コロナ禍の影響もあり、自身の健康管理に気を使い始めたという人も多いはず。そんな中注目なのが、「スマートウォッチ」と呼ばれる、時計型のデバイス。アップルの「Apple Watch」シリーズが有名ですが、多くのスマートフォンメーカーや時計メーカーから発売されています。
本記事では、世界的なスマートフォンブランド「Galaxy」より、2022年9月29日より発売となる「Galaxy Watch5」を実際に試しながら、機能や操作性について紹介していきます。
Galaxy Watch5は、AmazonといったECサイトや各家電量販店に加え、au Online ShopでLTEモデルも取り扱われます。LTEモデルは、スマートフォンと離れた状態でもデータ通信が行えるため、ワークアウト時などにも便利な製品。購入する際には、使い方に合わせたモデルを選ぶように心がけましょう。
Galaxy Watch5シリーズでは、より耐久性やバッテリー性能に優れた「Galaxy Watch5 Pro」も展開されますが、今回は通常モデルのGalaxy Watch5、Wi-Fiモデルを試しています。また、筆者は2021年発売の前モデル「Galaxy Watch4」を1年間プライベートで使用してきたので、進化ポイントなどにも注目しながら、本製品の魅力を紹介していきましょう。
デザイン・ディスプレイ
Galaxy Watch5は、40mmと44mmの2サイズ展開。今回は40mmモデルを試用していますが、成人男性の腕に巻くと、少し小さい印象を受けますが、通知やカレンダーの視認性に問題はありません。ファッションアイテムとして、小さめの文字盤が好みという人におすすめのサイズ感ですが、44mmモデルと比較すると、明確に一回り違うことがわかるので、好みのモデルを選択するように心がけましょう。
Galaxy Watch5 40mmモデル(左)とGalaxy Watch4 44mmモデル(右)
質量は40mmモデルが約28.7g、44mmモデルが約33.5gです。前モデルと比較すると、それぞれおよそ3g程度重くなっていますが、1日着用していてもストレスを感じるほどではありません。
ディスプレイの素材は、前モデルがCorning Gorilla Glass with DX+だったのに対し、約1.6倍の耐傷性を誇るサファイアクリスタルに変更。触り心地や操作性に違いは感じませんが、スマートウォッチのディスプレイは基本的にむき出しの状態なので、傷がつきにくくなるのはうれしいポイントです。
前モデル同様、ホーム画面から左にスワイプすると通知一覧、右にスワイプすると設定したウィジェット一覧が表示されます。Galaxy Watchシリーズの特徴でもある、ベゼルをなぞることでページを切り替える「タッチベゼル」機能も搭載されており、操作性は抜群です。
本体右側面には、2つのボタンが配置されています。上側が「ホームキー」、下側が「戻るキー」となっており、アプリ起動中に上ボタンを押すとホーム画面へ、下ボタンを押すと1つ前の画面に戻る操作が行えます。また、ボタン操作はアプリから変更可能なので、使いやすい機能をここに割り振ることもできます。
ベルトはシリコン製となっており、汚れや指紋はほぼ気になりません。自分で簡単につけ外しが可能となっているので、サードパーティー性のベルトと交換して使用してもOKです。
ヘルスケア・ワークアウト機能
最新のハイエンドスマートウォッチということもあり、多数の健康管理機能や、ワークアウトモードを搭載しているのも、Galaxy Watch 5の魅力です。
睡眠トラッキング機能では、いびきの検出や眠りの深さを追跡・分析する機能が搭載されており、起床後に睡眠の質をアプリから確認可能。スコアとして毎日表示してくれるので、体の状態を簡単に確認できます。
体脂肪率や骨格筋、体内の水分量といった細かな数値を測定する機能も搭載されています。測定は、本体側面の2つのボタンに、それぞれ中指と薬指を数秒置くだけで完了。合計1分程度で済むので、起床後すぐや、就寝前といったちょっとした時間に計測できるのが魅力です。
ワークアウトモードは、ウォーキングやランニング、水泳といった基本的なものが標準搭載されているほか、アイススケートやサッカー、ロッククライミングといった、様々なスポーツの機能を追加することも可能です。
便利なのが、10分以上のウォーキングを検出すると、自動的にウォーキングモードが起動し、歩行距離や消費カロリーを蓄積してくれる機能。駅まで何気なく歩いているだけでも、どれくらいの運動になっているのかが一目で分かるため、普段の運動を意識するようになります。
機能・性能
搭載OSは、前モデル同様グーグルの「Wear OS」となっています。そのため、Androidスマートフォンユーザーにはなじみ深い、Google Playストアから、スマートウォッチ向けのアプリがインストールできるのが魅力となっています。
プリインストールアプリには、グーグルの純正アプリとGalaxy純正アプリの双方があります。中でも個人的に最も利用頻度が高いのが、Googleマップアプリ。Galaxy Watch5上で経路を設定することもできますが、接続したスマートフォンのGoogleマップアプリで検索した経路を、そのままGalaxy Watch5に表示することもできるので、大きい画面で文字入力を行い、歩きながら手元で道順を確認する、といった使い方ができます。
ただし、本製品は前モデル同様、iPhoneとの接続ができず、Androidスマートフォンとの接続のみの対応となるので、iPhoneユーザーは注意が必要です。
バッテリー容量は、約40mmモデルが284mAh、約44mmモデルが410mAhとなっており、それぞれ前モデルより50mAh近く大型化しています。筆者が普段使用している、44mmモデルのGalaxy Watch4と、40mmモデルのGalaxy Watch5で比較すると、前者のほうが大容量ですが、どちらも1日の使用であればほぼ電池切れの心配はありません。
また、バッテリーは大型化しているだけでなく、新たに急速充電に対応しているのもポイントです。Galaxy Watch5では、約30分間で最大45%の充電ができるため、朝の準備時間など、短い時間でもしっかりと駆動時間を確保できるようになっています。
そのほか、水深50mに相当する圧力に耐えられるとされる5ATM、IP68の防水防塵性能、MIL-STD-810Hに準拠するなど、安心して使用できる耐久性を有しています。
アプリ
Galaxy Watch5をAndroidスマートフォンと接続する際には、「Galaxy Wearable」アプリを使用します。本アプリからは、2種類のボタンのコントロールや文字盤の変更、通知の設定などが行えます。Galaxy Watch5のバッテリー残量や、予測される連続駆動時間も一目で確認できます。
一方、健康管理やワークアウトの管理には、別途「S Health」アプリのインストールが必要。S Healthアプリでは、自身の数値を確認できるだけでなく、おすすめのフィットネスや、ほかのGalaxy Watchユーザーとワークアウトの結果を共有できる「Together」モードが利用できます。
Galaxy Wearableアプリ、S Healthアプリは、どちらも操作がわかりやすく、見やすいデザインに整えられているのですが、Galaxy Watch5を紐づけるアプリが2つに分かれる仕様には疑問が残ります。利用する機能によって明確にアプリが分けられているともいえますが、1つのアプリから両方が管理できると、より快適に使用できるかもしれません。
Androidスマートフォンユーザーにおすすめの最新スマートウォッチ「Galaxy Watch5」
多数の健康管理機能やワークアウトモードを搭載するだけでなく、前モデルよりディスプレイの強度やバッテリーの容量を進化させ、より使い勝手が洗練されたGalaxy Watch5。
タッチベゼルや動作のカスタマイズができる2ボタンを搭載し、だれでもわかりやすいソフトウエアデザインになっているのは、世界中にユーザーがいるGalaxyならではかもしれません。iPhoneに接続できないという弱点こそありますが、LTEモデルも購入できるので、Androidユーザーには、ぜひ試してほしい1台です。
取材・文/佐藤文彦