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全国旅行支援にかかる国家予算は誰がどう決めたのか?

2022.10.19

10月11日から政府の観光促進事業である「全国旅行支援」がスタートした。旅行代金の40%相当が割引されるほか、観光施設など現地で使えるクーポン券ももらえるキャンペーンだ。

東京都を除く46道府県では予約が開始され、東京都は20日からを予定している。コロナウイルスの影響で落ち込んでいた観光業界が一気に盛り上がりを見せているが、いったいこの事業の予算は誰が決めているのか。政治ジャーナリストの武冨薫さんに話を聞いた。

東京の全国旅行支援「ただいま東京プラス」のホームページより

“Go To トラベル”で確保した予算が流用されている

今回のプロジェクトの財源は約5600億円にものぼるという。この予算はいったい誰が決めたのだろうか。

「人気となっている全国旅行支援は岸田内閣の事業と思われているようですが、岸田内閣が決めた予算ではありません。菅前内閣時代のGo To トラベルの予算の余りを流用したものです。

コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年、旅行客が激減して全国のホテルや旅館、土産物店、旅行代理店など観光業界は大打撃を受けました。そこで当時の二階俊博・自民党幹事長が主導してコロナ経済対策で巨額の旅行支援予算をつけた。20年度と21年度の補正予算を合わせて総額1兆3500億円という金額です。二階さんは旅行代理店の業界団体・全国旅行業協会の会長を務めていて”観光業界のドン”と呼ばれており、観光業界を救済しようと考えたといわれています。

ところが、ご存じのように20年7月にスタートしたGo To トラベルは感染再拡大で中止され、感染が長引いて21年度も再開できず。予算の一部は県をまたがない旅行を補助する県民割などにあてられたものの、半分くらいが使い切れずに余ってしまった。それでGo To トラベルを実施する観光庁は困ってしまったわけです」

どうして「Go To」から名前が変わったのか?

国土交通省の外局である観光庁の年間予算は450億円程度、それより2桁も大きい1兆3500億円のGo To トラベルは同庁はじまって以来のビッグプロジェクトだったが、感染拡大が想定以上に長引き、予算規模も大きすぎたという。

「実は、財政法では使い切れなかった予算は翌年度までしか繰り越しが認められません。それを過ぎると余った予算を財務省に返さなければならないと決められています。感染がおさまればGo To トラベルを再開したいと考えていた観光庁はせっかくもらった予算を返したくない。

それで知恵を絞って、使い切れなかったGo To トラベル予算のうち、20年度補正予算の5600億円分を返還期限が来るまえに都道府県に配ったわけです。これなら財務省に戻さなくていい。その5600億円を財源に、この10月から始まったのが全国旅行支援です。岸田首相は何もせずに、いわば菅内閣が残した”遺産”を使って、批判を浴びたGo To トラベルの名前を変えて自分の内閣の功績だとアピールしていることになります」

1兆4000億円の予算はまだ使いきれていない

多くの人が関心をよせる全国旅行支援。予約が取れないという嘆きの声もあるなか、政府は関連予算の追加を検討すると表明した。このお金も、過去の予算で残っているお金が使われる可能性があるという。

「Go To トラベルは観光庁が直接実施する国の事業なのに対し、全国旅行支援は国の予算を給付された都道府県が独自に行っている事業という建前の違いはあるものの、実質的には観光庁がコントロールしています。その観光庁は国の事業のGo To トラベルの再開も準備していて、予算(21年度補正予算)を2000億円以上残しています。しかし、再開の見通しは立っていません。今後、その分が全国旅行支援に追加される可能性があります」

国民の税金を使った旅行支援、”税金の無駄使い”と見るか、それとも、”オレたちの税金で安くなっているんだから旅行に行かなきゃ損”と考えるか。あなたはどっち?

教えてくれた人/武冨薫さん
政治ジャーナリスト。1960年福岡県生まれ。永田町、霞が関をはじめ幅広い取材網を持ち、週刊誌に25年以上にわたって記事を執筆している。

取材・文/田村菜津季

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