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インク沼にハマる人が急増中!クラシカルで新しい万年筆インクの深〜い魅力

2022.10.01

インク沼” ってどんな沼?

最近よく聞く「〇〇沼」という言葉、どんな意味か知っていますか?

「沼」とは、〇〇の部分に当てはまるジャンルやコンテンツ・人物・作品・キャラクターなどに心酔(浸水)し、抜け出せないほど入れ込んでしまった状態です。もとはオタク用語として知られていましたが、ここ最近はテレビなどでも使われるようになりました。

そんな沼のなかでも特に話題になっているジャンルの1つが、「インク沼」です。

今回の記事では、「インク沼」の魅力や初心者向けの基礎知識をまとめてご紹介しています。沼にハマっている人もこれからハマりたい人も、奥深きインク沼の世界をご堪能ください。

「インク沼」のインクの意味

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[むにゅ(@munyu66)さんのインスタグラム投稿より]

インク沼の「インク」は「万年筆インク」のことです。

万年筆インクの魅力にハマって抜け出せなくなってしまった人や、そんな人たちによるコミュニティのことをインク沼と呼びます。インク沼では、1人で数十本~百本以上もの万年筆インクをコレクションしているような人も珍しくなく、各種イベントへ参加したり地方の文房具屋さんへ赴いて限定インクを買い求める玄人もいます。

近年の文房具ブームやレトロブームなどの後押しもあり、「#インク沼」のインスタグラム投稿は13.4万件を超える数になりました。今やテレビやメディアでも特集されるほど認知度の高い沼といえるでしょう。

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[takapi(@pen.takapi.pen)さんのインスタグラム投稿より]

万年筆インクと聞くとクラシカルでとっつきにくそうなイメージを持つかもしれませんが、実際はそんなこともありません。インスタグラム投稿を見ると、お気に入りのインクと万年筆で短い文字を書いたり、カリグラフィーでオリジナルカードを作ったり、インクと筆を使って絵を描いたりと楽しみ方は人それぞれ。

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[takapi(@pen.takapi.pen)さんのインスタグラム投稿より]

意外と気軽にはじめられるジャンルということもあり、インク沼は着々とその住民を増やしているのです。

ハマると底なし?万年筆インクの魅力

インク沼のイメージ2

ハマると底なしといわれるインク沼。沼に住む人々はなぜそれほどまでに万年筆インクに憑りつかれてしまうのか?

ということで、インク沼の住人ではありませんが、沼を羨望のまなざしで見つめている筆者が調査したインク沼の主な魅力は6つです。

    1. とにかく見た目がおしゃれで美しい
    2. 豊富なバリエーション
    3. オタク心をくすぐるネーミング
    4. インク×万年筆×紙のマリアージュを楽しめる
    5. アナログのエモさがある
    6. 実はプチプラなものもある

    1 とにかく見た目がおしゃれで美しい

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    [エム文房具(@m.bunbougu)さんのインスタグラム投稿より]

    万年筆インクのパッケージはとにかくおしゃれで美しく、見ているだけでもうっとりしてしまう存在感を放っています。

    容器は大きく分けてカートリッジタイプとボトルタイプの2種類あり、携帯に便利なのはカートリッジタイプです。

    SNSで見かけるのは瓶に入ったボトルタイプが圧倒的に多く、形状やラベルのデザインに一目ぼれして「ジャケ買い」ならぬ「瓶買い」してしまう人も少なくありません。まるで香水瓶のような高級感を醸し出しているものまであり、ついついコレクションしたくなるデザインです。

    万年筆ファンからしたら邪かもしれませんが…インク瓶の美しさは、人をインク沼に引き込むには十分な理由といえます。

    2 豊富なバリエーション

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    [エム文房具(@m.bunbougu)さんのインスタグラム投稿より]

    バリエーションの豊富さも万年筆インクの大きな魅力です。一口に「黒」や「青」といっても各メーカーから多種多様な色のインクが発売されていて、好みや気分、TPOに合わせて楽しむことができます。

    定番以外にも季節限定カラーやご当地限定カラー、店舗限定カラー、イベント会場限定カラーなどもあり、コレクション欲は尽きません。さらに混色可能なインクを用いれば、自分だけのオリジナルカラーを作ることだってできてしまいます。

    万年筆インクのカラバリ(=カラーバリエーション)は無限といっても過言ではないでしょう。

    また、似ているものでもインクの種類や性能に違いがあるところも万年筆インクの面白さです。とにかくラインナップが豊富で、飽きる間もないのが沼たる所以かもしれません。

    3 オタク心をくすぐるネーミング

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    [エム文房具(@m.bunbougu)さんのインスタグラム投稿より]

    万年筆インクのカラー名は個性的なものが多く、オタク心をくすぐるネーミングの宝庫です。

    < iroshizuku-色彩雫シリーズ|PILOT>

    霧雨(kiri-same)・翠玉(sui-gyoku)・冬将軍(fuyu-syogun)など

    <KobeINK物語>

     六甲高山クリンソウ・星野異人館レッド・西神コバルトスカイなど

    <SHIKIORI-四季織-シリーズ|セーラー万年筆>

    匂菫(においすみれ)・時雨(しぐれ)・雪明(ゆきあかり)など

    <SHIKIORI-四季織-雨音シリーズ|セーラー万年筆>

    しとしと・ざあざあ・はらはら・ぽつぽつ

    <EDELSTEIN ®|PELIKAN>

    タンザナイト・サファイヤ・オニキスなど

    <HASE硝子工房>

    蛇口からめろん・蛇口からレモンスカッシュ・蛇口からむにゅなど

    <文具女子博オリジナル>

    ときめきのクリームソーダ・なつかしのナポリタン・夜カフェディープブルーなど

    ここに挙げたのはほんの一例ですが、なんだか小説のタイトルや映画のキーアイテムのような言葉が飛び交っていると思いませんか…?

    持っているだけで妄想が膨らんでしまいそうですよね!

    4 インク×万年筆×紙のマリアージュを楽しめる

    インク沼を一層深く広くしている理由の1つが、万年筆と紙の存在ではないでしょうか。

    インクの種類だけでも膨大にあるのに、万年筆(ペン)や紙との組み合わせによって色味や書き味、インクのにじみ方などが変わるというのです。

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    むにゅ(@munyu66)がシェアした投稿

    [むにゅ(@munyu66)さんのインスタグラム投稿より]

    こちらのインスタグラム投稿に使われているインク、違う色に見えるようですが実は全て同じ<trust U|TONO&LIMS Baby Color Line>という商品なんです!

    紙によってこんなに色味に違いが出るなんて驚きですよね…

    「コレとコレを組み合わせたらどんな風に書けるかな」と探求するのも楽しそうだし、自分にとってベストな組み合わせを発見したときの喜びはひとしおでしょう。

    5 アナログのエモさがある

    インク沼のイメージ5

    万年筆は一般的なボールペンや水性ペンなどと比べると手間がかかる筆記用具です。万年筆を使用するためにはインクを吸入させなければならず、2~3ヶ月に1回程度は万年筆を洗浄してお手入れをする必要があります。

    インクを入れたまましばらく使用していないと、ペン芯の中で固まってしまうこともあります。インクの方も、保管方法(冷暗所での保管が基本です!)を誤るとカビが生えたり、変質して色が変わってしまうこともあります。

    自分で「手仕事」や「手書き」をしなければ筆記用具として使うこともできません。それでも、万年筆と万年筆インクは多くの現代人たちから愛されています。

    万年筆がデジタル世代にも支持されるのは、そのアナログっぷりにエモさがあるからではないでしょうか。

    大正ロマンや昭和歌謡にも通じるレトロへの憧れと、アナログなものをあえて選んで使う心地よさ、ちょっとした優越感のようなものもあるかもしれませんね。

    6 実はプチプラのものもある

    万年筆や万年筆専用のインクというと、すごく高価なイメージを持っていませんか?実は万年筆の値段はピンキリで、数百円からでも手に入れることができるんです。

    もちろん数万円する立派なものもあるし、有名ブランドの高級品を狙うなら数十万円~数百万円程度、さらに上になると1億円以上(!)する超高級品まであります。

    ボトルインクは大体50ml前後で1,000円代~3,000円程度のものが多いです。手に取りやすいお値段の商品もたくさんあり、<iroshizuku-色彩雫シリーズ|PILOT>の15mlミニボトル3本セット2,310円(税込)や、<SHIKIORI-四季織-シリーズ|セーラー万年筆>の10mlミニボトル3本セット2,640円(税込)などは初心者にも人気です。

    高級なイメージがあるブランド・モンブランから発売しているスペシャルエディションボトルインクは50ml4,950円と少しお高めですが、限定品ともなるとネットオークションで数万円で売られていることもあるそうです。

    万年筆同様お値段の幅は広いとはいえ、手が届かない価格帯でもないのがインク沼のずるいところですね…!

    初心者はここから!インク沼の基本と楽しみ方

    インク沼のイメージ3

    ここからは、インク沼の基本知識と楽しみ方をQ&A方式でご紹介します。これから沼に足を踏み入れたいと思っている初心者さんはぜひ参考にしてください。

    Q. ボトルインクには使用期限があるの?

    A. 万年筆のボトルインクの使用期限は2~3年が目安といわれています。

    ただし、あくまで目安でメーカーや個人の使用方法によっても変わってきます。正しい方法で保管していても長期保管によって徐々に水分が蒸発し、インク詰まり(煮詰まり)の原因になってしまうこともあります。

    Q. 染料インク・顔料インク・古典インク(没食子インク)と違いって?

    A. 耐水性やメンテナンス性などの特性が違います。

    最も一般的なのは染料インクで、ラインナップが豊富で扱いやすいので初心者にもよくおすすめされます。各インクの主な特徴は以下の通りです。

    種類

    特徴

    染料インク

    〇発色が良くラインナップが豊富

    〇水に溶けやすくメンテナンスが比較的簡単

    ×にじみやすく光によって色褪せしやすい

    顔料インク

    〇水に強くてにじみにくい

    〇耐光性があり長期保存に向いている

    ×水に溶けにくいため乾燥して詰まると最悪の場合修理が必要

    古典インク(没食子インク)

    〇水に強くてにじみにくい

    〇耐光性があり長期保存に向いている

    〇書いた後も酸化による色の変化が楽しめる

    ×鉄分の含有量やペン先の素材によっては腐食してしまう恐れがある

    Q. 「インクフロー」って何?

    A. 紙に書いたときにペン先から紙へと流れるインク量のことです。

    インクフローは書き味や文字の仕上がりに大きく影響します。インクフローが弱いと色が薄かったり文字がかすれたりしてしまいますが、インクフローが強すぎるとにじんでしまいます。

    ただし、ゆっくり書いたときにインクがたっぷりと出るだけではインクフローが良いとはいえません。ササッと早く書いても文字がかすれず、筆記速度に関わらず適切な量のインクが流れる状態が「インクフローが良い」といわれます。

    Q. 万年筆と万年筆インクの組み合わせはどうやって選べばいいの?

    A. 同メーカーから発売されている純正品を使うのが基本です。

    万年筆インクの成分や配合量はメーカーごとに調整されています。一般的には自社の万年筆がベストパフォーマンスを出せるようなインクを開発するため、迷ったら同じメーカーで組み合わせれば間違いはないといわれています。

    メーカー以外によくいわれるのが、同じ原産国の万年筆とインクを組み合わせて使うというものです。文字や筆記文化、気候などは国によって違うため、同じ国出身同士であれば概ねそれに対応した仕様になっているだろうというのが理由なのだそう。

    これについては明確になっておらず諸説あるそうですが、組み合わせに悩んだら試してみても良いかもしれませんね。

    Q. 万年筆初心者に人気のプチプラ商品はある?

    A. カジュアル派なら<kakuno(カクノ)|PILOT>や<safari(サファリ)|LAMY>、スタイリッシュ派なら<cocoon(コクーン)|PILOT>など。

    初心者へおすすめの万年筆は?という話題にほぼ必ず登場するのが、パイロットの<kakuno(カクノ)>です。大人だけでなく子供の書き方教育にも人気が高く、最適なポジションで筆記をしやすいデザインになっています。お値段も1,100円(税込)とお手頃なので、入門用にはぴったりでしょう。

    カラフルな樹脂製ボディが特徴のラミーの<safari(サファリ)>は、カジュアルながら機能性も兼ね備えた定番人気商品です。4,400円(税込)と比較的お手頃で、普段使いに持ち歩きたくなる1本です。

    スタイリッシュなデザインが好みであればパイロットの<cocoon(コクーン)>3,300円(税込)がおすすめです。

    ちなみに、万年筆初心者によくおすすめされるのは、大手文具メーカーから発売されている1,000円~5,000円程度のものです。

    万年筆は「万年(使える)筆※」という呼び名の通り、一生ものといわれることが多いです。しかしお手入れ方法や使用環境によっては数年で不具合が生じる可能性もあり、アフターフォローの点から考えると初心者は大手老舗メーカーのものの方が安心感があるのです。

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    [takapi(@pen.takapi.pen)さんのインスタグラム投稿より]

    万年筆以外では、つけペンとして手軽に使える「ガラスペン」も人気です。

    ※「万年」は「永年・長い間」という意味があるとされていますが、「いつも・常に」という説もあります。

    Q. 「タミヤする」って何のこと?

    A. 万年筆インクを瓶などに移し替えておすそ分けすること。

    「タミヤする」の「タミヤ」は、ミニ四駆やプラモデルで有名なあの「タミヤ」のことです。

    それが一体なぜ万年筆インクをおすそ分けすることに繋がるのかというと、タミヤ社製の「スペアボトルミニ(角ビン) 」という商品がインクの譲渡&保管にもってこいの商品だからです。

    通称タミヤの角瓶は、容量10mlでキャップには密閉力の高い中栓が付いています。もともと着色用に調色した塗料などを保管する用途で作られているので、インクの長期保管には最適。小型でおすそ分けに丁度良いサイズで、転倒しても液漏れのリスクが低く、角型のため収納しやすい点も支持を集めている理由です。

    大瓶のインクがなかなか使いきれない(それでも新しいインクは集めたい)という悩みを抱えるインク沼民にとって、タミヤの角瓶はまさに救世主。

    タミヤの各瓶を使って手持ちのインクを交換しあうことで着々とコレクションを増やしたり、まだ沼入りしていない知人を沼に引き込んだりすることができる便利アイテムなのです。

    Q. 今話題のインク沼グッズはある?

    A. からっぽペン、スキナイロイレテーナ、インクカード、空インクボトル、などなど。

    <からっぽペン>は、インクが入っていない空っぽのペンです。文具メーカー・呉竹が「文具女子博2019」で前身の商品を限定発売したところSNSで拡散され、正式に商品化。その後も飛ぶように売れ、数々の賞を受賞したことでも話題になりました。

    使い方は簡単で、綿でできた芯(またはカートリッジ)にインク※を入れるだけ。オリジナルインクでオリジナルカラーペンが作れるというインク好きにはたまらなく楽しい仕様になっています。

    同じく呉竹から発売されている<スキナイロイレテーナ>は、自前の万年筆インクや水性インクをラインマーカーや細ペンに変身させて使うことができる商品です。1本で2色入れることができ、手帳用などにも便利です。

    <インクカード>は、万年筆インクの色味や書き味などをめもしておくことができるカードで、様々な文具メーカーから発売されています。近頃はデザインも色々で、プリントの上から筆を使ってインクを塗りたくるだけでアートカードのようになると人気です。

    2021年にセーラー万年筆から登場した<空インクボトル10ml>は、セーラー万年筆のインクのシェアや携帯に使える専用ボトルです。中身がメモできる専用ラベル付きで管理しやすく、ロット販売もしています。

    タミヤの角瓶に比べるとお値段は張りますが、万年筆インクの使用に特化した構造と見た目の高級感はこちらに軍配があがるでしょう!

    ※呉竹では「ink-café 私のカラーインク作り」「ink-café おうちで楽しむ 私のカラーインク作り」で作成したインクの使用を推奨しています

    奥深きインク沼の世界

    インク沼のイメージ1

    調べれば調べるほど奥が深いインク沼の世界。一生モノの趣味になる覚悟で、ぜひ足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?

    文/黒岩ヨシコ

    編集/inox.

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