2022年8月16日より、Android OSの最新バージョンである「Android 13」が正式リリースとなりました。
執筆時点(2022年8月中旬)でインストールできるのは、「Google Pixel」シリーズのみ(一部機種は対象外)となっていますが、今後多くのAndroidスマートフォンが対応すると考えられます。
そこで本記事では、Android 13で実装された新機能を、「Google Pixel 6」を使って紹介していきます。
デザインはAndroid 12を継承! ホーム画面のアプリアイコンに変化あり!?
Android 13では、Android 12より実装された「Material You」というデザイン言語を引き続き採用。そのため、見た目での変化は抑えめです。
ホーム画面でのわかりやすい変更点としては、Android 12より採用されたテーマや壁紙の色とアプリアイコンのデザインを統一する「テーマアイコン」機能が、サードパーティー製アプリでも対応する点。ただし、執筆時点で非対応のアプリがまだ多く、今後のアップデートにて順次対応していくものと思われます。
また、細かな見た目の変更点ですが、ジェスチャーナビゲーションを使う時にディスプレイ下部に表示されるバーが、少し太く、長くなりました。機能的に変化はありませんが、視認性が向上するアップデートとなっています。
Android 12(左)とAndroid 13(右)。わずかにバーが太く、大きくなっていることがわかる
デザイン面の変更で気になるもう1つの要素が、音楽や動画再生中にコントロールパネルに表示される「メディアプレーヤー」が大きくなったこと。より多くの情報へアクセスできるようになっています。
Android 13ではアプリインストールのたびに通知の許諾が必要に!
スマートフォンの使い勝手に関わるアップデートとして、Android13では、新規アプリをインストールするたびに、「通知を許可」するか否かを選択するポップアップが表示されるようになっています。
Android 12以前では、アプリのインストール後に、設定アプリから通知オフにできましたが、デフォルトの状態では自由に通知が届く仕様になっています。
アプリの種類によっては、頻繁に通知をしなくても良いと感じるユーザーも多いはず。新規アプリのインストールごとに自分で通知の有無を選択する手間は増えますが、その後の使い勝手を向上させる、きめ細かな進化です。
コピー&ペーストの使い勝手も向上! セキュリティ面でも安心に!?
文章をコピーする際に便利な機能が追加されたことも見逃せません。Android 12以前では、テキストをコピーしてもクリップボードに保存されるのみでしたが、Android 13では画面下部にコピーした内容がポップアップとして表示されます。
このポップアップをタップするとテキストの編集画面に移行。文章の編集をして保存できるようになりました。従来は、テキストをコピーしたのち、一度ペーストしてから編集をする必要があったため、動作が簡略化された新機能といえます。
また、セキュリティ面の仕様変更がコピー機能で行われました。Android 13では、メールアドレスや電話番号といった個人情報をコピーした場合、コピーした情報が1時間ごとに自動削除されるようになります。
本機能は、Android 13に標準搭載される機能であるため、グーグルのキーボードアプリ「Gboard」のみではなく、サードパーティー製のキーボードアプリでも適用されるのがポイント。セキュリティ面で安心のアップデートとなります。
クイックタップ機能には新たに「ライト」のオンオフ切り替えが可能に!
Android 12より追加された「クイックタップ」機能。これは、スマートフォンの背面をダブルタップすることで、任意の動作が行える機能なのですが、Android 13より新たに、「ライト」のオンオフが切り替えられる項目が追加されています。
クイックタップの設定は、設定アプリの「システム」→「ジェスチャー」→「クイックタップでアクションを開始」より行う
ライトは、暗所で足元を照らす際など、瞬時に使いたいシーンが多い機能。スマートフォンの画面を付けなくても、背面のダブルタップで簡単にアクセスできるのはかなり便利な印象です。
スクリーンショット撮影時のシャッター音が消えた!?
機種によって違いはありますが、Android 12以前ではスクリーンショットの撮影時、マナーモードやサイレントモードでもシャッター音が鳴るのが通例でした。そのため、電車内など周囲に人がいる状況では、使いにくく感じている人もいるかもしれません。
しかし、Android 13をインストールしたGoogle Pixel 6ではスマートフォンをマナーモード、サイレントモードに設定している場合、スクリーンショットのシャッター音が消音化されています。こちらは機種によって非対応の可能性も考えられる機能ですが、周囲を気にすることなくスクリーンショットの撮影ができると便利ですね。
なお、通常のカメラアプリで写真撮影をする場合は、マナーモードやサイレントモードであっても、従来通りシャッター音が鳴ります。
イヤホンを着けると動画撮影時の録音がイヤホンのマイクで行える!
Android 13より、イヤホンを接続しながら動画の撮影を行う際には、イヤホンに搭載されているマイクを使って、周囲の音を録音できるようになります。
使用頻度はそこまで高くないかもしれませんが、近年は複数の高性能マイクを搭載したワイヤレスイヤホンなども多く登場しているため、よりきれいに録音ができるようになるかもしれません。
大幅アップデートはなくても〝痒い所に手が届く〟Android 13
Android 12より採用されている「Material You」を継承しているため、見た目の変化こそ少ない印象を受けるAndroid 13ですが、テキストコピー時の動作やクイックタップにライト機能を追加、スクリーンショット撮影時の消音機能など、細かな点で使い勝手が向上しています。
また、今回紹介した新機能のほかにも、アプリごとに言語設定ができるようになったり、タブレットやフォルダブルスマートフォンといった大画面デバイス向けのUIが新たに採用されるなど、「痒い所に手が届く」ような、細やかなフォローが魅力。執筆時点では、一部のGoogle Pixelスマートフォンのみ対応となっていますが、今後多数のAndroidスマートフォンにて利用できるようになるのが楽しみになる新バージョンです。
取材・文/佐藤文彦