「タブレットといえばiPad」というイメージが強い人も多いかもしれませんが、近年は、GalaxyやXiaomiといったスマートフォンメーカーから、Androidタブレットが発売されたり、大画面向けデバイス向けのAndroid OSである「Android 12L」のリリースを開始するなど、Androidタブレットも再興の兆しを見せています。
本記事で紹介するのは、NECから2022年8月25日より発売されている、「LAVIE Tab T10」。直販モデル販売価格が3万7180円、NEC Direct限定モデルは3万3880円で購入できる、比較的安価なAndroidタブレットです。
タブレットの代表シリーズであるiPadの現行品をみると、最安モデルでも4万9800円からとなっていることもあり、価格だけで比較をすると、LAVIE Tab T10が1万円以上安いことがわかります。
普段Androidスマートフォンを使っているユーザーの中には、同じように操作できるAndroidタブレットを探しているという人も多いはず。動画視聴や電子書籍の閲覧など、エンタメコンテンツを楽しむのに、安価な大画面デバイスは有用でしょう。
もちろん、搭載OSやCPUが違うため、iPadとLAVIE Tab T1を比較して優劣をつけることは難しいのも事実ですが、「安価ながら大画面が楽しめるタブレット」を探している人にとって、LAVIE Tab T10は選択肢の1つになり得る製品です。
それでは、LAVIE Tab T10を実際に試しながら、操作性や使用感について紹介していきます。
デザイン・ディスプレイ
LAVIE Tab T10のディスプレイは10.1インチのIPS液晶で、解像度1920×1200。決して高解像度というわけではありませんが、使用していて違和感を覚えることはありません。ただし、近年のスマートフォンによく採用される、有機ELディスプレイと比較すると、発色に少し物足りなさを感じるかもしれません。
本体サイズは239.84×158.62×8.5mmとなっており、タブレットとしては大きすぎず、小さすぎないサイズ感です。一般的なノートPCと比べると、かなりコンパクトなデザインなので、持ち運びも快適。質量もわずか約460gと軽量なので、短時間であれば、片手で本体を持つことも可能です。
ボタン類は、本体を横持ちした際に、左側面に音量調節ボタンと電源ボタン、右側面にイヤホンジャックとUSB Type-Cポート、microSDカードスロットが備えられています。microSDカードは、最大128GBまで対応しています。
Androidスマートフォンと同様に、スクリーンショットを撮影する際には、電源ボタンと音量調節ボタンの下を同時に押すのですが、ボタンの配置やサイズから、本体を横持ちした状態だと押しにくいのが少し気になります。Android 12より搭載されている、背面タップによるスクリーンショットといった機能に対応すれば、より使い勝手が向上するかもしれません。
今回は、本体の保護をしながら、スタンドとしても活用できる、純正カバー(別売)を同時に使用しています。カバー自体も薄く軽量なため、携帯性を損なわないのがうれしいポイント。スタンドとして使用している際にも、ある程度自由な角度に調節できるようになっているため、LAVIE Tab T10購入時には、カバーを同時に使用するのがおすすめです。
スペック・機能
搭載CPUは「Unisoc T610」という、エントリークラスのスマートフォンに搭載される機会の多いものを採用。メモリ、ストレージは、直販モデルが4GB+64GB、NEC Directモデルが3GB+32GBとなっており、必要最低限の構成になっています。そのため、写真や動画、電子書籍のデータなどを多く保存しておきたい場合には、microSDカードやクラウドサービスを活用するのがおすすめです。
エントリークラスのタブレットということもあり、アプリの起動やスクロールといった動作には、ラグを感じることもしばしば。特に、普段ハイエンド、ミドルレンジスマートフォンを使用している人は、慣れるのに多少時間がかかるかもしれません。
例えば、オンラインゲームといった、負荷の大きいアプリをプレイするのにはあまり向いていない印象。とはいえ、動画視聴や電子書籍の閲覧程度であれば、あまりストレスなく楽しむことができます。
スピーカーは、本体を横持ちした際に、上部に来るように配置されており、ステレオ再生に対応しています。また、立体音響技術「Dolby Atmos」にも対応しているので、迫力のある音の再生が可能。最大音量もかなり大きいので、外付けスピーカーなどを用意しなくても、十分満足できるでしょう。
アウトカメラは約800万画素、インカメラは約500万画素となっています。スペック的には決して高性能とはいえませんが、スマートフォンと違い、タブレットのカメラは使用頻度がそこまで高くない場合が多いので、シングルレンズでも十分と感じています。
実際、アウトカメラはAF速度も十分で、QRコードの読み取りなども簡単に行えました。インカメラは、若干白みが強い印象もありますが、しっかりと顔を認識できるため、オンライン会議に使うこともできます。
バッテリーは5100mAhで、Web閲覧時の駆動時間は約9時間となります。近年の大画面スマートフォンとほぼ同容量ではありますが、スマートフォンのように常に通信を行い、こまめにメールやSNSを確認するといった使い方をしなければ、必要十分な容量といえるでしょう。
また、「自動調整バッテリー機能」という、使用頻度の少ないアプリは、自動的に電池の使用をセーブする機能が搭載されているため、屋外に持ち出して使用しても、1日は充電せずに使用できました。
生体認証としては、顔認証にのみ対応。残念ながら指紋認証機能は非搭載となります。また、防水防塵やワイヤレス充電にも非対応。あるとうれしい機能ではありますが、価格を考えれば許容するべきポイントでしょう。
初期搭載OSはAndroid 11。執筆時点(2022年9月上旬)では、1世代前のバージョンになりますが、現在Google Playストアから配信されているアプリのほとんどが対応しており、操作性に問題はありません。
また、現在はタブレットやフォルダブルスマートフォンといった、大画面デバイス向けの「Android 12L」を搭載する製品も登場し始めているので、アップデートにてより操作性が向上することに期待ができます。
あるとうれしい低価格Androidタブレット! 初心者にもおすすめのLAVIE Tab T10
紹介してきた通り、LAVIE Tab T10は3万3880円から購入できる、エントリークラスのAndroidタブレットです。低価格のAndroidタブレットは種類が少ないこともあり、動画視聴や電子書籍の閲覧など、簡単な動作を行う大画面デバイスが欲しいという人には、ぴったりの製品でしょう。
購入時には、「セットアップシート」と呼ばれる紙マニュアルや、Googleアカウントの登録方法などが紹介されている電子マニュアルが用意されているため、初心者でも気軽に使い始められるのがポイント。スマートフォンやタブレットの操作に慣れていない人とオンライン通話のために、本製品をプレゼントするのもありでしょう。
取材・文/佐藤文彦