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大きく分けて5種類!覚えておきたい米国株の始め方

2022.09.04

米国株投資の始め方〜投資の種類と特徴を徹底解説〜

将来の資産形成を育む選択肢の一つとして「米国株」はとても魅力的な投資先です。

なぜなら超低金利時代を迎えた日本では貯金は資産形成の観点から合理的ではなく、資産を育むための投資が今後ますます必要になると考えられるからです。

特に米国は日本とは異なり先進国のなかでも数少ない人口が増えている国であり、Z世代が最も多い若い国です。人口はそのまま経済力へとつながるため、米国は今後も経済成長を続けていくと考えられます。

そこで今回は米国株投資の種類と特徴について徹底解説していきます。

米国株投資は大きく5つに分類できる

いざ米国株を始めようと検討した場合、米国株は他の先進国よりも投資のバラエティに富んでおり、大きく5つの投資先と属性に分けられる豊かな特徴を持っています。

これは現在の資本主義をリードする米国の経済的な力強さがあるからこそ成立する、といっても良いでしょう。他国では米国ほどの投資の選択肢はありません。

また米国株ならではの投資先と属性を知ることで、米国株そのものへの理解が深まり、さらに米国経済や投資が面白くなると思います。

5つの投資先と属性を解説

【インデックス】

米国株投資におけるインデックス投資とは「S&P500」と呼ばれる指数のことを指します。

このS&P500はニューヨーク証券取引所やナスダックなどの証券取引所に上場する銘柄から、代表的な500銘柄の株価を基にして算出された株価指数です。

なぜ米国のインデックス投資が他国よりも優れているのかというと、米国経済が次世代産業においても他国をリードしており、今後も長期的な成長が期待されているからです。

こうした期待値が世界中の投資家から支持され、S&P500の過去10年の年間平均リターンは約14.7%という米国の実体経済を上回る素晴らしい数字を残しています。

*インデックス投資の投資先はETFと投資信託から選ぶことができます。

【高配当株】

高配当株に該当する銘柄は今後の成長性が乏しく産業的には横ばいの事業が多いです。

例えば電力会社は成熟した産業であるため、ネット企業のような成長は見込めない代わりに、安定した収益が継続的に続くことが見込まれます。特にタバコ銘柄などの人気高配当銘柄になると、多少業績が落ち込んでも配当目的の投資家が多く株価の下落も限定的です。

また高配当個別株の場合は投資先が「安定した経営」を行なっているのか、四半期決算などで業績を定期的に調べる必要があり、実は熟練した投資のスキルが必要です。

*高配当株への投資先は個別株、ETF、投資信託から選ぶことができます。

【連続増配株】

連続増配株の特徴は10年、20年先でも安定的な経営をしている確率が高いディフェンシブ銘柄でありながら、配当込みで比較した場合にインデックス投資よりもパフォーマンスで上回る場合があることです。代表的な銘柄としては生活必需品会社であるP&G(プロクターアンドギャンブル)やヘルスケア会社のジョンソンエンドジョンソンなどが有名です。

ちなみにS&P500の構成銘柄の中で最高評価を受ける2社のうちの1社がジョンソンアンドジョンソン(もう1社はマイクロソフト)です。

*高配当株への投資先は個別株、ETF、投資信託から選ぶことができます。

【成長株】

成長株投資は米国経済が成長を続けることを活かす投資手法です。米国株への投資リターンを最大化できる可能性があり、その一方で下落するリスクもあります。

とはいえ米国株投資をして資産形成を加速させるために、ポートフォリオの一部を成長株へチャレンジしてみることは価値があるのではないでしょうか。

現在までの米国経済を牽引してきたGAFAMや電気自動車のテスラ、ヘルスケアのユナイテッドヘルスなどが代表的な成長株です。

今後もさらなる成長が期待される分野が成長株に該当するので、根底には「テクノロジーを使って現在の課題を解決した社会を実現する」という方向であることは間違いないでしょう。

そのため今後期待される成長産業としては、食料問題、環境問題、ヘルスケア、AI、メタバース、宇宙産業などに世界中の才能が集まりやすく、これらの分野から新たな企業や技術が勃興することが予想されます。

*成長株への投資は個別株、ETF、投資信託から選ぶことができます。

【セクター投資】

セクター投資とは米国株を11セクターに分類した投資方法です。

それぞれ、ハイテク、一般消費財、通信、生活必需品、ヘルスケア、公益、資本財、エネルギー、金融、素材、不動産、というセクターに分けることができます。

景気には拡大と後退のサイクルがあるので、その時々の状況に応じて強みを発揮するセクターへ投資をすることを目指しています。またセクター投資の場合、個別株投資もありますが該当するセクター全体に投資をするセクターETFや投資信託という方法があります。

*セクター投資の方法は個別株、ETF、投資信託から選ぶことができます。

セクターと景気サイクルの考え方

景気サイクルには好況期、後退期、不況期、回復期という4つの景気循環があります。

またそれぞれに強いセクターは下記の通りです。

【好況期に強いセクター】資本財、素材、一般消費財

【後退期に強いセクター】エネルギー

【不況期に強いセクター】公益、生活必需品、ヘルスケア、通信

【回復期に強いセクター】金融、ハイテク、不動産

また景気の影響とセクターの関係は下記の通りです。

【景気の影響が大きいセクター】資本財、素材、一般消費財、ハイテク、不動産

【景気の影響が低いセクター】公益、生活必需品、通信

【景気の影響が中程度のセクター】ヘルスケア

そして金融とエネルギーは景気に追随する特徴があり、景気拡大期は株価が上昇し、景気後退期は株価が下落しやすい傾向があります。

つまりセクターと景気サイクルを分析することで、米国経済の現在地をある程度予測する重要な指標となるのです。

おわりに~米国経済の現在地~

現在の米国経済を悩ます問題は高止まりしたインフレです。

このインフレが収束へと向かう時期は未定であり、少なくとも年内は厳しい状況が続くでしょう。

しかし景気の変動があるということは、経済のダイナミズムがあるということに他なりません。今は苦しい米国マーケットですが、こういう時期こそ自分自身が納得したポートフォリオを考える絶好のタイミングです。

ぜひ投資を通じてより豊かな生き方を実現してほしいと願っています。

文/鈴木林太郎
金融ライター/個人投資家。現代アートと工芸作品の収集を通じて「経済とアート」の関係を考えることがライフワーク。投資は米国株がメインなので、米国経済や米国企業の最新情報を届けている。現在は「マネー現代」などのメディアを中心に活動中。

編集/inox.

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