「滅茶苦茶」という四字熟語の中には、「滅茶(めちゃ)」という言葉が入っています。滅茶には、どのような意味があるのでしょうか?単体で使ったときの意味や語源について解説します。滅茶苦茶の類語や、対義語も見ていきましょう。
よく使う「滅茶」の意味や語源とは?
書き言葉としても話し言葉としても、「滅茶」はよく使われる言葉です。意識せず使っている人もいるでしょう。主な意味合いや、語源について解説します。
「滅茶」の意味
「滅茶」は、「めちゃ」または「めっちゃ」と読みます。「目茶」と表記されることもありますが、どちらも当て字とされます。程度がはなはだしい様子を指す言葉で、「とても」「大変な」「非常に」といった意味を持ちます。
くだけた表現で「めっちゃ」「めちゃくちゃ」がありますが、書き言葉と似た意味です。「めっちゃ疲れた」「めっちゃ大変」など、さまざまなシーンで使われます。話し言葉の「めっちゃ」「めちゃくちゃ」は、「とても」「すごく」と似たような意味合いです。
「滅茶」の語源
「滅茶」は、「無茶」が変化して生まれた言葉と言われています。滅茶苦茶(めちゃくちゃ)と似た言葉に「無茶苦茶」がありますが、どちらも「筋道の立たないこと」を意味する熟語です。
無茶には「度を越した様子」という意味があり、「無茶をする」「無茶を言うな」のように使われます。無茶の語源にはいくつかの説がありますが、仏教用語の「無作(むさ)」から発生したといわれています。無作は、「ありのまま」「自然のまま」などを表す言葉です。
「滅茶」の使い方
「滅茶」という言葉は、使い方や対象によって意味合いが少し変化します。一般的な使い方を、それぞれ見ていきましょう。ポジティブな使い方、ネガティブな使い方で印象が変わります。
ポジティブな使い方
「滅茶(めっちゃ)」には、ポジティブな意味合いがあります。続く言葉に影響を受けるものの、話し言葉としては良い意味で使われることも多いでしょう。
「めっちゃおいしいデザート」「めっちゃかわいいぬいぐるみ」など、「とても」「すごく」を表す「滅茶」は、ポジティブな使い方です。
「ずば抜けて素晴らしい」「飛び抜けている」といった意味合いで使われるパターンは、ポジティブな表現と言えるでしょう。「めっちゃ」だけでなく、「めちゃくちゃかわいい」など、滅茶苦茶をポジティブに使うケースもあります。
ネガティブな使い方
「滅茶」を単体で使う場合、後に続く言葉が悪い意味合いであれば、ネガティブな使い方になります。「めっちゃ悪い人だった」「めっちゃ悔しい」などの使い方は、「とても悪い」というイメージを含んでいます。
そのほか、「滅茶苦茶」には、無謀な行動やひどい要求を指す意味合いがあります。「滅茶苦茶な量を食べてしまった」「彼の言っていることは滅茶苦茶だ」のように使うと、ネガティブな方向に度を越している印象が強くなるでしょう。
四字熟語「滅茶苦茶」の類語
「滅茶」を使った熟語は複数あり、似た意味を持っています。どのような言葉があるのでしょうか?滅茶苦茶以外によく使われる類語を紹介します。
「破茶滅茶」「無茶苦茶」
「破茶滅茶」や「無茶苦茶」は、度を越した様子や話の筋道が通らないことを指します。
「破茶滅茶」は人の行動や騒々しい様子を意味することが多く、型破りな人や常識から逸脱した状態を意味する言葉です。「彼は破茶滅茶な人だが、仕事はできる」「あの漫画は破茶滅茶なストーリーだ」のように使われます。
「無茶苦茶」も「破茶滅茶」と意味が似通っていますが、どちらかというと「滅茶苦茶」と似た使い方です。「あの人の言動は無茶苦茶だ」という道理を外れた様子を意味する使い方が一般的でしょう。「むちゃくちゃ格好いい人」のように、めちゃくちゃと同じ意味の話し言葉として使われることもあります。
「支離滅裂」
「支離滅裂」は、話や行動の筋道が立たず、ばらばらになっていることを意味します。「支離」には「分かれる」「離れる」という意味があり、「滅裂」は破れて裂ける様子を表す言葉です。
「滅茶苦茶」をネガティブな意味で使う場合、支離滅裂と似た印象があるでしょう。しかし、支離滅裂には、話し言葉として「ずば抜けている様子」を指すポジティブな意味合いはありません。
支離滅裂は、主に人の言動・行動に一貫性がないときに使われます。例えば、「あの人は、言っていることとやっていることがまったく違って支離滅裂だ」のような使い方です。
四字熟語「滅茶苦茶」の対義語
滅茶苦茶には、対義語もあります。滅茶苦茶には多くの意味が含まれているため完全な反対語にはなりませんが、一般的に使われる対義語を見ていきましょう。
「理路整然」
「滅茶苦茶」という言葉の中には、「物の道理から外れている」「筋道が立っていない」という意味があります。その意味合いでの対義語は、「理路整然」です。どちらかといえば、滅茶苦茶の類語である「支離滅裂」の対義語・反対語が「理路整然」といえます。
理路整然の主な意味は、「道理に当てはまっている様子」や「筋道立った矛盾のない内容」です。「彼の話すことは理路整然としている」のように人の言動に対して使われることが多く、文章や思考に綻びがないことを意味します。ポジティブな意味合いで使われる言葉です。
構成/編集部