コロナ禍で注目された、非接触型のスイッチ。タッチレスで照明などの電気製品を操作できることは、健康に重きを置く現代にはありがたいことです。
そして、時代は省エネを徹底して求めています。無駄な電力を消費することはもはやできません。
そんな中、センサ技術がにわかに注目を集めています。人や物の存在を検知して切り替え操作に役立つ赤外線センサは、照明以外にも様々な家電やIoTで利用されています。
パナソニックは、焦電型の赤外線センサ「PaPIRS」を、前身となるNational「NaPiOn」の誕生から数えると、20年以上に渡り販売してきました。
2022年5月には累計で何と1億個生産達成したという、パナソニックの隠れたロング&ベストセラーの真相を探りに、同社の工場を訪ねてみました。
8種類のセンサと14種類のレンズラインアップで1億個生産した「PaPIRS」
みなさん、焦電型赤外線センサと言われても、あまりピンと来ないかもしれません。そこでカンタンに構造をご説明します。
焦電型とは、焦電素子に温度変化が起きると、電荷が発生する「焦電効果」を利用したものです。焦電型赤外線センサとは、センサに赤外線が入射すると、焦電素子に電荷が起きるというわけです。
「PaPIRS」は、小型レンズと焦電素子、基板部分(ASIC)を業界で唯一、全て自社設計・自社開発されています。
拡大モックアップ。奥の白いカバー状のものがレンズ。右の銀色がキャップ。焦電素子などをカバーする。黒が焦電素子やアンプ、コンパレータといったASIC。金色の〝ステム〟とよばれるベース部材に搭載される
そのため、独自の焦電素子構造・回路設計ができ、高感度で小型なモデルを作れ、しかも、低回路ノイズ化を図り、誤検知の少ないセンサとなっています。周りの温度と人の体温の差が4℃あれば反応する優れものです。
そして、8種類のセンサと14種類のレンズラインアップを展開し、累計で1億個の生産を達成する、超人気商品となったのです。
「PaPIRS」の説明を行ってくれた、パナソニック エレクトリックワークス社 エナジーシステム事業部 デバイス技術開発課 主幹 園 孝浩さん
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