、洋酒にも負けない蒸留酒の香味が楽しめると好評です。
年に2回、4月と10月に出荷されています。
【参考】青鹿毛
甘いフレーバーでまろやかな仕上がり。ソーダ割りにおすすめの本格黒糖焼酎
奄美大島開運酒造「紅さんご 720ml/40%」2598円
黒糖焼酎の原酒をオーク樽とシェリー樽に長期貯蔵することで、甘いフレーバーと香ばしさが醸し出されます。まろやかな仕上がりでありながら、エキゾチックな味わいです。
「紅さんご」と炭酸を、1:4で割り、ミントの葉っぱを入れることでより美味しく、焼酎が苦手な人でも飲みやすいです。
【参考】紅さんご
本格焼酎から楽しめるお酒の幅を広げよう
ソーダ割りを飲んで、他にも合う本格焼酎が無いかと探しみたり、次はお湯割りで飲んでみようなど、楽しめるお酒の幅も広がるであろうソーダ割り。ですが、アンケートにもあったように、全ての本格焼酎にソーダ割りが合うという訳ではありません。
今もメーカーや酒蔵は、ソーダ割りに合う本格焼酎を開発中。これからどのような焼酎が生まれるのか、もしくはソーダ割りに代わる新たなブームが来るのか。今後も本格焼酎業界に注目です。
※データは2022年8月下旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
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取材・山田ナナ