【短期集中連載:Vol.8】カジノ&ギャンブルの深層『東南アジア・フィリピンは、カジノ・イングリッシュができる場所』
ナマステ。カジノライターのかじのみみです。去る8月27日、日本の入国制限緩和ニュースが流れました。海外渡航のハードルが下がりそうですが、円安に加え、長期休暇が取りにくいのが日本の働き方。そんな働き盛りの方々に、シリーズ⑧では日本から近距離で英会話とカジノができる場所を紹介します。タイトルは、「東南アジア・フィリピンは、カジノ・イングリッシュができる場所」です。
リゾートタイプのカジノ施設で注目されるマニラ
日本の人々にとって、カジノとはどんな場所なのだろう。「きらびやかなネオン街」というイメージなのか?それとも、VシネマやOTTサービスで配信される映画のワンシーンのような、「きった!はった~!」の印象が強いのだろうか。
カジノといわれ最初に頭に浮かぶ地域はラスベガス、シンガポール、マカオではないかと思われるが、実はここ10年ほどで、フィリピンのマニラには洗練されたリゾートタイプのカジノ施設が建設され、ビジネスセンターやショッピングモールがオープンし多くの観光客を誘致しているようだ。
フィリピンは日本から直行便で5時間前後のフライトで行ける、「英語が公用語」に含まれる東南アジアの島国である。歴史的には、1521年以前の「スペイン統治前」、1521年から1898年の「スペイン統治時代」、1898から1945年の「アメリカ統治時代」、1946年以降の「独立後」の4つに大別できるという。
(情報:https://philippinetravel.jp/)
フィリピンは日本から距離的に近い国で、時差は1時間。われわれと同じようなアジア人が多く、週末だけを利用して行くことも可能なので「金銭的にも精神的にも」、気負いすぎることなく英語とカジノが試せる場所ではないかという考えに至った。
そこで、2022年のフィリピン情報をヒアリングするため、IRリゾート開発やゲーミング産業に知見がありマニラを定期的に訪れているBay City Ventures, Managing Directorの國領城児氏に現地の直近の様子を伺うことにした。
國領氏いわく、まずマニラの交通手段では「グラブ」(Grab)というアプリを使用することが多いという。「グラブ」とは東南アジア各国でサービスを展開している配車アプリである。このアプリは英語で操作をしなくてはならないため、英語を使いたい人には現地で積極的に使ってほしいツールであるだろう。
マニラのタクシー移動に関しては、ホテルから利用する場合は安全なようだが、ときどき「観光客」と見なされると料金をふっかけられることもあるらしい。通常は300ペソ(約740円2022/9/5為替レート)から500ペソ(約1,240円)の料金で行けるところが、2,000ペソ(約5,000円)から4,000ペソ(約9,900円)を請求される場合もあるという。デジタル操作に抵抗がなければ「グラブ」は便利なアプリ&語学ラーニングツールとなるのではないか。
その他、ビジネスで行く人やショッピングを楽しみたい女性観光客などにはBGC(ボニファシオ・グローバルシティ)やマカティエリアが安全で、BGCは散歩もできるお勧め滞在地との情報もいただいた。
さて、筆者がマニラを訪れたのは2019年。宿泊数は3泊で、市内のカフェからマーケット、地域SPA、レストラン、ビック4の呼び名が高いカジノのうち、ソレア、オカダマニラ、シティオブドリームスを駆け足で体験した。当時の印象としては、どこの場所に行っても流ちょうな英語を話す人が多かったと記憶している。(※ビッグ4の四か所目はリゾーツ・ワールド)
そこでビッグ4のうち、ソレアを旗艦事業の一つとするブルームベリー・リゾーツの日本法人、Bloomberry Resort Japan,Inc.Vice President桐山満啓氏に、ソレアで雇用されるディーラーやスタッフの条件として、英語はどの程度必要なのか伺ってみた。
すると桐山氏から、「ソレア施設内の公用語は英語です。責任者は、元マリーナベイサンズの初代社長トマス・アラシで彼はコーネル大出身の金融マン・マリオットホテルの幹部等を経ているN.Y育ちの米国人です。幹部は、ほとんど白人です。よって、被雇用者は英語必須で、顧客対応、契約書、全て(ソレア)では米国流です」との回答をいただいた。
尚、同氏の情報によると、ソレアカジノのゲームテーブル総数は387台、スロットマシン総数は1972台である。(2019年現在)。ラスベガスの5つ星カジノホテルWynn Las VegasとEncoreのテーブルゲーム総数は209台、スロットマシン総数は1737台(2021年現在)であるため、ソレアのゲーミングフロアも大型タイプであることが確認できた。テーブルゲームの最低料金は500ペソ前後から遊べるようである。
本来カジノプレーというのは、お金で「カジノ経験を買う」行為である。人が物質的な商品を買うと、お金と引き換えに買った商品が手元に残るが、カジノ経験は形で残すことはむずかしい。カジノで負けると損をした気分になるかもしれない。だが、遊園地や映画鑑賞などで「経験にお金を使って」も損をしたとは考えないだろう。それが、ひどい体験でないかぎりは。その点はカジノも同じではないだろうか。
カジノはお金でゲーム体験を行うが、人生のボーナスのように快勝して入金となることも。勝ったイメージはその都度手放さないと、その次に痛い目を見る可能性があるのもカジノである。そのことは覚えておいていただきたい。
もし海外のカジノに行く場合は、ミニマム・ベットテーブルを探せるよう、下記のカジノ・イングリッシュにもチャレンジしていただければ幸いに思う。
ワンポイント「カジノ・イングリッシュ」
Mimi: Where are the minimum tables in this casino?
(ここのカジノのミニマム・テーブルはどこですか?)
Staff: Over there.
(あちらですよ)
Mimi: Ok. Thank you!
(わかりました。ありがとう!)
ポイントアドバイスは、Thank youやThanks!(ありがとう!)を言葉で発信してほしい点である。ありがとうは、最強な「運上げ言葉」だ!
加えてマニラ以外にもフィリピンにはカジノがあり、例えばセブ島には短期留学をリーズナブルな料金で通えるスクールもある。観光でもカジノでも英語留学でも。フィリピンは、一度は訪れてみたい場所となるかもしれない。
皆さんに幸運を、そして良い旅を。Good luck, and enjoy your journey!
取材・文/かじのみみ
カジノライター/ カジノコンサルタント
カジノ・IR・ゲーミング業歴31年。カジノディーラー歴25年。10歳から15歳までインドのボンベイで育つ。2001年、米ラスベガスのPCIディーラーズスクールにて日本人初としてブラックジャック・ルーレット・バカラのディーラーライセンス取得。国内カジノメーカーでの広報・カジノイベント企画運営責任者、米系大手カジノ事業主のVIPマーケティング業を得て、2013年8月フリーとなる。2012年 立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科(MBA)修士課程修了。2019年 マカオ大学 グローバルリーダーシップ育成プログラム 国際統合型リゾート経営管理学(IIRM) 修了。