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VR、あかりのゆらぎ、禅&メタバース、続々と登場するマインドフルネスの最新ビジネス3選

2022.09.30

近年、ビジネスパーソンの間で話題になっているマインドフルネス。今の自分の状態に意識を向けることで心を整えるという方法のことで、すでに日課として取り入れている人もいるかもしれない。ここでは、マインドフルネスをビジネスに新しい切り口で取り入れている活動やサービスをピックアップして紹介する。

1.ビーライズ「マインドフルネスVR-SELENE-」

メタバース関連のブームでより身近になっているVR(バーチャルリアリティ)。それをマインドフルネスに取り入れるサービスを展開する企業がある。XR領域でバーチャルワールド活用サービスを提供する株式会社ビーライズだ。

「マインドフルネスVR-SELENE(セレネ)-」は、法人向けに、従業員のメンタルヘルス対策としてのメンタルヘルスソリューションとして開発されたもの。今年の夏より提供開始した。

もともと、マインドフルネスは瞑想や呼吸法を通して行うストレスマネジメント方法の一つとして、企業で実施されている。マインドフルネスは、生産性の向上やストレスの軽減、感情のコントロール、職場におけるストレス対策などが期待されるものだ。

「マインドフルネスVR-SELENE(セレネ)-」は、そのマインドフルネスを継続実施するのに最適な環境として、ヘッドマウントディスプレイをかぶり、VRの世界へ没入しながらマインドフルネスに取り組むことが可能となる。

さらに、管理側はチャットを用いた進捗管理とメンタルチェック機能により、従業員にマインドフルネスの習慣化を促すことができる。

●開発背景

同社の企画開発部 部長 石原裕輝氏は、開発背景について次のように述べる。

「2015年から多くの企業でストレスチェックシートの実施が義務化され、企業におけるメンタルヘルス・マネジメントは非常に重要な課題の一つになっています。当社はXR企業として、これまで様々な業種業態へのXRソリューションを提供してきました。本サービスは、これまで培ったXRノウハウを活用し、本課題解決をするために誕生しました。マインドフルネスに取り組んだことがないビジネスパーソンでも、誰でも簡単に継続できるようにしています」

●従来のマインドフルネスと比較したメリット

従来のマインドフルネスと比べてどのようなメリットが得られるのだろうか。

「マインドフルネスは気軽にできるメンタルヘルス・マネジメント方法の一つではありますが、スマホやテレビなど、様々な誘惑がある現代社会では初心者が継続して行うにはむずかしい環境かと思います。本サービスでは、VRの特徴である没入感により、初心者でもヘッドマウントディスプレイをかぶるだけでマインドフルネスに最適な環境を提供し、マインドフルネスの継続を支援します」

●利用者の感想

VRの中でマインドフルネスを行ったユーザーからは、どのような声があるのだろうか。

「『いつもより時間が短く感じる』や『この世界にもっといたい』など、体験者からは好意的なご意見をいただいております。法人向けのサービスになっておりますので、今後は運用者からのご意見も多く聞くことができればと思います」

●今後の展望

本サービスは、法人向けサービスとして始まったばかりの事業だが、今後はどのような展望があるだろうか。

「今後、数多くの企業様に提供させていただき、本サービスを通してマインドフルネスに取り組む方が増えていただければと思います。また直近では大学と共同研究を実施し、マインドフルネスVRの効果検証に注力する予定です。VRによるマインドフルネスの効果を客観的に示し、ご体験いただく前でも効果にご納得いただける環境づくりを目指していきたいと思います」

こうしたサービスが誕生するほど、マインドフルネスは、本格的に従業員のメンタルヘルスケアに役立てられているということ。その没入感により、どのような効果が表れるのか気になるところだ。

2.パナソニック LEDシーリングライト搭載「マインドフルネスモード」

パナソニックは、今年9月1日に発売したパルック LEDシーリングライト「ライフコンディショニングシリーズ」において、ゆらぎのあかりや瞑想曲を取り入れた「マインドフルネスモード」を搭載した。

そもそもこのLEDシーリングライトは、仕事に取り組みやすい環境にしたり、くつろぎやすいリラックス空間をつくったりなど、シーンあったに快適なあかりを提供するほか、光と音でセルフケアの新習慣を提案している。

そのうちの一つの機能が、マインドフルネスモードだ。光のゆらぎと共に、照明器具に搭載されたスピーカーから流れる音楽や音、音声ガイドを通じて、マインドフルネス瞑想をおこなう環境を整える。

この機能は、早稲田大学 人間科学学術院 熊野宏昭教授の監修のもと「深呼吸」「集中力の瞑想」「気づきの瞑想」、「普段の生活への復帰」の4つのフェーズで構成されている。約7分の「ノーマルコース」、約5分の「ショートコース」の2種類があり、その日の気分や予定にあわせて時間を選択することができるという。

この機能について、パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社 ライティング事業部 マーケティングセンター水田健介氏に話を聞いた。

●開発背景

今回、マインドフルネスモードを搭載した狙いを教えてください。

「パナソニックでは『ただ明るく』するだけではなく、『くらしを整える』という新しい照明の価値を提案したいと考えています。これを体現した商品が2022年9月に発売したパルック LED シーリングライト『ライフコンディショニングシリーズ』です。マインドフルネスモードは、同商品のくらしを整える機能の一つとなります。

パナソニックでは、仕事、家事、子育てと、何かと忙しい現代人がくらしを整える中で、自分と向き合う時間も大切だと考えました。そこで、照明を通じて日々のセルフケアをサポートする方法として、マインドフルネス瞑想に注目。光と音楽・音声ガイドで、初めての方でも手軽にマインドフルネス瞑想ができる機能を搭載しました」

●従来のマインドフルネスと比較したメリット

マインドフルネスモードを利用することで、普通に自宅でマインドフルネスを行うのと比べ、どのようなメリットがあるだろうか。

「マインドフルネスモードは、専門家の監修のもと4つのフェーズで構成されており、それぞれのフェーズにあった光と音楽、さらには音声ガイドを通じて、視覚と聴覚の両方にアプローチして瞑想環境をサポートします。光と音で瞑想しやすくマインドフルネスになりやすいことも実証されています。

また、時間も約7分・約5分と2つのコースを用意しており、短い時間で生活に取り入れやすいことと特別な準備をする必要がないのもポイントです。事前に動画や音楽を探したり選んだりすることなく、アプリのモードをタップもしくはスマートスピーカーで音声操作するだけでスムーズにマインドフルネス瞑想をスタートすることができます」

●今後の展望

今後、どのような展望があるだろうか。

「人々のくらしや価値観が変わり、これまでの常識も加速的に変わる今、これからのあかりはただ『明るくする』だけでなく新しい働き方や過ごし方にあわせたお役立ちを提案できると考えています。今回住宅“空間”を演出するだけでなく“人”の『くらしを整える』という新しい価値の提案もその一つです。パナソニックでは、今後も未来のくらしの定番となるような製品、サービス、ソリューションを生みだしていきます」

自宅で行うマインドフルネスは、一つの生活ルーティンとして、寝る前のリラックスタイムの一つに組み込んでいる人もいるだろう。そのような生活に溶け込んだマインドフルネス瞑想が、このマインドフルネスモードが支えてくれるようだ。

3.三木康司氏 禅とメタバースを組み合わせ、マインドフルネス瞑想を実践

続いては、マインドフルネスに関して特徴的な活動をしている専門家の取り組みに注目。

株式会社enmono 代表取締役で一般社団法人Zen2.0代表理事の三木康司氏だ。

主宰する「Zen2.0」は、毎年、北鎌倉の建長寺で開催される世界最大の禅とマインドフルネスの国際カンファレンスだという。現在は、鎌倉を禅とITの融合したマインドフルシティにするために活動している。

【取材協力】

三木康司氏
富士通株式会社に入社。ITベンチャー役員を務めた後、リストラを経験し、うつを発症。克服のため坐禅を開始。坐禅を通して着想した経験をもとに、イノベーション経営手法「zenschool」の提供開始。
Zen2.0:https://www.zen20.jp/

●マインドフルネスを活かす取り組みの背景

自身の活動全般にマインドフルネスを活かそうと考えたきっかけとは? 三木氏は次のように答える。

「私は2008年のリーマンショックにより、役員として務めていたIT企業の業績が悪化し、リストラという憂き目にあいました。その直後体調に変化があり、うつを発症してしてしまいました。なんとか、自分の心をとりもどすため、自宅で坐禅をみようみまねで試みましたがうまくいきませんでした。

そこで、その当時のYouTubeで『心の落ち着く方法』を検索したところ、何本かの坐禅の動画がでてきました。残念ながら、日本人の僧侶の坐禅指導の動画は、坐禅のかたちのことばかりで、心の説明がなかったのですが、ある米国人の青年の坐禅の説明動画は、坐禅の形のことだけではなく、坐禅の最中に起こる心の変化などもくわしく説明されており、その動画を見て、坐禅を学びました。

その坐禅を続けるなかで、次第に心の安定を得て、うつは解消されていきました。そして、自分の心が安定してくると、不思議なことに、坐禅の最中にたくさんのビジネスのアイデアが浮かんできたのです。坐禅の最中に心のなかに浮かんでくるビジネスアイデアを、どのようなプロセスで形にしていくのかということで、12年探求して生み出したイノベーション手法が『True Innovation』という理論です。これに基づいて、数々のイノベーティブなビジネスが生み出されています。

その経験をもとに、マインドフルネスを活用したイノベーション経営手法『zenschool』を提供開始し、スクールも始めました。学んだ卒業生の中にはSKYDRIVEという空飛ぶ車を生み出した起業家や、日本人・民間人として世界で初めて開発した月面探査車が、今年中に実際に月面に到着予定の、ものづくりベンチャー企業などがあります」

新型コロナが発生した2020年からはマインドフルネスをメタバースの空間でおこない、アイディアを取り出す「zenschoolメタバース」としてメタバースを活用した新規事業を数々生み出しています。

メタバースの中の「禅堂」で開催されるイノベーションワークショップ「zenschoolメタバース」

●目指していること

zenschoolやZen2.0などを通じて、どのようなことを目指しているだろうか。

「人の心の変容が、イノベーティブなビジネスになったり、アートになったりと様々な事象をこの世の中に生み出していっています。この人間の心のあり方、世界の認識の仕方を変えることで、世界に大きなインパクトをもたらせるということを、多くの方々に楽しみながら理解していただくためにZen2.0を生み出しました。

禅というと、堅苦しくて、厳しいイメージがあると思われがちなのですが、『安楽の法門』といわれており、『究極のくつろぎ』を生み出すものというのが本来の坐禅のあり方なのです。この究極にくつろいで、リラックスした状態を坐禅により作り出すことで、心はより自由に、クリエイティブになっていきます。このクリエイティブな心が世界にインパクトを与えるという可能性をzenschoolやZen2.0を通して多くの方々に知っていただきたいと思っています」

毎年、鎌倉建長寺にて行われる世界最大の禅とマインドフルネス国際カンファレンス「Zen2.0」

●鎌倉をマインドフルシティに

今後、鎌倉を禅とITが融合したマインドフルシティにするために活動をしているという。その構想・ねらいとは?

マインドフルシティ鎌倉は、持続可能性を大切にしている豊かな海と山に抱かれた街システムを備え、慈愛の心・直感力・創造性といった歴史の中で積み上げられた「和の叡智」と、多様な人々の可能性と繋がりを感じられる街となり、人間の可能性を引き出しアップデートする、さまざまな要素技術が創出されるテクノロジーが活用され、さらに「心」が重要な資本となる「マインドフルな経済エコシステム」の構築が目指されている。

「毎年のZen2.0開催を中心に、世界のさまざまな禅・マインドフルネスに関心を持った科学者・アーティスト・プラクティショナー・経営者・エンジニアを集め、それらの方々が教えるアカデミー的な教育機関を鎌倉に設立します。

これまでの、製造業を中心とした日本の産業構造の次のステージである、人間の心の可能性を花開かせる『マインドフルビジネス』の一大集積地として鎌倉を変革させ、鎌倉から世界にウェルビーング・マインドフルネス・人工知能などの企業群を排出していくことを目的としています」

自身の個人的なマインドフルネス瞑想により生み出されたビジネスアイデアが、今や世界に広がっている。マインドフルネスの威力と大きな可能性を感じざるを得ない。

マインドフルネスはいま、ビジネスに積極的に取り入れられている。個々が行うマインドフルネスは、ただの癒しに終わらない、何かに発展する可能性があることがわかった。

取材・文/石原亜香利

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