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ホンダのスポーツセダン「シビック e:HEV」はインテリでスマートな優等生だった!

2022.09.21

1972年の初代登場以来、今年で50周年を迎えた、世界累計約2700万台を販売したホンダの基幹車種、グローバルモデルがシビックだ。初代はCVCCという、第一次オイルショックに対応する低公害エンジンを搭載し、一躍、世界的ヒット作となった。当時のボディサイズは全長3500mm前後、車幅1505mmとコンパクト。2代目はスーパーシビック、3代目はワンダーシビック、4代目はグランドシビック、5代目は1991-1992年日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したスポーツシビック、ミラクルシビックなる6代目もまた1995-1996年日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。7代目はスマートシビックと呼ばれ、この世代までの日本仕様は全幅1695mmの5ナンバーサイズであった。シビック=コンパクトなクルマとイメージできるのはここまでということになる。

11代目シビックのエンブレム

8代目はすでにフィットが存在したことからミドルセダンとして位置づけられた4ドアモデルのみとなり、ついに全幅1750-1755mmの3ナンバーサイズになっている。そして5ドアハッチバックとなった9代目の日本仕様は今では伝説となったタイプRのみの展開だった。

そんなシビックが大きく変化、進化したのが2015年に登場した10代目。まずは北米で発売され、ボディサイズも拡大。全長4520×全幅1800×全高1435mm(ハッチバックの数値)となり、見た目の高級感、存在感を一気に増していた(日本での発売は2017年秋から)。ラインナップはメインのハッチバック、セダン、英国から逆輸入され、即、完売したタイプRの3車種であった。

さて、現行モデルの11代目、”爽快シビック”は2020年6月にワールドプレミアされ、ハッチバックのみとなった日本仕様は2021年9月に発売。当初は182ps、24.5kg-mを発揮する1.5Lエンジン+CVT & 6MTモデルで登場(いずれもハイオクガソリン仕様)。

そして今回試乗したのが、2022年6月に加わったシビックe:HEVモデルである。新開発された世界トップレベルの熱効率41%を誇る2L直噴エンジンと、進化した2モーターのスポーツe:HEV=ハイブリッドを組み合わせ、そのスペックはエンジン141ps、18.6kg-m、モーター184ps、32.1kg-m、WLTCモード燃費24.2km/L(レギュラーガソリン仕様)というものだ。

勘違いしてほしくないのは、e:HEVモデルとはいえ、エコ優先のハイブリッドモデルではないということ。ガソリン車同様の235/40ZR18サイズのタイヤを履く、スポーツe:HEVモデルなのである。価格はモノグレードで394万200円だ。

e:HEVゆえに、モーター走行を基本とし、EVモード、ハイブリッドモード、エンジンモードをシームレスに使い分けるのはほかのホンダe:HEVモデル同様だが、ドライブモードのSPORTモードではアクティブサウンドコントロールによってエンジン回転とシンクロさせた快音を響かせてくれる演出、ドライバーの感覚に合わせた加速感をもたらすダイレクトアクセル、リニアシフトコントロールといった凝った高精度制御まで搭載されているのが、スポーツモデルとしての大きな特徴だ。

そんなシビックe:HEVモデルの運転席に乗り込めば、そこはデザイン性に富む、前方はもちろん、斜め前方の視視界にも優れた心地よい空間だった。とくに、エアコン吹き出し口をあしらうハニカム状の加飾がインテリアの洗練度をUPさせ、先進感あるスイッチタイプのエレクトリックギアセレクター(使いやすさはともかくとして)が新時代のシビックを印象付ける。

走り出せば、7代目以前のシビックとは別世界の上級感、高級感ある走りに唸らされる。出足からのモーターによる加速感は素晴らしくスムーズでトルキー。18インチタイヤを履いていながら、乗り心地も実に洗練されたものと言っていい。そしてe:HEVモデルだから巡行時は極めた静かだ。つまり、かつてのシビックの概念を覆す高級車的乗り味と言っていい。「ずいぶん立派に、大人になったなぁ、シビックよ」と、昭和の時代からクルマの乗り続けている筆者は思うわけである。

が、e:HEVだからといって、燃費や経済性優先のハイブリッドモデルでないことは、走り始めてすぐに気づくはずだ。ドライビングフィールは上質にしてスポーティ。パワーステアリングは終始、ズシリと重く、アルミペダルを深々と踏み込めば、まるでマニュアル車でシフトを操り加速しているようなステップアップシフト感、快感とさえ表現できる豪快なパワーの盛り上がりを、例のリニアシフトコントロールの高度な制御によって感じ、興奮することができる。そう、極めてマニュアル感のある気持ち良さ抜群の加速フィールが演出され、味わえるというわけだ。

操縦性もスポーティだ。そもそも全高が1415mmと低いことに加え、自慢のフロントストラット、リヤマルチリンクのサスペンション、そしてe:HEVの新世代リチウムイオンバッテリーの床下配置による低重心化によって、直進状態、コーナリング状態、高速走行状態を問わず、まるで地を這うようなフットワークテイスト、重心感覚を味わせてくれるのである(ガソリン車もしかり)。

SPORTモードにセットしてアクティブサウンドコントロールを引き出せば、加速のリニア感はさらに増幅。ほとんどスポーティカーを操っている走行感覚、走行サウンドとなる。素晴らしく上質かつスポーティ、それが、レギュラーガソリンで乗れるシビックe:HEVモデルなのである。

もちろん、最新のホンダセンシング=先進運転支援システムを標準装備。その内容は渋滞運転支援機能付きACCを含む13種類に及び、ホンダコネクトにも対応。後席の居住性、容量たっぷりのトランクルームの使い勝手もなかなかと言っていい。

ただし、細かい話だが、電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能は備わるものの、依然として電子パーキングブレーキはかける方向が手動であり(解除はアクセルONでOK)、なおかつ新型ヴェゼル、ステップワゴンから採用されている、超実用的なオートブレーキホールド機能のメモリー機能はなし。ONにして、一度エンジンオフすると、OFFになってしまう面倒があるのが、オートブレーキホールド機能絶賛信奉者として残念でならない。

ちなみに高速走行50%、一般道走行50%、夏の炎天下、エアコン25度オートで約100キロ走行した際の実燃費はなんと22.3km/Lと、WLTCモード燃費24.2km/Lに迫る好数値、好燃費であった。スポーティで上質なだけでなく、そうしたインテリジェンスをも持ち合わせるのが、シビック50周年となる2022年にホンダが持てる技術を結集し、自信を持ってリリースしたシビックe:HEVということだ。なお、マニア垂涎のタイプRも9月に発売されている。

ホンダ・シビック

文・写真/青山尚暉

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