「リスクが怖いから日本円で預金だけしておこう」──実はこの考えこそが資産を危険にさらしている。インフレやデフレにより相対的に変動する通貨の価値を守る手段は外貨預金をはじめとする「外貨建て資産」にあった。
ソニーフィナンシャルグループ株式会社
金融市場調査部 シニアアナリスト
石川久美子さん
専門は外国為替相場。レポートを多数発表する他、テレビ東京『Newsモーニングサテライト』などにも出演し情報を発信している。
外貨預金はキャッシュの〝分散投資〟でもある
今年の3月頃から始まった円安・ドル高の流れはいまだ収まらない。9月頭には1ドル140円を突破した為替レートを眺めていると「1ドル110円の頃に買っておけば今頃、資産は1.3倍になっていただろう」と思わずにはいられない。
そうした背景から今、「外貨預金」に関心を持つ人も増えている。そもそも日本人にとってドルを持つメリットはどのようなことが考えられるのだろうか。ソニーフィナンシャルグループの石川久美子さんが教えてくれた。
「まず投資において資産を分散してリスク軽減するのは基本的な考え方です。これはキャッシュの面でも同じ。円だけでなく外貨を保有することで、キャッシュの分散投資はしたほうがいいでしょう。
今のような円安・ドル高の局面では、為替差益を得にくいかもしれませんが、預金金利は円より米ドルのほうが高い。これを機に長期で米ドル保有を考えているなら1日でも早く始めたほうがいいでしょう」
外貨預金は外貨建て資産のうち、最もリスクが低い選択肢でもある。
「リスク許容度や興味の有無によっては外貨預金ではなく外貨建ての株式や債券でもいいでしょう。ポートフォリオのうち、外貨建て資産の割合に正解はありませんが、堅実な資産運用が求められるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)ですら、資産の半分が外貨建て資産ということはひとつの目安になるかもしれません」(石川さん)
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外貨購入の2大手段「預金」と「FX」の違いとは?
FX(外国為替証拠金取引)は証拠金を元手にレバレッジをかけて証拠金以上の金額取引ができるという点に大きなメリットがある。大きな利益が期待できる一方で損失が大きくなる可能性があるのは最大のデメリットだ。「FXは外貨預金に比べて買い付け手数料が安い。レバレッジ1倍のFX取引を外貨預金の代わりにするのはひとつの選択肢でしょう」(石川さん)。レバレッジの誘惑に負けなければデメリットは少ないか。
取材・文/峯 亮佑
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