ビールの泡は、日本の住宅事情と密接な関係があるかもしれない。
というのも、本格的なサーバーを置きたいが狭い部屋のせいでそれは叶わぬ夢……ということもあるはずだからだ。
筆者はのびのびした静岡市の在住だからまだマシかもしれないが、コンクリートジャングルのような大都市東京の只中で暮らしている人はどうか。
モリッとした泡を含んだビールを、狭い自宅で飲みたい。
そうした夢を叶えるガジェットが、Makuakeに登場した。
手のひらサイズのビールサーバー?
韓国から筆者の自宅に『AYAビールラテ』なるものが届いた。
これはビールサーバー……と書いてもいいのだろうか。まるでワイヤレス充電パッドのような見た目と大きさで、それよりも大きなパーツは見当たらない。
そもそもこれは「手軽に持ち運べるガジェット」とのことだ。
つまり、こういうことである。この『AYAビールラテ』をビール缶もしくは瓶の口に設置して、コップに注ぐ最中に4万回/秒の超音波振動子でビールを泡立てるという仕組みだ。
な、なるほど……よく考えたものだ!
超音波でビールの泡を作ろうという設計の製品は、他にも存在する。が、此度の『AYAビールラテ』ほど小さなものは筆者は見たことがなかった。確かにこれなら部屋が広くなくても、特に問題なく使用できるはずだ。
というわけで、早速使ってみよう。
ビールがないからレモンサワーで
ところがここで、大きな問題が。
筆者の自宅にビールがない!
実は筆者は、ビールというものをあまり飲まない。酒といえばワインやラムやウイスキーやジンといったもので、ビールは嫌いというわけではないが能動的には飲まない。
というわけだから、自宅の冷蔵庫にはワインのボトルとこの缶しかなかった。
キリン『発酵レモンサワー』。び、ビールじゃねぇじゃん!
ま、まぁ仕方ないだろう。ここはとりあえず、この『発酵レモンサワー』で試してみるしかない。というわけで『発酵レモンサワー』の缶の上部に『AYAビールラテ』を設置し、スイッチオン。
この状態でコップに注いでみる。すると、中身がいかにもサワーらしく「ジュワジュワ」と豪快に発泡し、ピチピチと細かい飛沫を上げるではないか!
試しに『AYAビールラテ』を外した状態でも注いでみたが、この場合は殆ど発泡しない。つまり「ジュワジュワ」は『AYAビールラテ』が作り出したもの、ということになる。
これ、居酒屋の店員がサーバーでレモンサワーを注いでくれる時と同じ光景じゃないか! うっほぉ! この泡だよこの泡!
居酒屋の酒が恋しい!
とある食品メーカーの役員が、「宅飲み需要は今後も続くでしょう」と公言していた。
新型コロナウイルスとの戦いはようやくゴールが見えるところまで行ったものの、今度はウクライナでの戦争や円安の影響で急激な物価高が発生してしまった。これは我々の可処分所得が減っていくということと同義である。
従って、外で飲むより自宅で缶ビールや缶チューハイを空けたほうが安いから、当面は宅飲みを余儀なくされるだろう……という観測である。
だが、居酒屋のビールやチューハイは家で飲むものとはやはり違う。
それはつまるところ「設備の違い」に行き着くものであり、あのでっかいサーバーを自宅に置くのが最善の選択肢である。が、そのような豪快なことができる人はそう多くはない。
だからこそここは、『AYAビールラテ』でジュワジュワのサワーや泡モリモリのビールを楽しもうということだ。
ますます難しくなる「外飲み」
さて、この記事を書いている最中に、大手メディアの記事では「酒類の価格改定」の話題が躍っている。
10月出荷分から、ビールや缶チューハイを含めた大手メーカーの酒類が高いもので10%以上の値上げが実施される。
これは「宅飲み直撃」と言われているが、業務用即ち居酒屋が取り扱うビールは尚更である。残念ながら、外飲みはますます難しくなるだろう。
では、この経済状況がいつ好転するのか。そのあたりは経済ジャーナリストではない筆者が言及できることではない。
が、どうやらこの苦境は当分続くだろうということは分かる。
それを乗り切る活力を、モリモリの泡が乗ったビールやジュワジュワのレモンサワーで得ることができれば最高じゃないか!
宅飲みを何倍も楽しく!
『AYAビールラテ』は、Makuakeにて4,500円からの予約を受け付けている。
やはり、本格的なビールサーバーに比べると非常に安い。そして『AYAビールラテ』の作り出す泡は、サーバーに勝るとも劣らないものだということを再度強調させていただこう。
酒は適量さえ守れば薬になる。明日をまた元気に生きるための活力剤である。そして『AYAビールラテ』は、宅飲みを何
倍も楽しく美味しくする「生活必需ガジェット」とも呼べるものだ。
世界はまだまだ面白いガジェットに溢れている。
今までの生活を少しだけ豊かにする製品は、意外と身近なところにあるかもしれない。
それをテストし、優れたパフォーマンスを目の当たりにして記事を執筆する仕事が楽しいと、最近の筆者は骨の髄まで感じている。
【参考】
たった10秒でクリームのような泡が完成!クリームビール泡立て器、AYAビールラテ-Makuake
取材・文/澤田真一