9月16日、iPhone 14シリーズが発売となった。iPhone 14、iPhone 14 Pro、iPhone 14 Pro Maxの販売が開始されている。
iPhoneの発売日といえば、かつては前日から店舗前に行列を作り、オープン時はスタッフとハイタッチして入店するというのが恒例だった。しかし、コロナ禍で行列はなくなり、購入には事前の予約が必要になった。キャリアのショップでも社長や芸能人が登場するような華やかな発売イベントはなくなっている。
しかし今年の発売日は、アップルの店舗前に、往年よりはかなり短いものの、行列ができた。店舗がオープンする午前8時になると、店舗のスタッフがマスクをしていても分かる笑顔と拍手で迎えた。入店人数の制限もあまり厳しくない印象を受けた。なお、事前に予約をせずに並んでいる人もいたが、すぐに購入できるわけではなく、店舗で予約の作業を受け付ける形だという。
東京・渋谷のApple 表参道。短いながらも行列ができており、報道関係者も集まっていた。
アップルの店舗でキャリアの契約込みで購入すれば8800円割引
アップルの店舗ではなぜ行列ができたのか。いち早く手に入れたいというアップルファンはもちろんいるだろうが、アップルの店舗で新しいiPhoneにドコモ、au、ソフトバンクの通信契約(新規はもちろん、MNPや機種変更も)を紐付けると8800円割引で購入できることが周知され始め、それを狙ってきた人も多そうだ(事務手数料はかかる)。筆者も割引に期待して店舗での契約手続き込みのiPhone購入を予約したが、予約可能な空き時間が少なく少々苦労した。
キャリアはオンラインショップで買った方がお得
一方、携帯電話会社のショップでは行列は見られなかった。8時にオープンしたところも多かったようだが、筆者がチェックしたソフトバンクショップはオープン直後という理由もあるだろうが、お客さんはいなかった。キャリアの端末はオンラインショップで購入した方がお得になる場合が多いからだと思われる。例えば、auには「au Online Shop お得割」があり、オンラインショップで新規契約の場合は1万1000円割引、MNPだと2万2000円割引になる。ソフトバンクには「web割」があり、オンラインショップでMNPで買うと2万1600円割引になる。また、ドコモとソフトバンクはオンラインショップで購入すると事務手数料がかからない。ちなみに、楽天モバイルはオンライン、店舗に関わらず事務手数料が無料だ。
Apple 表参道のオープン後、近くのソフトバンク表参道をチェックしたが行列はなし。
大手キャリアはオンラインショップで購入した方がお得な場合が多い。
心配されていた転売だが、対策がされていてそれなりの効果があったようだ。日本は円安傾向が続いているため、日本で販売される新iPhoneはグローバルで見ると安く、転売を目的として購入する外国人が押し寄せるのではと懸念されていた。実際、アップルの店舗では、発売日前日から外国人が集まっていたところもあったようだ。それに対し、支払い方法を限定するといった対策が取られたという情報もある。筆者が出向いた東京渋谷区のApple 表参道では転売目的らしき人影は見られなかった。
なお、筆者の周りでは、(筆者も含め)iPhone 14 Proのディープパープルを購入している人が多かった。10月7日に発売となるiPhone 14 Plusは、iPhone 14 Pro Maxと同じ6.7インチのディスプレイサイズながら機能はiPhone 14と同等で価格が抑え目なので、こちらを狙っている人も多そうだ。
アップルの店舗でキャリアの契約込みで購入し8800円割引。ただし、事務手数料はキャリアから後日料金とともに請求される。
取材・文/房野麻子