話下手の人に朗報！話さなくても人に好かれる方法があった

「人との会話が続かない」「会話がイマイチ盛り上がらない」「話すことが苦手」など、話ベタを自覚しているビジネスパーソンは多いかもしれない。それゆえに、口数が少なく、話が苦手と感じていたかもしれない。しかし、そんな話ベタに朗報がある。なぜなら、“話さない”ことで人に好かれる方法があるからだ。

その“話さない”ことの魅力のつけ方を教えているメンタル、コミュニケーション専門家の山嵜史恵氏に、話ベタでも人気者になれる“話さない”方法を教えてもらった。

話し方が下手な人でも魅力は出せる

世間一般では、「話し方」をいかに工夫するかにフォーカスされる中、あえて“話さない”ことで魅力を出すというのは新鮮だ。元刑事で一般社団法人日本刑事技術協会の講師として教鞭をふるう山嵜氏は、次のように説明する。

【取材協力】

山嵜史恵氏
一般社団法人日本刑事技術協会 講師
“オーラ刑事”と呼ばれ、目には見えない感情の活かし方を伝えることで個人起業家のクライアントからは月商100万円、副業で月商40万円など喜びの声が絶えない。また自身も、起業後たった半年で月商250万円の成果をあげている。現在、講座やイベント、個人コンサルなど精力的に活動中。
https://j-keiji.org/

「話し方が上手い人のメリットは、人と接触することが好きな人というイメージがあることで、親しみやすいという点です。一方で、デメリットとしては、話が上手いがゆえに、聞く側のイメージや想像がふくらみ、検討違いな解釈をされる可能性があります。話し方が上手いということは、メリットばかりではないのです。

そして話すのが苦手で、話し方が下手といわれたり、自覚していたりする人はデメリットばかりがフォーカスされがちですが、メリットもあります。私は『人生の9割は、話さないことで決まる！』というテーマで講演を行っていますが、話が苦手でも『感情』をうまく活かすことで、魅力が伝わるのはもちろん、応援されたり、ビジネスシーンで契約がうまくいったりするなど、大事な場面で選んでもらえる自分になることができるということを伝えています」

“話さない”で魅力を出す方法

では、“話さない”で魅力を出すにはどうすればいいだろうか。

「話さないで魅力を出すには、『自分の感情と向き合い、感情を行動に表すこと』が必要です。そのために簡単にできる方法が『笑顔』『挑戦』『交渉』の3つです」

1.笑顔

「人が誰かに魅力を感じる要件の一つに、好印象があります。笑顔は、相手を思う気持ちの表れ。どれだけ相手を大切に思っているか、これが笑顔で伝わるので、好印象を持たれやすいです。いつもムスッとしている人より、ただ笑顔でいるだけであなたは魅力的になれます。ただし作り笑顔ではなく、『心の底からの笑顔』が重要。笑顔も練習が必要です。目尻を下げる、口角を上げる、歯が見えるの3点をポイントに置いて笑顔を意識しましょう」

2.挑戦

「ルーティンより、情熱を持って取り組む姿勢に、人は魅力を感じ、心が動きます。自分の感情と向き合い、本当にあなたが望んでいる感情、例えばワクワク、安心、ドキドキなどの感情を得るために挑戦（行動）すると、あなたの魅力はキラキラ輝き出します。

そして、挑戦をすることで『類は友を呼ぶ』という言葉があるように、あなたが挑戦する姿を見て、あなたが得たい感情と同じような感情を得たい人が、あなたの周りに集まってきます。

もし挑戦することが楽しくなってきたら、あなたが無理しない範囲で『周囲がやらない』プラス『みんなが喜ぶ』という視点で挑戦することで、あなたの魅力の円がどんどん広がり、想像を超えて、あなたを応援してくれる人が集まります。

まずは小さな挑戦でもいいので、やってみたいことをリストアップし行動してみましょう。そして可能であればその中から、周囲が喜びそうなこともあわせて考えてみると、あなたの魅力はさらに輝きます」

○「周囲がやらない」ことをやる意義

「人は、自分にないものを持っている人に、魅力を感じ、惹きつけられます。『周囲がやらないこと』は『周囲がなかなかやれずにいること』ということです。例えば、今でこそYouTubeは、多くの人が視聴する、動画配信サービスですが、少し前までは公の場に顔を出すのは、有名人や著名人で、一般人は考えすらなかったと思います。そのような中、『自分も楽しく、視聴者を楽しませたい！喜ばせたい！』そんな思いで行動した人によって、YouTuberという人気職種ができました。このように、周囲がやらないことをすることで、自分らしく魅力を発揮する、新しい世界がどんどん広がっていくと確信しています」

3.交渉

「自分にとってのメリットを考えられる人は多いですが、相手のメリットをも考えられる人こそ、魅力のある人。ただ、実際のところ、自分が思う相手のメリットと、相手が真に望むことに、大きなズレがあることも多いんです。ズレの解決策は簡単です。『どうなったら嬉しいですか？』と相手に率直に聞くだけです。世の中は自分の話をしたい人・聞いてほしい人が9割。

相手の話をちゃんと聞いてあげる、つまり自分は『話さない』だけで魅力的な人になれます。話が上手い必要はまったくなく、むしろ話が上手いことで余計な情報ばかり聞き出して、肝心な“相手が何を望んでいるか？”が聞き出せなければ意味がありません。2つ目の『挑戦』というところにかかってきますが、自分の目的、周囲の喜びを達成させたいという情熱と、相手のメリットも考える交渉は、人を感動させます』

「一番の自分の味方は自分」

特に話ベタだと思っている人に、この方法はいかがだろうか。山嵜氏に、話ベタの人へこの方法を実践するときのポイントを教えてもらった。

「どんなときも、『自分が一番自分の味方であること』がポイントです。多くの人は、みんなと仲良くすることが良い、と教わってきました。もちろん悪いことではないですが、そのために自分を出さずにガマンすることを習慣化してしまった方もいます。自分を抑えてガマンして、人を優先すれば、必ずそこには恨みが生まれ、魅力どころか関係はギクシャクします。社会に出れば、ガマンせざるを得ないこともあるかもしれませんが、そんな中でいかに、自分を大事にする選択ができるかが大事だと思っています。その選択ができていないと、不快な感情が起こり、それに気づかせてくれるのです。

感情は、一人一人の人生の地図のようなもの。迷ったり、自信をなくしたりしたら、自分の感情に耳を傾けることで魅力が発揮され、ビジネスはうまくいくようになります」

話下手の人は、魅力の出し方を身につけるだけで、たちまち「話し上手」になれる。そんなカラクリがあるようだ。ぜひ試してみよう。

取材・文／石原亜香利