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新サッカー王国は神奈川?日本代表の都道府県別勢力図を分析してみた

2022.10.21

新サッカー王国は神奈川?日本代表最新県別勢力図!

神奈川を代表する新世代のスター・久保建英(筆者撮影)

 11月23日に初戦・ドイツ戦(ドーハ)を迎える2022年カタールワールドカップ(W杯)の日本代表。最終登録メンバー26人は11月1日に発表される。

 森保一監督は「90%は決まっている」とコメントしているが、9月に負傷した浅野拓磨(ボーフム)と板倉滉(ボルシアMG)、10月14日のブレントフォード戦で松葉杖を突いては退場した三笘薫(ブライトン)が本番に間に合うかどうかは、大いに気になるところだ。

 彼らが順当に選ばれるなら、今回の26人のうち最大6人が神奈川県出身者ということになる。絶対的ボランチ・遠藤航(シュツットガルト)を筆頭に、攻撃陣のキーマン・伊藤純也(スタッド・ランス)、バルセロナで小中学生時代を過ごした久保建英(レアル・ソシエダ)、そして川崎フロンターレ育成組織出身の板倉、三笘、田中碧(デュッセルドルフ)と重要戦力がズラリと並ぶことになる。

 実は神奈川というのは、98年フランス大会の岡野雅行(鳥取GM)を皮切りに、2002年日韓大会の森岡隆三(清水アカデミー・オブ・コーチング)と戸田和幸(渋谷シティ・テクニカルディレクター)、2006年ドイツ大会の茂庭照幸(JFL岡崎)、2006・2010年南アフリカ大会の中村俊輔(横浜FC)、2014年ブラジル大会の齋藤学(水原三星)、2018年ロシアの遠藤航と過去7大会全て代表選手を輩出している地域。全大会制覇というのは、サッカー王国・静岡、日本サッカー協会の代表強化拠点「高円宮記念JFA夢フィールド」のある千葉の3つの県しかない。そこは1つ注目すべき点だ。

日本のキーマン・三笘薫も神奈川出身(筆者撮影)

 ご存じの通り、98年当時は王国・静岡から9人、2002年も6人が選ばれていて、圧倒的多数を占めていた。「日本代表=静岡代表」のように見られていたと言っても過言ではないほどだった。静岡からはその後も長谷部誠(フランクフルト)や内田篤人(JFAロールモデルコーチ)といった看板選手が名を連ね、栄光の時代が長く続いたが、今回は伊藤洋輝(シュツットガルト)1人だけになる可能性が大。それだけ時間の経過とともに代表輩出地域が増え、相対的に静岡の地位が低下したということになる。

時間の経過とともに関西が勢力を拡大

 実際、各大会の選手輩出地域数を見ると、98年は12都道府県だったのに、2002年は14に拡大、2006年が16、2010年が15、2014年が18、2018年が17と増加傾向を辿っているのが分かる。

 その内訳も、98年当時はかつてのサッカーどころである広島(森島寛晃=セレッソ大阪社長)、山梨(中田英寿)などが目についたが、徐々に関西圏が勢力を拡大。2014年などは大阪出身の本田圭佑、柿谷曜一朗(名古屋)、兵庫出身の岡崎慎司と香川真司(ともにシントトロイデン)と攻撃陣の中心選手が全て関西勢だった。ボランチの山口蛍(神戸)も三重出身だから、その勢いが色濃く見て取れた。

 今回もエースナンバー10をつけるであろう南野拓実(モナコ)が大阪・熊取町出身。ボランチの大黒柱と目される守田英正(スポルティング・リスボン)も高槻市出身で、前線での「鬼プレス」でドイツ戦のキーマンに浮上した前田大然(セルティック)も太子町出身。愛媛県生まれで中学からガンバ大阪のジュニアユースに進んだ鎌田大地(フランクフルト)、同じく兵庫県生まれでガンバ育ちの堂安律(PSV)らも大阪関連と考えれば、かなりのシェアを占めることになる。

南野拓実は稲本潤一、本田圭佑らと同じ大阪出身(筆者撮影)

「横並びを嫌う関西の指導者は個性的な選手育成に力を入れている」ともサッカー関係者の間ではまことしやかにささやかれるが、そういった地域性があるからこそ、世界に名を馳せる強烈なアタッカーが次々と出てくるのかもしれない。今後も関西のタレントからは目が離せない。

 サッカー界においては、九州も重要視しなければいけない地域。特に鹿児島は2002年を除いて6大会に選手を送り出している県だ。98年の城彰二(解説者=*彼は出生地が北海道)に始まり、2006~2014年の遠藤保仁(磐田)、2014・2018年の大迫勇也(神戸)の3人がその面々である。大迫は今回もメンバー入りが有力視されるため、地位は盤石。うまくいけば、東京五輪世代のGK大迫敬介(広島)も入る可能性がある。九州エリアで言えば、人口の多い福岡(2010・2014年の大久保嘉人)、熊本(2006年の巻誠一郎、土肥洋一=山口GKコーチ、2018年の植田直道=ニーム)も健闘はしているものの、やはり重要戦力をコンスタントに輩出する鹿児島の影響力は無視できない。ユース年代にも有望選手がいるため、その地位はさらに向上していきそうだ。

東北は3県、四国の愛媛も選出を輩出

 かつては「サッカー後進地域」と位置づけられていた東北も徐々に存在感を高めている。その象徴が2002・2006年の岩手(小笠原満男=鹿島アカデミー・アドバイザー、柴崎岳=レガネス)、2010・2014年の宮城(今野泰幸=南葛SC)、2018年の青森(柴崎岳=レガネス)の3県だ。秋田、山形、福島という他県からはまだW杯選手が出ていないのだが、東北エリアから大舞台に立った選手がことは地域に勇気を与えたに違いない。

 とりわけ、小笠原と柴崎がファンタジスタ的要素を備えた攻撃タレントという点も見逃せない点だ。そういう逸材を生み出せるのは、地元のサッカー関係者にも自信と手ごたえになったはず。柴崎は今回、当落線上と言われるが、果たして東北の希望として君臨し続けることはできるのか。改めて注目したいところだ。

 一方で、香川、徳島、高知はW杯プレーヤーゼロという四国に目を向けると、愛媛だけは事情が異なる。2002・2006年の福西崇史(解説者)、2010・2014・2018年の長友佑都(FC東京)を送り出しているからだ。長友は日本人フィールドプレーヤー初の4大会W杯出場が確実。本人も「自分自身は何度も言っていますけど、相手が強くなればなるほど、自分の価値は示せてくると僕は確信している。『そろそろ信じてもらっていいですか?』と言いたいです」と強気の姿勢を示しており、カタールでもエースキラーとして異彩を放ちそうだ。

代表の大ベテラン・長友佑都(右)は愛媛のシンボル(筆者撮影)

 そこに加えて、愛媛生まれ・愛媛育ちの鎌田がいる。今季フランクフルトで公式戦9ゴール(10月18日現在)と驚異のゴールラッシュを見せている男は紛れもなく森保ジャパンの攻撃陣のエース。今や最大の得点源と見ていい。その彼が爆発すれば、愛媛の地位もさらに向上する。地元関係者は胸をときめかせているはずだ。

 W杯代表選手と縁遠い印象の強い北信越と山陰も、少数ながら選手を送り出している地域と言える。北信越であれば、2002・2006年の富山(柳沢敦=鹿島ユース監督)、2014・2018年の新潟(酒井高徳=神戸)が該当するし、山陰は98年の島根(小村徳男=解説者)がカウントできる。ただ、やはり比率的には低く、それ以外の県(長野、石川、福井、鳥取)からは選手が出ていない。

 筆者の出身地・長野に目を向けると、県内に松本山雅と長野パルセイロという2つのJクラブがあるため、近年は選手育成が非常に活性化しているものの、日の丸を背負うような逸材はそうそう出てこない模様。とはいえ、長野市出身で湘南ベルマーレから今夏、ベルギー1部・コルトレイクへ赴いたパリ五輪世代の田中聡のような選手もいて、2026年以降はひょっとするかもしれない。「W杯プレーヤーゼロ」という現状を打破してほしいというのは地元の人々の強い願い。早く壁を乗り越えてほしいものである。

代表の主力級がどこの地域出身かを見ていくのも一興だ(筆者撮影)

 いずれにせよ、過去6大会を通してみると、W杯選手輩出自治体は32にのぼっている。それだけ地域格差がなくなり、サッカーが普及したという証明でもある。かつてドイツ代表に携わり、ギリシャ代表を率いたサンフレッチェ広島のミヒャエル・スキッベ監督も「日本の選手はクラブや学校などさまざまな環境でいい指導を受けているので、プロになった選手は技術・戦術的に非常に優れている」と日本の環境を絶賛していた。

 こういった前向きな現象が、カタールでの史上初のベスト8進出につながってくれれば最高である。果たして11月1日はどういう顔ぶれがリストに名を連ねるのか。彼らの出身県に注目してみるのもまた一興ではないか。

●98年フランス大会
群馬2、千葉1、神奈川1、山梨1、静岡9、愛知1、滋賀1、三重1、奈良1、島根1、広島1、鹿児島1、ブラジル1
*城彰二は鹿児島出身で計算

●2002年日韓大会
岩手1、茨城2、群馬1、千葉1、神奈川2、山梨1、富山1、静岡6、愛知1、滋賀1、奈良1、大阪2、広島1、愛媛1、ブラジル1
*中田浩二は滋賀出身で計算

●2006年ドイツ大会
岩手1、埼玉1、東京1、千葉1、神奈川2、山梨1、富山1、静岡3、滋賀1、奈良1、大阪3、兵庫1、和歌山1、愛媛1、熊本2、鹿児島1、ブラジル1
*中田浩二は滋賀出身で計算

●2010年南アフリカ大会
宮城1、埼玉2、東京1、千葉2、神奈川2、静岡4、京都1、奈良1、大阪2、兵庫1、和歌山1、山口1、愛媛1、福岡1、鹿児島1

●2014年ブラジル大会
宮城1、埼玉1、東京1、千葉1、神奈川1、新潟1、静岡2、三重1、大阪2、兵庫2、広島1、愛媛1、岡山1、福岡1、大分1、長崎1、宮崎1、鹿児島2

●2018年ロシア大会
青森1、埼玉2、東京1、千葉1、神奈川1、新潟1、静岡2、滋賀1、京都1、三重1、大阪2、兵庫3、広島1、愛媛1、長崎1、熊本1、鹿児島1

取材・文/元川悦子
長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。


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