コーヒーカップで味が変わる!?
私はホットコーヒーが好きだ。夏でも断然、ホット。そしてブラック。豆を挽いてペーパードリップでじっくり淹れるのもいいのだが、時間がかかるので、ガンガン飲んでいるときは、ドリップパックのコーヒーを使っている。抽出するときのお湯の量は150ccのパックが多い。これに合わせて保温性に優れた2重ガラスのコーヒーカップを入手したのだが、いつものコーヒーが不味く感じられる。
これはカップの材質なのか、形状なのか、非常に気になる。そこで拙宅にある20種類ぐらいのコーヒーカップでコーヒーを飲み比べてみると、確かに味が違う。Amazon.co.jpでコーヒーカップを検索すると27種類の素材が表示される。考えられる事は、カップによって、口当たり、香り、温度が変わってくる。色々なカップで飲み比べてみると、私にとって最も味に対する影響力が強かったのが飲み口の厚みによる口当たりの変化だ。端的に言えば薄いほど純粋にコーヒーの味が楽しめる。カップの存在を感じさせないほど薄いのが理想だ。リサーチしてみると飲み口、0.8mmのカップを発見! 素材はガラスと樹脂を掛け合わせた新素材で、生涯破損保証付きなのだ。早速、ARAS「マグカップ 小」2200円を入手して、その実力を検証した。
マグカップ到着。シンプルな紙製のパッケージに収められていた、容量は210ml、カラーはグリーングレーを選んだ
1000回落としても割れない、欠けない素材で、生涯破損保証が付いている
飲み口の厚みは公称0.8mm、実測で0.9mmとダントツに薄い
飲み口が薄いと苦味がストレートに来る
私が普段、飲んでいるドリップパックはucc「職人のコーヒー ドリップコーヒー 深いコクのスペシャルブレンド」である。5段階の星で、苦味4、酸味2、コク5となっている。つまり、酸味より苦味が好きなのだ。これを2重ガラスで飲むと苦味が感じられなくなり、マイルドな味になる。飲み口をノギスで測ってみると、4.8mmもある。割れることを前提にガラスの厚みとコスパで選んだので、飲み口が厚い。これを踏まえて、コーヒーが美味しいと感じるカップの飲み口を測ると、マイセンの波の戯れ(ティーカップ)は2.2mm、リチャードジノリのクリッパーは2.6mmといずれも薄い。期待のARASは実測で0.9mmと異次元の薄さなので期待が高まる。
いつもと同じ淹れ方で150ccを抽出して飲んでみると、苦味はしっかり感じられる。そして、飲み口が薄いので、ほとんどカップの感触がくちびるに伝わらない。ただし、非常に薄いのでくちびるの端にエッジが感じられる。スピーカーで言えば、色付けのないモニタースピーカーのようなカップだ。何も足さない、何も引かない、コーヒーの味を100%伝えてくれる。
マイセン「波の戯れ」の飲み口は2.2mmと薄く、やや広がっている
2重ガラスのカップは耐久性重視のためか厚さ4.8mmもあり飲みづらい
保温性が高いと飲み口が熱い
コーヒーの味に強い影響力を持っているのが温度である。まず、何度で淹れるかという問題がある。うるさい人は湯温管理してコーヒーを淹れている。淹れたてから、どんどん温度は下がっていくので味も変化する。誰しも冷めたコーヒーを不味いと感じだろう。つまり冷めにくいカップが理想。まあ、そう思って2重ガラスのカップを選んだのだが。今回は2重ガラスカップを基準にして、ガラス製で飲み口が3.9mmと厚いファイヤーキングのマグカップ、波の戯れ、ARAS、そして飲み口4.7mmの厚みのある磁器製コーヒーカップの4種類のカップに92度のお湯を注ぎ30秒ごとに温度を測定した。
その結果を折れ線グラフにしたのが下の表である。2重ガラスはキレイに2度ずつ温度が下降している。次に良かったのはファイヤーキングで最初87度まで下がったが、2分後からの下降が緩やかだ。波の戯れは全体的に薄い作りにしては優秀、ARASは、磁器製の厚みのあるコーヒーカップよりも優秀だが、ファイヤーキングには負けることが分かった。3分後に最も温度の下がったカップの74度でも、舌には充分熱いと感じられたので、保温性に問題はないだろう。ここでも問題になったのが、飲み口の厚みである。薄い飲み口は問題なかったが、ファイヤーキングと磁器製コーヒーカップは、くちびるに当たる飲み口が熱く感じられて、コーヒーをじっくり味わえない。
今回の結論としては、飲み口が薄くて熱くならない、マイセン 波の戯れが最もコーヒーが美味しいと感じられた。ARASを100%とすると、カップとコーヒーの相乗効果で120%の効果を発揮すると言える。ARASは飲み口が薄く、熱くならずに耐久性が高いため、普段使いに最適だと思う。今後、試してみたい素材としては、木製か竹製、または2重ガラスで飲み口の薄いカップである。皆さんも機会があれば飲み口の薄いカップを試してみてはいかがだろう。
素材、厚み、構造の違う4種類のカップを使って温度の下がり方を比較した
写真・文/ゴン川野
これが付録!?ホットドリンクを飲みごろの温度にキープする「USBカップウォーマー」がDIMEの付録に登場
雑誌DIMEの最新号には、コーヒーや紅茶、緑茶、ミルクなどの温かい飲み物やスープを飲みごろの温度にキープする「USBカップウォーマー」が付録として同梱されている。
※主要オンライン書店は完売しております。お近くの書店、コンビニでお買い求めください。
2A出力に対応したUSBポート(電源)につなげば、ドリンクの入った容器を置くだけで保温を開始するという便利なアイテムだ(※)。陶器、耐熱ガラスのティーポット、ステンレス製のマグカップ、哺乳瓶、缶、紙コップなど、様々な容器に対応しており、ちょうどいい温度にキープできるため、冷める前に焦って飲む必要がないのがうれしい。
※接続するUSBポートが2A未満の出力だと作動しない場合があります。
※保温中、および使用後しばらくは、本体中心部が大変熱くなりますので、やけどにご注意いただき、絶対に触らないようにしてください。また、使用後は必ず、USBケーブルをポートから抜くようにしてください。
ただし、本体の中心部(容器を置く部分)は、保温中や保温後しばらくは大変熱くなるので、やけどなどをしないよう、くれぐれも注意して使用してほしい。
温かい飲み物が恋しくなるこれからの季節、ぜひ、活用してみてはいかがだろう?
※ご使用になる前に、付録の箱面に記載している「ご使用上の注意」を必ずお読みください。
DIME12月号の特集は「Web3」「中古家電」「VTuber」
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※保温中、および使用後しばらくは、本体中心部が大変熱くなりますので、やけどにご注意いただき、絶対に触らないようにしてください。また、使用後は必ず、USBケーブルをポートから抜くようにしてください。