“厚底”の代名詞的ブランド、HOKAより登場した極厚のミッドソールをもつランニングシューズ「ボンダイ 8」の最新モデルが登場! 普段からランニングを趣味にしているスポーツ系ライターが実走テストを行いました。
“厚くても軽い”ロングセラーモデル
8代目になったボンダイシリーズですが、実は3代前のボンダイ 6から使い続けているほど愛用しています。何がそんなに好きかといえば、やはりその汎用性の高さ、ということになるでしょう。使い勝手がかなりいいのです。
いつものジョギングやランニングは当然として、マラソンなどのレース、そして普段履きと、あらゆる場面で使いやすい機能をもっています。実際に過去にはレースの中でずいぶんと助けてもらいました。
その使い勝手の部分を支えているのが、分厚いミッドソールです。地面から足裏にあたる部分までを測ってみると、大体4.5㎝くらいあり、数多ある厚底シューズの中でもかなりの厚さをもっていることが分かります。さらにタテ方向の”高さ”に加えて、横方向の”幅”の部分においてもボリュームがかなりあります。
特に前足部分はかなり幅広。着地の際の安定感が前モデルよりもグッと高まっています。ゆっくり走った時にもピタっと吸い付くように地面をとらえます。
この安定感は歩いているときにも発揮され、普段使いやウォーキングなどにも最適。安定感は前モデルよりも高まっているので、フェスなど一日中立ちっぱなしの時に履いていても疲れにくいでしょう。
快適な履き心地のための機能は、アッパーにも施されています。通気性が高いエンジニアードメッシュを使っているほか、足があたる部分にはクッションを配置。
足首周りを中心に、アキレス腱にあたる部分は低反発枕のような素材を使い、優しく包むような履き心地を実現。
特にシュータンは分厚くなっているので長時間装着しても不快感を防止してくれます。靴ひもをギュッと縛っても圧迫感がほとんどなく、すごく快適でした。
ボリューム感のあるミッドソールを採用し、さらにアッパーの各所にクッションを配置していながら、重量は約307g(27㎝実測)。超軽量というわけではありませんが、フィット感が高く重さはあまり感じませんでした。
実際に合計30kmほど走ってテスト
普段のジョギングに使用してみました。これまでのモデルと同様に、分厚いミッドソールのクッション性が十分に感じられる優しい履き心地があります。しかし、優しいのにソールは柔らかすぎないため、しっかりと反発。体重を支えてくれるので軽快に走れる印象です。あまり柔らかくし過ぎると安定感が損なわれるためだと思いますが、軟らかさと安定感との絶妙なバランスがとれている、そんな感じです。
つま先が反りあがったソールのデザインも走りやすさに貢献しています。これはHOKAに共通するテクノロジーですが、ボンダイ 8がもつ安定感と相まってこれまで以上に前方への体重移動がしやすくなっています。
幅広のソールも安定感のほかに脚の回しやすさにも貢献している感じがあります。あくまで個人的な印象ですが、着地の際にブレが少なくなることで、次の一歩が踏み出しやすくなったようです。
ソールの耐久性も十分。地面に接地する部分に、効果的にアウトソール(赤色の部分)を配置して長期間のランニングに耐えられる設計になっています。
またアッパーの快適さもかなり秀逸。履き口周りのクッションが優しいのにしっかりとホールドしてくれる感じです。1時間以上走ってもカカト周りにブレもなく、実に快適でした。
こんなにボリュームのあるシューズですが、これまでのボンダイシリーズよりも脚が回っていく履き心地。これまで以上に幅広くいろいろなシーンで使えるでしょう。ゆっくり走るのはもちろん楽しいですし、少しペースを上げて走るのも軽快。長い距離、長時間履くのに最適なシューズだと思います。
ランニング中のテンションを上げる、ちょっと派手目のカラーから普段づかいにも対応するオールブラックなどカラーバリエーションも豊富。まさに色々なシーンで活躍してくれるシューズです。
これまでも「俺のボンダイ」というつもりで使ってきましたが、これからも愛用していくことになりそうです。
HOKA ボンダイ 8
www.hoka.com/jp
価格:2万3100円
取材・撮影/今 雄飛(こんゆうひ):ミラソル デポルテ代表。スポーツブランドのPR業務を行うかたわら、自転車、トライアスロン、アウトドア関連のライターとしても活動中。趣味はロングディスタンスのトライアスロン