厚底が定番化し、ブームを牽引するキーワードが見えにくくなったが、今後はベーシック回帰が進みそうだ。そこで、人気急上昇の、なじみ深い、学校指定ブランドに注目した。
スニーカー部門
【ランキングの選定基準】
今回はブランド単位でランキングを作成した。まず重視したのが、手を伸ばしやすい価格であること。1万円以下のモデルを数多くラインアップするブランドを上位に設定し、セレクトショップなどのトレンドセッターの注目度を加味した。
1位はムーンスターだ。ムーンスターはアパレルショップを中心に展開するラインを立ち上げるなど、学校指定ブランドの中でいち早くファッション的なアプローチを打ち出した先駆的な存在である。「810s by MOONSTAR」は2019年に立ち上げた新しいコンセプトのシューズラインで、キッチンシューズなどのプロ用モデルをアレンジしたスニーカーを展開している。履き心地や見た目はもとより、コスパの高さで注目を集めており、有名セレクトショップや海外ラグジュアリーブランドとのコラボモデルも発表している。
【1位】MOONSTAR
ルーツモデルはグラウンドシューズ『SC ATHLETIC』
810s by MOONSTAR『STUDEN TAUPE』6600円
学生用のグラウンドシューズをベースに、厚底風のソールを取り入れるなどデイリーユースにアレンジしたジョギングシューズタイプ。上品な雰囲気にまとめた。
量感のあるルックスがイマドキ。ワイドパンツなど、トレンドアイテムとの相性がいい。
〈ここが高コスパ〉履き心地や夜間歩行時の安全性がアップ!
かかとをサポートするヒールカウンターやセーフティーブライト(反射材)を新たに採用。安全性を高めた。
ルーツモデルは80年代の学生履き『ジャガーシグマ』
MOONSTAR SKOOLER『SK SIGMA KHAKI』6600円
1980年代に誕生し、学生履きや作業靴として不動のポジションを築いた軽量スニーカー『ジャガーシグマ 04』がベース。シンセティックレザーを重ねるなどして、シックな顔立ちに仕上げた。
従来品との違いはアウトソールの土踏まず部。半円形に肉抜きし、屈曲性と軽量性を高めた。
〈ここが高コスパ〉インジェクション製法でより美しく、軽量化
ソール成型とアッパー接着を同時に行なう製法を採用。パーツの密着性が高く、軽量で堅牢性に優れる。
【2位】ASAHI SHOES
70年代のデッキシューズの形を再現した国産スリッポン
Asahi『DECK SLIP-ON』8800円
アサヒシューズが2017年に立ち上げた新ブランド。「DECK」「TRAINER」「BELTED」の3カテゴリーで構成され、「DECK」は1970年代の米国製デッキシューズをもとにした美しいシェープが特徴。
〈ここが高コスパ〉防滑性能に優れた波形状のスリット
ラストは全体的に幅が細く、甲の低い、ヨーロピアンなシルエット。波状に切れ込みが施されたアウトソールは、通称スペリーソールとも呼ばれるデッキシューズの代名詞な意匠。
60年代のハウスブランドが約20年ぶりに再始動!
SUN『504』6600円
〝良品廉価〟をコンセプトにベーシックなデザインを追求したワンマイルシューズライン。ソール付けは、加硫剤を混ぜたゴムを使って窯の中でゆっくりと加硫圧着するバルカナイズ製法。
〈ここが高コスパ〉福岡県久留米市の自社工場で製造
1960年代に商品化された同名ハウスブランドを再始動。国産でありながら価格は6600円と高コスパ。
【3位】PANTHER
一世を風靡したあのロングセラーを大刷新
パンサー『PANTHER DERA PTJ-0003』1万4850円
1964年に誕生したスポーツシューズブランド「パンサー」が2016年に復活。本品『DERA』はアイコン的1足で、オーソライト社製のカップインソールを採用し、履き心地を現代仕様にアップデートした。
〈ここが高コスパ〉デザインはそのままに履き心地を現代的に刷新
復活にあたり、素材やウレタンフォームの厚さ、つま先のシルエットなどを調整。当時の顔立ちはそのままに、心地よい履き心地とホールド感を実現した。
取材・文/編集部