料理が苦手でも健康的に自炊できるかも?ノンフライヤーにとうとうIoTモデルが登場!
揚げ物は食べたいけれどカロリーが心配……そんな声から2013年に登場したのがフィリップスの「ノンフライヤー」だ。
油を使わずに唐揚げやフライがサクサクに料理できるため「健康的に揚げ物が楽しめる」と一時は大きな話題となった。
ただし、残念ながら日本ではそこまで普及率は上昇せず、いまはフィリップス以外の複数メーカーがノンフライヤーを開発・販売している。
そんななか、米ウィーシンクが9月15日にノンフライヤーの新製品「COSORI Lite 3.8リットル SMART ノンフライヤー」を日本国内にて発売開始した。この製品の最大の特徴は、なんといってもIoT対応であることだ。
COSORI Lite 3.8リットル SMART ノンフライヤー。カラーはグレイ系とグリーン系の2色。IoT機能を搭載したSMART版とともに、外観は同じながら非IoT対応の通常版も同時発売される。価格はSMART版が16,980円で通常版が12,980円
■コンパクトで設置性の良さが魅力のノンフライヤー
COSORI Liteの使い方は非常に簡単。バスケット部分に食材を入れ、本体上面のインターフェイスで温度と時間を設定し、スタートボタンを押すだけ。
調理がスタートすると高温熱風が本体内で高速循環しながら食材を加熱する。脂を含む食材なら、急激に加熱することで食材自身の脂を利用した揚げ料理ができ、脂のない食材でも大さじ1杯ほどの油を追加するだけでサクサク食感のフライや唐揚げが調理できる。
IoT調理家電ではあるが、手動でも操作可能。本体上部のインターフェイスで温度と時間を設定できるほか「チキン」「ポテト」といった、よく利用するであろう料理のプリセットメニューも用意されている
ちなみに、名称に「Lite」とあるように、バスケット容量は3.8Lと、同社ノンフライヤー他モデルと比較して小さめ。その分本体サイズは幅34.5×奥行き27.5×高さ32.5cmと、ノンフライヤーとしては比較的コンパクトだ。
重さも4.42kgと、家の中なら移動させやすい重量になっている。食材を入れるバスケットは鶏手羽元なら約5本、ステーキなら2枚ほどが一度に調理できるサイズで、一人暮らしや夫婦ふたり暮らしといった少人数世帯に向いている。
COSORI Liteの付属品、通常は中央の内網だけをバスケット底面に敷いて調理する。内網は熱風を効率的に循環させるCRISPFITテクノロジーを採用しており、この網のみ食洗機に対応する。
網と串は焼き鳥や野菜や肉の串焼きが作れる付属アクセサリー。付属の串に食材を刺し、網の突起にひっかけてバスケットに固定する
■専用アプリを使ったIoT機能を搭載
最大の特徴であるIoT機能を使用する場合は、専用の「VeSyncアプリ」を利用する。このアプリでは「前菜」「朝食」「主菜」「デザート」といったカテゴリーから、作りたい料理を選択する。
料理を選択すると、その料理のレシピが表示され、さらにその料理に最適な加熱温度と時間がCOSORI Liteに送信される仕組みだ。
VeSyncアプリの料理選択画面。面白いのが「ペット用」というカテゴリーも用意されていること。ペットのオヤツを自分で作ることで、添加物の心配がなくなるのは魅力的。発表時点ではアプリの料理は40種類ほどしかないが、今後毎週レシピは増えていく予定だ
料理を選択したら、表示されるレシピ通りに調理して「この料理を作る」ボタンで加熱温度と調理時間を送信。レシピは基本的に文章のみ。料理初心者には写真もあると親切だったかも?
調理中はVeSyncアプリで調理残り時間などの情報をチェック可能。調理終了時はスマートフォンのアラームで知らせてくれる。このため、調理中も安心してキッチンから離れて別の作業が可能だ。このあたりはIoTならではの利便性だと感じる。
COSORI Liteで調理したトンカツ。しっかりとした焼き色が均一についているのがわかる。この日は残念ながらコロナ対策のために作りたての試食はできなかったが、箸で触るとサクサクとした感触だった
■「できること」を増やすことでノンフライヤーは普及するか?
ノンフライヤーが日本で普及しなかった理由のひとつに「ノンフライヤーで何が作れるのかかわからない」というものがあった。
もちろん、ノンフライヤーで唐揚げやフライができるのはわかるが、毎日揚げ物を食べる人は少ない。日本の狭いキッチン事情では、揚げ物のためだけに場所をとる単機能家電を購入することにためらいを感じる人も多かったのだ。
COSORI Liteで調理したトンカツ。ノンフライヤーなので揚げ物が美味しく調理できるのは当たり前
しかし、ノンフライヤーとは食材を熱風で包み込む調理方法の家電。つまり、コンパクトなコンベクションオーブンのようなものだ。
このため、じつは揚げ物調理だけではなく、焼き物やグリル調理、温め、解凍、トースターとしても幅広く使える。
しかも、本体上部に大きなファンとヒーターを配置し、密閉された狭いバスケット内に効率的に熱風を循環させる構造なので、一般的なオーブンより余熱時間が短く、一気に食材を加熱できるというメリットもある。
このため、料理によってはオーブンよりも手軽かつ美味しく調理ができるのだ。今回発売されたCOSORI Lite 3.8リットル SMART ノンフライヤーは、アプリで料理をを選べるようにすることで、ノンフライヤーで作れる料理が直感的に分かり、料理が苦手な人でも調理バリエーションを増やせる。
いままでノンフライヤーの購入を阻んできた「何が作れるのかかわからない」を解消するソリューションとなるかもしれない。
COSORI Liteで調理した焼きシャケ。揚げ物以外の料理もごらんのように美味しく調理できる。アプリに用意されているレシピには、COSORI Liteのバスケットにミルクと紅茶の葉を入れてつくるミルクティといった面白いものもある
関連情報:https://vesync.jp/products/cosori-lite-smart-airflyer
取材・文・撮影/倉本 春