「犬は3日飼えば3年恩を忘れぬ、猫は3年の恩を3日で忘れる」ということわざがあるように、犬は人の恩を大切に覚えているが、猫は恩を忘れる薄情なイメージがある。その「ことわざ」通り、猫は本当に飼い主のことを忘れてしまうのか?実際3か月家を留守にした時の我が家の猫の反応は…。
今まで最長1か月だったが…
我が家は2匹の猫と夫と私の4人暮らし。2匹とも雄(去勢済み)で女性好き。エサやトイレの掃除など猫の面倒は基本筆者がしていることから、2匹は夫よりも私好き。長男の太郎君のヒエラルキーは、上から筆者←権平←夫。弟の権平君も同じヒエラルキーになっている。
アメリカに住む筆者は、コロナ前は1年に1度1か月ほど家族が住む日本に帰っていた。しかし、コロナで3年日本に帰れなかったことや仕事関係もあり、今回日本への滞在が3か月。その間、夫が猫たちの面倒を見るようになったのだが…。
留守中は室内カメラで猫の様子をチェック
私が留守の間、夫は仕事で日中家にいないため、室内カメラで猫の様子を確認できるようにしていた。必要なら音声のやり取りもできるカメラだったが、機械越しの声に猫たちは反応しないため、音声会話は猫には使用しなかったが、夫と室内カメラ越しに会話ができ、結構便利だった。
そんな室内カメラも留守をして1カ月を過ぎたあたりから、室内ではなく空が映るように。「猫がぶつかってカメラの向きがおかしくなっているのかな?」と思い、夫に「角度がおかしくなっている」ことを伝えると、部屋が汚れているのを私が見るとうるさいから、部屋を映さないようにしたとの回答。
正直、夫のことも部屋が多少汚れていることもどうでもよい。私が帰ってくる前にきちんと掃除をしてもらえれば、部屋に猫の毛が浮遊してようが私の鼻はムズムズしない。しかし、猫の様子は見れるようにしてほしいことを伝えると、部屋全体が映らないように猫のベッドの中だけ映る画角に変更された。
留守中の猫の様子は?
正直3か月留守にするのは少し不安があった。夫がいるのでエサやトイレの心配はなかったものの、ブラッシングや遊び相手をあまりしない夫で猫にストレスがかからないものかと思っていたが、夫からは「太郎がベタベタ俺にきて、夜も起こされて大変」と嬉しそうに毎日報告がきた。
確かに、私がいるときは太郎君にとってのヒエラルキーの下層の夫のところで寝ることはなかった。しかし、私がいないとき太郎君は夫にベタベタするらしい。ゴーイングマイウェイな権平君は、あまり感情を表に出さないので変化はないらしいが、太郎君が夫に甘えている部分には少しジェラシーを感じた。そして、留守が長くなればなるほど、「猫たちは私のことを忘れるのではないのか?」という不安も感じた。
3か月後のご対面
3か月もあっという間に過ぎ、アメリカへの入国もPCR検査なく帰れるようになった8月下旬。シアトル乗り換えの飛行機が「コーヒーメーカーの故障」というよくわからない理由で4時間遅れて、やっとロサンゼルスへ到着。大量の荷物をピックアップして、猫たちが待つ家へ急いだ。
家のパーキングに到着後、室内カメラで猫の様子を見ると、猫たちが玄関前で座っていた。何か感じ取っているのか、いつもはあまり鳴かない2匹が鳴いている。スーツケースを持って、玄関のドアを開けると…。
「待ってました!」とばかりに、太郎君が足元にすり寄り、「抱っこして!」と言わばんばかりに前足を私に乗せてきたため、太郎君を抱っこすると、スリスリ顔にアタック。猛烈な歓迎モード。
「猫は3年の恩を3日で忘れる」ということわざ通りなら、6歳の太郎君は6日で恩を忘れているだろうが、3か月会わずともちゃんと覚えていた!猫たちにとってはさほど時間の経過を感じていないのかもしれない。権平君は相変わらずツンデレさんで、初めは少し警戒していたが、すぐ足元にスリスリよってきた。
結果、猫もきちんと恩を忘れない!
3か月会わずとも猫たちは私のことを覚えていたのはうれしかったが、猫たちの毛がもふもふになっていることにびっくり!「時間があるときブラッシングしてね」と夫に頼んでいたが、「嫌がるからできなかった」という理由でろくにブラッシングされていなかった猫たちは、撫でるだけで毛がモリモリとれ、毛がふわふわ舞い散る状態。
2匹ともいつもより毛のボリュームが1.5倍になっている感じだったが、健康に問題はなかった。
それよりも、キッチンテーブルには郵便物が散乱。リビングにモノが溢れており、家の荒れようにビックリ!一人暮らしも長く、料理もする夫だったが、やはり長期留守は1カ月ぐらいが限度かな?と感じた。
フミフミは夫にしないことが判明
3か月間、夫ともに寝ていた太郎君だったが、私が帰ってくると夫のベッドに行くことはなくなった。そして、太郎君が私の横で、いつものようにブランケットをフミフミ、ちゅぱちゅぱ。しかし、夫と一緒に寝るときはフミフミちゅぱちゅぱはしないことが判明。
猫たちが夫になついて少しジェラシーを感じていたが、そのことを聞くと「夫より愛されているな~」と感じ、ちょっと嬉しい気分になった。
文/舟津カナ
編集/inox.