最近のワイヤレスイヤホンは、大きく分けると、オーディオメーカー、ブランドから発売される製品と、スマートフォンメーカーから発売される製品の2つがあります。
スマートフォンメーカーから発売されるワイヤレスイヤホンの多くは、音質に加えて、安定した通信性や、わかりやすいUIのアプリが多いのが特徴。使用しているスマートフォンとワイヤレスイヤホンが同じメーカーのものであれば、ポップアップをワンタップするだけで接続できる機能を搭載しているモデルも多く、使い勝手に優れた製品が多く登場しています。
本記事で紹介するのは、世界的なスマートフォンブランドであるGalaxyの最新完全ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds2 Pro」。2022年9月29日発売予定となっており、AmazonといったECサイトに加え、au Online Shopからも販売されます。
Galaxyのイヤホンシリーズには、標準シリーズの「Galaxy Buds2」や、開放型の「Galaxy Buds Live」といった製品がラインアップされている中、新発売となるGalaxy Buds2 Proは、名前の通り、ハイエンドシリーズの製品。高いANC(アクティブノイズキャンセリング)機能や、快適な装着感を生むデザインなど、各方面にこだわられています。
それでは、実際にGalaxy Buds2 Proを使いながら、便利な機能や音質について紹介していきましょう。
デザイン・装着感
本体は豆粒のような、コンパクトなデザインを採用しており、片側わずか約5.5gと軽量な仕上がり。前モデル「Galaxy Buds Pro」と比較すると、約15%小型化したとのことで、耳の穴にすっぽりと収まります。人間工学に基づいて設計されていることもあり、装着感も抜群で、着けていることを忘れそうなほど快適に使用できています。
充電ケースもコンパクトになっており、ポケットに入れても邪魔にならないサイズ感です。イヤホン本体、充電ケースともにマットな質感になっており、汚れが付着しにくいのも魅力。カラーバリエーションは、ボラパープル、ホワイト、グラファイトの3色展開となります。
購入時には3サイズ(1サイズは装着済み)のイヤーピースとUSB Type-Cケーブルが同梱される
機能・性能
今どきのハイエンドワイヤレスイヤホンでは定番ともいえる、ANC機能をしっかりと搭載。片側3つのマイクにより雑音を検知することで、ノイズの除去レベルは、前モデルより40%も向上しており、家電の動作音といった日常の雑音はもちろん、電車の音といった大きなノイズも、強力に除去することができます。
本製品を使用していて特に便利と感じるのが、「周囲の音モード」。これは、ANCオン時でも、会話を検知すると自動的に周囲の音を拾う状態に切り替わる機能で、買い物中や、街中で声をかけられた際などに、イヤホンやスマートフォンを操作しなくても、そのまま会話ができます。再生中の音楽も、すっと小さな音量になり、会話が終わったことを検出すれば、自動的に元のANCモードに戻ります。
接続するスマートフォンがGalaxy製品の場合、音を再生しているデバイスを検知し、自動的に接続先を切り替える「オートスイッチング」機能も利用可能。また、Galaxyのスマートフォンであれば、接続時にポップアップが表示されるので、ワンタップでペアリングが行えます。
また、こちらもGalaxy製品との接続時のみですが、「インテリジェント360オーディオ」再生にも対応。対応アプリ、コンテンツのみではありますが、より立体的なサウンドの再生が可能となるため、Galaxyのスマートフォン、タブレットを使用している人には、ぜひ試してほしい機能です。
バッテリーはイヤホン単体で、ANCオン時に約5時間、オフ時に約8時間の駆動時間を誇り、ANCオン時に充電ケースを併用すれば最大18時間の駆動時間を確保できます。
そのほか、本体はIPX7の防水性能を有しているため、ワークアウト時などの着用もおすすめ。Bluetoothのバージョンは5.3に対応しており、アップデートにて「LE Audio」への対応も予定されています。
音質
内蔵ドライバーは、低音を表現するウーファーと、高音を表現するトゥイーターを組み合わせた、2wayスピーカーとなっており、幅広い帯域の音を精細に表現する力に長けています。
低音は比較的強めながら音楽全体のバランスを損なうほどではなく、心地よく響く印象。中高音はかなり明瞭に再生できるため、どのようなジャンルの音楽でも、細かな音まで楽しめます。また、Galaxyデバイスとの接続時には、24bitサウンドの再生が可能なのも魅力。より滑らかな高音質が再生できます。
アプリ
Galaxy Buds2 Proは、専用アプリ「Galaxy Wearable」と接続して使用することで、より便利になります。ただし、執筆時点では、iOS向けに配信されているアプリではGalaxy Buds2 Proに対応しておらず、Androidスマートフォンのみでアプリとの接続が可能となっています。iPhoneでGalaxy Buds2 Proを使用する場合は、音楽の再生や、側面のタッチ操作でのコントロールのみ使用できる状態なので、注意しましょう。
また、Galaxy Wearableアプリと接続するためには、別途「Galaxy Buds2 Pro Manager」アプリをインストールする必要があります。接続すれば便利なアプリですが、1台のイヤホンのために複数のアプリをインストールするのは手間なので、Galaxy Wearableアプリのアップデートに期待しましょう。
Galaxy Buds2 Proと接続したGalaxy Wearableアプリでは、イヤホンの装着状態のテストや、周囲の音モード、ANCモードの切り替えといった機能が利用できるほか、イヤホンがぱっと見当たらないときに、音を出してイヤホンの場所を探せる「イヤホンリモート追跡」機能が利用できます。
また、仕事柄長時間パソコンに向かうことの多い筆者にとっては、「首ストレッチのリマインダー」機能を魅力的に感じています。これは、イヤホン装着時に、頭の位置を検出し、頭が下を向いている状態が10分間続くと、通知をくれる機能。イヤホンを装着するだけで、姿勢を意識して作業をすることができるありがたい機能です。
高音質、強力なANC機能に“賢さ”が加えられたギャラクシーらしいハイエンド完全ワイヤレスイヤホン
コンパクトで装着感に優れた本体デザインに、高精細な音の再生が可能な2wayドライバーを搭載したGalaxy Buds2 Pro。今どきのハイエンド完全ワイヤレスイヤホンらしく、強力なANC機能も備えられています。
また、スマートフォンメーカーの製品らしく、会話を始めた際に自動的に周囲の音モードをオンにしたり、専用アプリ「Galaxy Wearable」との接続で様々な機能が利用できたりと、各所に“賢い”機能が搭載されているのが魅力。機能を最大限引き出すには、Galaxyデバイスとの併用がおすすめですが、アプリはAndroidスマートフォンでも利用可能、iPhoneとも接続自体は可能なので、多くの人に試してほしい1台です。
取材・文/佐藤文彦