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EUでの義務化法案可決でiPhoneのLightning端子はいつからUSB Type-Cに切り替わる?

2022.10.13

EUの欧州議会は2022年10月4日、モバイル機器などにUSB Type-Cの搭載を義務付ける指令案(法案)を可決しました。

USB Type-Cの搭載義務化により、Lightningを搭載するiPhoneは規格変更を迫られる可能性が高いです。

今回は、EUにおける立法手続きの流れを踏まえて、USB Type-C搭載義務化の影響がどのように波及していく見込みであるかをまとめました。

欧州議会が可決したUSB Type-C搭載義務化の内容とは?

欧州議会によって可決された指令案は、有線で充電可能な最大100Wの電力供給で動作するすべてのモバイル機器について、USB Type-Cの搭載を義務化するという内容です。

義務化の対象となるモバイル機器は、2024年末までにUSB Type-Cを搭載しなければ、EU圏内で販売できなくなります。具体的には、以下の機器などがUSB Type-C搭載義務化の対象です。

・スマートフォン
・タブレット
・カメラ
・無線ヘッドフォン(ヘッドセット)
・ポータブルスピーカー
・ポータブルゲーム機
・電子書籍リーダー
・キーボード
・マウス
など

ノートPCは当初対象外とされていますが、2026年春以降にUSB Type-C搭載が義務化される予定となっています。

USB Type-C搭載が義務化される目的

モバイル機器へのUSB Type-C搭載が義務化されることの目的としては、主に以下の点が挙げられます。

①廃棄物の削減
新規にモバイル機器を購入した場合にも、手元にある充電器を使える可能性が高いため、製品に充電器を同梱する必要性がなくなります。その結果、余って捨てられる充電器が減少し、廃棄物の削減に繋がることが期待されます。

②製品価格の低下
充電器を同梱しないことで、製品自体の販売価格が下がり、消費者が購入しやすくなることが期待されます。

③消費者のメーカーに縛られない選択を促進
モバイル機器のメーカーを乗り換える際、充電器を新たに買い直す必要がなくなるため、乗り換えのコストが下がります。その結果、消費者はメーカーに縛られない自由な製品選択をできるようになることが期待されます。

これまでも話題になってきたUSB Type-C搭載義務化|法案可決の経緯は?

モバイル機器へのUSB Type-Cの搭載義務化は、EUにおいて過去に何度も話題になってきました。

これまでは検討中・時期未定という段階でしたが、2022年10月4日の欧州議会による指令案(法案)の可決は、USB Type-Cの搭載の義務化およびその時期が確定的になった点で大きな意義があります。

1. 欧州委員会が欧州議会に指令案(法案)を提出

EU加盟国に適用される指令案(法案)の提出は、欧州委員会の専権事項とされています。欧州委員会はEUの政策執行機関で、国家でいうところの行政権を司る組織です。

欧州委員会は2009年以降、長年にわたって充電器やポートの規格統一を模索してきましたが、独自規格であるLightningを採用するAppleの影響力が大きいこともあって、完全な規格統一は果たせていませんでした。

今回のUSB Type-C搭載義務化に関する指令案は、欧州委員会が欧州議会に対して2021年9月に提出したものです。

2. 欧州議会の第一読会における審議・可決

EUの通常立法手続きでは、欧州議会と欧州連合理事会が共同で指令案(法案)を採択することになっています。具体的には、「三読会制」と呼ばれる以下の手続きによって指令案(法案)が審議・採択されます。

①第一読会
欧州議会が指令案(法案)を審議し、修正案を欧州連合理事会に提出する。
修正案につき、欧州連合理事会が賛否を決定する。承認されれば、指令案(法案)は採択される。不承認であれば、第二読会へ移行する。

②第二読会
欧州議会の改めて指令案(法案)を審議し、修正案を欧州連合理事会に提出する。
修正案につき、欧州連合理事会が賛否を決定する。承認されれば、指令案(法案)は採択される。不承認であれば、調停委員会へ移行する。

③調停委員会
調停委員会は、欧州議会・欧州連合理事会の代表から構成される。
調停委員会において、欧州議会・欧州連合理事会の共同案が作成・承認され、かつ両機関の承認により共同案が採択された場合、指令が成立する。

USB Type-C搭載義務化に関する指令案(法案)も、上記の通常立法手続きにより、第一読会における欧州議会の審議が行われました。
その結果、2022年6月の暫定合意を経て、2022年10月4日、欧州議会において正式に可決された状況です。

3. 指令採択に至る今後の流れ

欧州議会(第一読会)で可決されたUSB Type-C搭載義務化に関する指令案(法案)は、次に欧州連合理事会へ提出されます。

EUでは、できる限り第一読会での指令案(法案)採択を目指すため、欧州委員会・欧州議会・欧州連合理事会の各代表が、非公式に三者対話を行うことが慣例となっています。
USB Type-C搭載義務化に関する指令案(法案)についても、すでに三者対話による調整が済んでいるものと思われ、欧州連合理事会は同指令案(法案)を承認する見通しです。

正式承認された指令は、EU官報による公示から20日後に発効し、その後12か月の移行期間と、さらに12か月の国内適用期間を経て、全加盟国で適用されることになります。

USB Type-C搭載により、iPhoneのLightningはどうなる?

現在リリースされているiPhoneには、Apple社の独自規格であるLightningのみが搭載されており、USB Type-Cは搭載されていません。

EUのUSB Type-C搭載義務化に関する指令により、2025年以降、現行規格によるiPhoneはEU圏内で販売できなくなる見込みです。EU市場におけるシェアを維持するため、Apple社は今後1~2年の間に、iPhoneの規格を変更する可能性が高いと考えられます。

現状考えられる規格変更の内容は、主に以下の2通りです。

①LightningをUSB Type-Cに置き換える

②有線充電を不可とし、ワイヤレス充電に一本化する※
※USB Type-Cの搭載が義務化されるのは、有線で充電可能なモバイル機器に限られているため

USB Type-Cの搭載義務化に対して、Apple社が今後どのような対応をとるのかが注目されます。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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