山を借り、その場を活用して収入につなげる手もある。副業としても始めやすいというキャンプ場経営のコツを成功者に聞いた。
ブームを追い風に最高益を更新中
山梨県富士河口湖町でキャンプ場を運営する志村さん。もともと同地で民泊と移動販売の事業を展開。それがある日、運命を変える出来事が起きる。
「私がやっていた移動販売の餃子屋さんの常連にキャンプ場のオーナーさんがいました。高齢で体力的に厳しいが、キャンプ場の後継者がいない。そんな話を聞くうち、『キャンプ場を経営してみないか』と誘われたんです」
コロナ禍で売り上げ激減の民泊からの撤退と、キャンプ好きだったこともあり、これを了承。キャンプ場は富士山が見える抜群のロケーションながら老朽化していた。賃貸契約を結び、早速2020年春にテコ入れし、同年7月開業を果たす。すると大盛況に。
「20年の売り上げは前年比50%、21年は過去最高益を更新し、1億5000万円を売り上げました」
ただ、志村さんのように既存のキャンプ場を引き継いで運営するのはレアケースだという。
「個人でやるなら、山の敷地を所有者から借りるか、安く購入するかして、いちからキャンプ場を造る方法がいいと思います。手っ取り早いのは借りる方法ですね」
とはいえ、キャンプ場を造るのには相当お金がかかるのでは……。
キャンプ場投資コンサルタント
志村尚太さん
1985年山梨県都留市生まれ。国内外で働いたのち、29歳で民泊を開業。同事業撤退後、キャンプ場経営で成功を果たす。著書『100万円からできるキャンプ場投資』。
「専門業者に頼まず、自分でやれば費用はそれほどかかりません。必要な機材もレンタルで揃う。週末の時間を使い、副業としてDIY感覚でやるのをおすすめします」
カギは水や電気などのインフラの整備だ。工事に莫大な費用がかかるのだが、負担を回避する策を2つ挙げる。
「ひとつは、インフラ不要のオートサイトやテントサイトのみのキャンプ場にするやり方です。基本的には土地の造成と仮設トイレの設置のみで成り立ちます。もうひとつはインフラが通っている地をキャンプ場にするやり方です。狙い目は山の中にポツンと佇む空き家。空き家の多くはインフラが整っているため、隣接する敷地と併せて借りればオートサイトをはじめ、コテージ、グランピングと幅広く展開できます。どちらも初期費用は100万円程度で済みますよ」
一方、注意すべきなのは許認可の取得。広い土地の造成には開発許可申請、コテージやバンガローなどの建設には建設確認申請、テントサイト以外の施設は旅館業の営業許可申請が必要になるそうだ。
「開業に向け、コンセプトの設定も重要です。うちのキャンプ場は『リトリート』を掲げています。疲れた心と体を癒し、本来の自分に戻るための時間という意味合いです。富士山がよく見えて、近くに神社や滝があって神聖な空気が漂うため、このコンセプトに決めました。差別化になり、価格競争に巻き込まれないんです」
開業後の集客、予約管理、フロント業務などはシステムを活用すればOK。運営の手間はほぼない。
「近い将来、富士の裾野に大きなキャンプ場を持ちたい。夢が広がっています」
敷地は約4000坪。壮大な自然の中に、オートサイトやドームテントなど全33サイトのキャンプ施設が設けられている。キャンプシーズンは全国からキャンパーが訪れ、予約が困難なほどの人気ぶり。
RetreatCampまほろば
[住]山梨県南都留郡富士河口湖町河口山宮2553 [電]090・4128・6066
[料]ドームテント/1泊2万5000円~(定員5名)パオテント/1泊4万円~(定員6名)
そのほかオートサイト、トレーラーハウスなども。
※宿泊料はオフシーズンの価格です。
初期コストは400万円
before
老朽化したキャンプ場を自ら改装。コテージの入れ替え、デッキやグランピング施設の新設など、初期投資は約400万円。
取材・文/百瀬康司 イラスト/川崎タカオ
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2022年8月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
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