バイクに乗って長期間の旅行することを『ロングツーリング』といいます。旅に必要な道具を全て積み込み、長期間をかけて走り続ける日々はまさにロマンに溢れています!
ただし車とは違い、バイクは荷物を積めるスペースが限られています。そのため積載はライダーの腕の見せどころ。なるべく脱着が簡単に、キレイに見えるように積みたいところです。
今回はバイク歴8年の筆者が、この夏実際に使った道具と積載のテクニックをご紹介します!
クロスカブの普段の積載
さて、まずはベースとなる普段の積載からご紹介します。
クロスカブのリアキャリアにいつも積んでいるのは、トラスコ中山の『トランクカーゴ』。容量50Lのものを愛用しています。
トランクカーゴの前後には電動ドリルで穴をあけ、U字金具を取り付けてあります。そこに荷締めベルトをXの字に通し、リアキャリアに固定しているのです。
またフロントにはナナカンパニー製のキャリアを取り付け、積載力を強化しています。
2泊3日ぐらいのツーリングであればこれらの装備だけで十分。しかし1週間以上、おまけにキャンプ道具を積載するとなると積載量をアップさせる必要があるのです。
アクティブに走るなら重心を低めに
今年の夏に筆者が出かけたのは、ライダーの聖地でもある北海道。フェリーでの移動も含めて11日間をかけたロングツーリングでした。
“北海道へ行く”ということは、今回の積載を考えるにあたって重要なことでした。その理由は道路事情。
多くの主要道はここ10年ほどの間でアスファルト舗装されているのですが、穴場の絶景スポットや観光地へ行こうとするとまだ未舗装路が多いのが北海道。実際私が訪れたスポットの中にも、数キロメートルにわたって砂利道が続く場所がいくつかありました。
どんな道でもアクティブに走るため、積載はなるべく軽く、重心を低くすることを心がけました。これは未舗装路に限らず、風の強い道を走る際や取り回しの際にも重要なポイントです。
DAYTONA Henlybegins(R)のサドルバッグWR
筆者が購入したのは、バイクギアメーカーDAYTONA社のブランド『Henlybegins(R)』のサドルバッグWR(税込定価1万3200円)。ミリタリー調のデザインでクロスカブの雰囲気を壊さず、インナー防水仕様のため突然の雨の際も安心です。
また取り出し口にチャックがついていたり、小分けポケットが付いていたりと機能としても申し分なし。発売直後に即購入した一目惚れ商品です。
装着した外観はこんな感じ。クロスカブのために作られたのでは?と言いたくなるほどピッタリです!
ロングツーリングに持って行った全荷物
積載量が増えたところで荷物の内容について話をしましょう。筆者が持って行ったものは、下記の通り。
・着替えとタオル(3日分)&部屋着(1日分)
・防風インナー
・ライトダウンジャケット
・洗面用具
・予備のコンタクトや常備薬など
・ステンレスボトル
・デジタルカメラとアクションカメラ
・ノートパソコン
・モバイルバッテリーと充電器
・大きめのトートバッグ3枚
・レインウェア
・ツーリングマップル(地図)
・文庫本(フェリーでの暇つぶしのため)
・使い捨てカイロ
・小分けの粉洗剤(ホテルの洗濯機を使用する場合、洗剤の用意がないことがあるため)
・車載工具
・キャンプ用品
・ガソリン携行缶
最後の車載工具、キャンプ用品、ガソリン携行缶に関しては、いざという時の保険としての意味合いがありました。
北海道の道の特徴として、街と街の間が非常に遠いこと、そして街ではない場所には店やガソリンスタンドがほとんど存在しないことがあります。つまりトラブルが起きてホテルまでたどり着けなかった場合、ある程度は自力で解決する必要があるのです。
キャンプ用品まで用意するのは大げさでは…?というご意見もあるかと思います。
しかし筆者自身の過去の体験として、ロングツーリング中に停電が起きて危うくホテルに泊まれなくなりそうになったことがあります。その際はキャンプ用品を持っていたため「いざとなったらキャンプ場へ行ける」「お湯を沸かすなど簡単な調理ができる」という安心感があり、平常心で行動ができたのです。
もしかしたらテントまでは不要かもしれませんが、懐中電灯・バーナー・クッカーだけでも持ち歩いておくと、万が一の時に落ち着いて行動できるかもしれません。
そしてキャンプ用品よりも重要なのが、ガソリン携行缶です。
特にカブのような小型バイクはタンクの容量が小さく、北海道のように広い範囲を1日走り続けるとガス欠を起こす可能性があります。今回のツーリング中にも3回ほど使用する機会があり、持っていてよかったと心の底から思いました。
特に北海道でロングツーリングを計画しているカブ乗りの方には、是非用意をしてほしいアイテムのひとつです。
楽しいツーリングを!
今回ご紹介した方法以外にも、シートバッグやパニアなど積載の方法はたくさんあります。ロングツーリングの場合は何度も荷物を取り出したり収納したりする必要があるため、自分に合ったなるべく簡単な方法を探すのがオススメです。
ただし、走行中に崩れてしまうと重大な事故を引き起こす可能性があります。バランスや耐久性を考えながら、出発前に試走をするなど事前の確認が大切です。
ロングツーリングはハードルが高いように感じる方もいるかもしれませんが、準備さえしっかりしておけばそれほど難しいことではありません。
勇気をだして出かけてみると、皆さんだけの旅の思い出がきっと見つかるはずですよ!
文/高木はるか
アウトドア系ライター。つよく、しぶとく、たくましくをモットーにバイクとキャンプしてます。 愛車はversys650、クロスカブ110、スーパーカブ90。
高木はるかの記事は下記のサイトから
https://riding-camping-haruka.com
編集/inox.