カブ好きによる、カブ好きのためのイベント、カフェカブミーティングin青山。
新型コロナウイルスの影響で一昨年はオンライン開催に、昨年は中止となり、第25回目である2022年は3年ぶりにリアルでの開催となりました!
朝早くからカブが大集合!
カフェカブミーティングin青山の開催地は、Hondaウエルカムプラザ青山。筆者が訪れたのは2022年10月15日(土)。2日間の開催のうちの初日です。
筆者にとっては初めてのホンダ公式イベント、そして1年ぶりの慣れない都会での運転です。緊張のあまり、9時の開場時間に対して1時間も前に到着してしまいました。
さすがにまだ誰も来ていないだろうな、なんて思っていたら…なんと、既に20人ほどの参加者が到着されているではないですか!
1番前の方にお話を聞いてみたところ、朝4時ごろに自宅を出発したということ。気合の入りようが半端じゃありません! 8時半を過ぎる頃には、待機列からはみ出しそうなぐらいに列ができていたのでした。
今回のカフェカブは、1日200人の事前エントリー制です。会場に入る際、すべてのカブに1つずつ番号札が渡されます。これは後ほど開催されるコンテストの投票のため。
番号札をつけたカブたちは、スムーズな誘導とともにウエルカムプラザのエントランス前に並べられていきます。
3年ぶりのリアル開催ということで、参加者もスタッフも、全員の顔に笑顔が絶えません。
バイクが好き、カブが好き。言葉を交わさなくても、開場全体が目に見えない絆で繋がっているような安心感がありました。
さて、たくさんのカブたちを眺めているうちに、同じシリーズの車両にも関わらずひとつとして同じバイクがないことに驚かされました。
単純に年式やモデルが違うというだけではありません。ある人はツーリングを快適に、ある人は荷物を運びやすく、ある人はとにかく格好よくと、それぞれカスタムのこだわりが見えるのです。
カブは生活の中に溶け込み、ライダーと一緒に育っていくバイク。もしかすると、ライダーの分身とも言えるのかもしれません。
そんなことを考えている間にも、次々と新たなカブたちが到着しているのでした。
地下駐車場もミーティング!
カフェカブミーティングの開催中、エントリーした人以外の一般見学者のバイクは、ウエルカムプラザの地下駐車場に駐輪することになっています。どんな様子だろう?と見に行ってみると、こちらも盛り上がっています!
手の込んだカスタム車も多く、まるで展示会のよう。駐車位置を自由に決められるということもあり、仲の良いライダー同士で近くに停めて記念撮影をしている人も見られます。
本会場とはちょっと味が違う、ゆるっとしたお祭り感がありました。
豪華ゲストによるトークショー
13時より、建物内のステージにてバイクフォーラムが開始しました。
今回はテレビアニメ『スーパーカブ』の声優、主人公小熊役の夜道雪さんと礼子役の七瀬彩夏さん、プロデューサーの伊藤さんに加え、現行スーパーカブの開発責任者代行である瀬川健太郎さんによるトークショーがおこなわれました。
前半の話題は、アニメ『スーパーカブ』制作にあたってのこだわりポイント。
印象的だったのは「スーパーカブというタイトルに嘘をつきたくなかった」という伊藤さんの言葉です。
制作チーム全体にその気持ちが行きわたっていたようで、夜道さんと七瀬さんのおふたりがキャラクターと同じカブを購入したこと、作品中に流れるカブの音は、すべてスタジオにて実際の車両を使って録音していることなど、思わず「えぇ~っ!?」と驚いてしまうようなエピソードも飛び出しました。
関係者の皆さまのよい作品を作ろうという努力の積み重ね、カブに誠実であろうとする姿勢、そしてなによりも大きな愛と抜群のチームワークが伝わってくるお話でした。
トークショー後半は、2022年にモデルチェンジをおこなった新型スーパーカブの開発について。
「スーパーカブには、ただ新しくするだけでは許されない価値があります」というのが瀬川さんのコメント。
最新の排ガス規制への対応、ABSの装着などをクリアしながらも、カブらしさを保つための多くの工夫と苦労があったのだそうです。
筆者自身も発売直後に新型スーパーカブに乗りましたが、軽快な乗り味と力強い走りが合わさった非常に乗りやすいバイクであることを感じました。
「あの新型カブを開発した方が目の前にいる!」という夢のような空間を味わうことができ、いちファンとして一生の思い出に残るようなトークショーでした。
じゃんけん大会の驚きの景品とは
カフェカブ in 青山の最後を飾ったのは、コンテストの表彰式とじゃんけん大会です。
次々と発表される受賞者に会場は大盛り上がり。特に遠来賞(一番遠くから来た参加者)や最年長賞の発表時には、開場がザワザワとどよめきました。
表彰後に声をかけあう姿を見ながら、カブ乗りの輪が広がっていくのを感じました。
じゃんけん大会の景品の中で特にバイクイベントっぽさに溢れていたのが、タイヤです。
タイヤは消耗品、何個あっても困りません。取材のため参加できなかった筆者は思わず「羨ましい!」と言ってしまいました。
タイヤをゲットされた方に持ち帰り方法を聞いたところ、「どうしましょう。荷台に括りましょうか…?」とのこと。不思議なことに、タイヤってバイクに装着している間は小さく見えるのですが、手に持ってみると思っている以上に大きくて重いのですよね。
しかし、苦労も楽しめるのがカブ乗りなのでしょうか。悩みながら荷台に固定されている姿も、心なしかウキウキしているように見えました。
また来年お会いしましょう!
午後4時。最高の盛り上がりの中、カフェカブミーティング in 青山は閉会しました。
会場に集まったカブとライダーたちの熱気は非常に刺激的で、青山の一角に大きな渦を巻き起こしていたように感じます。
その空気感にたっぷりと全身浸れることこそ、オンラインのイベントでは実現できないこと。リアルでの開催の醍醐味なのではないでしょうか。
1台、また1台と会場をあとにするカブたちを見送りながら、筆者自身の中にあるカブへの愛がさらに大きくなっていくのを感じたのでした。
▼最後に、筆者も愛車と共に記念撮影をさせてもらいました
▼カフェカブミーティング in 青山2022 フォトギャラリー
文/高木はるか
アウトドア系ライター。つよく、しぶとく、たくましくをモットーにバイクとキャンプしてます。 愛車はversys650、クロスカブ110、スーパーカブ90。
高木はるかの記事は下記のサイトから
https://riding-camping-haruka.com
編集/inox.