多くの人が当たり前のように加入している生命保険や医療保険。毎月2万~3万円支払っていることもあり、解約すればかなり節約できる。これらは本当に必要なのか? 保険に詳しい後田亨氏が解説する。
オフィスバトン「保険相談室」代表
後田 亨さん
大手生命保険会社と保険代理店で約15年間、営業職を経験後、独立。執筆、講演、有料相談に従事する。『いらない保険』『生命保険は入るほど損!?』ほか、著書多数。
保険商品は決して得ではないちゃんと理解して利用しよう
万が一の時のことを考えて、医療保険などの生命保険に加入している人は多い。これらの保険料が「保障内容に見合わないと考えられるので、最小限の利用が望ましい」と言うのが、保険相談室代表の後田亨氏だ。
「ネット生保の決算情報から、保険料のうち入院給付金などの支払いに充てられるのは6割弱と見られます。仮に10万円の保険料を払うと、4万円強が保険会社の経費や利益になるわけです。そうであれば、自己資金で医療費などを支払うほうが、余計な費用がかからないので、家計の負担が減るはずです」
ただ、ケガや病気で、多額の医療費がかかるような場合はどうすればいいのか。それに対して後田氏は、「私たちはすでに一番いい終身医療保険に加入しています」と言う。それは健康保険のことだ。日本では〝国民皆保険制度〟を採用しているので、誰もが健康保険に加入している。
「健康保険の保障範囲は、入院・手術など対象が限られている民間の保険とは比較になりません。入院などで医療費がかさんでも『高額療養費制度』で自己負担額には限度があります。また、国の年金保険には年金だけでなく死亡などの保障もあります」
そもそも「自分が払っている健康保険や社会保険で得られる保障を知らない人が多い」と、後田氏は指摘する。しかし、医療費の自己負担限度があるとはいえ、貯蓄がない人などは、民間の医療保険を検討せざるを得ない。その際に気をつけたいのが、期間限定で利用することだ。自己資金が貯まったら解約してよればよい。なので、一般に検討すべきは「子育て期間中の世帯主が、期間限定の死亡保障を掛け捨ての保険で持つ場合くらいだ」と後田氏は言う。
解約に当たってネックになるのが、今まで支払ってきた掛け金だ。
「医療保険などでは〝老後に給付を受ける機会が増える〟、貯蓄商品では〝今解約すると払戻金がマイナスになる〟と、思いとどまりがち。前者の場合、『保険料の4割強の経費などが引かれる仕組みをいつまでも使っていいのか?』と考えたい。また、貯蓄商品では、これまで払ったお金に注目すると判断が変わりやすいので、『現時点で新規契約の話として持ちかけられたら、同じ契約をしたいか?』と考える必要があります」
まずは今、加入している保険の契約内容を知ることが大切だ。この機会に見直して、足りない部分を補填する保険を利用しよう。
【 支払総額の内訳 】
一般的に純保険料と付加保険料の割合は6対4だと言われている。つまり支払った掛金の6割しか給付されないということ。
健康保険は年齢や所得によって、1か月の医療費の自己負担限度額が定められている。その上限を上回る医療費がかかった場合、高額療養費制度で超過分を戻してくれる。
取材・文/綿谷禎子
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