写真じゃない!切り絵の概念を覆す風景作品だった
切り絵は、1枚の紙を切り抜いて動物や風景などを表現する絵画の技法のひとつです。
昔から子供の工作やホビーとして根強い人気ですが、近頃はアート作品としても注目を集めています。
というわけで今回は、そんな切り絵で作られた話題の作品をご紹介。モノクロのイメージが強い切り絵の概念を覆す、色彩豊かな風景の切り絵をご覧ください。
切り取られた鮮やかな風景
重なり合う木々のシルエットに、蒼と碧のコントラストが印象的なこちらの風景画。一見すると写真のようにも見えますが、木の枝1本1本、葉っぱの1枚1枚まで精巧に表現された切り絵なんです。
青い空に透ける無数の桜色の花びらも、ため息が出る美しさです。
一般的に切り絵と聞くと単色のシルエットで作られているイメージが強いですが、こんな風に多彩なグラデーションカラーも表現できてしまうんですね。
緻密なカタチに繊細な色味が乗せられた他にはない切り絵に、SNSでは「実写かと思った」「凄すぎる」と感動の声が集まっていたのでした。
何気ない日常や感情を表現するために
美しすぎる切り絵の作者は、切り絵作家として活動されている斉藤洋樹(@kiriehiro)さんです。ご自身で撮影した風景写真を元に制作された作品は、公開されているツイッターでもたびたび話題になっています。
風景が題材のアートはこの世に数多くありますが、写真でも絵具でもない「切り絵」という技法の魅力はどこにあるのでしょうか?気になったのでご本人に尋ねてみました。
「元々絵を描くのが好きで色鉛筆画や鉛筆画を制作していたのですが、自分の中でイマイチしっくり来なくて、これ以上やっていても伸びないなと感じていた時に切り絵に出会いました。」(斉藤さん)
初めて切り絵をやった時、電気が走るような運命的な出会いを感じ、それ以来ずっと切り絵の制作を続けているのだとか。
「細かい作業がとにかく好きだったのと、繊細な表現ができることが自分の中では魅力でした。風景にこだわっているのは日常の中の何気ない景色を綺麗に感じたり、その世界に漂っている感情などを表現したかったからです。」(斉藤さん)
鮮やかな日常の風景を切り取った、他にはない切り絵アートをご紹介しました。
■切り絵作家 斉藤洋樹 -Hiroki Saito-(@kiriehiro)さん
aper cut art artist. 世界を切り取る人。自分で撮影した写真から制作してます。
■ツイッター https://twitter.com/kiriehiro
■作品ギャラリー https://twitter.com/star_town401
■リンク https://lit.link/kiriehiro
文/黒岩ヨシコ
編集/inox.