昨今のサウナブームで多くの人がサウナ施設に足を運んだ。その裏には〝快適&爽快〟を提供し続けるサウナ施設の〝見えないドラマ〟があるはずだ。今回、3人の経営者にそのすべてを語っていただいた。
今回は全4回の第4回をお届けする。
※こちらの座談会は6/30発売『Saunner 2022』に掲載されたものです。
昭和の華やかさとは違う新しいサウナ文化
──吉田さんは伝説のサウナ「東京温泉(※)」で働いていたとか。
吉田:最後の6年間でした。三代目となる許斐さんは10歳くらいしか年が違わず、一緒にゲームセンターに行っていましたね。
平井:経営する許斐家は代々シティーボーイですから。銀座6丁目にあったのよね。
吉田:「開業にあたり、銀座のガス管と水道管を替えた」というまことしやかな噂話がありました。でも、そのくらいすごかった。
平井:あの時代のサウナは、お客様がサウナに行って、お風呂に入ってアカスリをして、爪を切りマッサージをしてサッパリしてから、銀座の夜の街へと繰り出して行ったんですよね。
吉田:そうです。ワイシャツのクリーニングサービスもありました。入る前にお客様からシャツを受け取って、サウナに入っている間に洗うんです。お帰りの時までアイロンをかけて、お渡ししていました。
新保:シャツがないと帰れませんもんね。それにしてもすごい。人手不足が叫ばれる今では考えられない。
平井:当時と今では「サウナに行く」という意味が違いますから。当時は、アカスリまで含めて「サウナに行く」だったんです。
吉田:中に床屋さんもあったので、散髪もしていましたよ。
新保:男性が望むサービスが一堂に会していますね。
吉田:「東京温泉」は銀座の文化発信地だったと思いますよ。
──もし、今「東京温泉」を作ろうと思ったら、できますか?
吉田:いや〜、お客さんがついていけないと思います(笑)。当時のお客様はサウナとともに高齢になりました。そこで、サウナ文化が消えかけた時にブームが起こり、新しいお客様が来てくださった。でも今のお客様は、そこまでのサービスを求めていないと思います。
新保:若い人ほど、どこにお金を使うか、よく考えていると思います。
平井:サウナは、それとして楽しむ。その後の食事は、自分が応援している飲食店で食べるという人が、コロナで増えていきました。
吉田:そうなんですよね。今は昭和とはまた別の新しい歴史のサウナ文化が始まっている。今のブームの人が何をどこまで求めていくのか。それはいつも考えていますし、配慮しています。でも、サウナに入ったら、アカスリが好きになると思うし、その後にマッサージを受けたくなると思うんですよ。
──そんな文化が育っていったら、吉田さんの「東京温泉」の経験は生きると思います。
吉田:だといいんですけれどね。あの時代の言葉にならない感覚が今でも残っています。それはひとりではできないので、スタッフの育成もひとつの課題です。文字にできないから、ノウハウとして残せない(笑)。
新保:それはありますね。言葉がけひとつも、経験値が必要です。それに、掃除、メンテナンスなども、言葉にならない部分が多く、私自身も成長過程です。
平井:やはり、育成は失敗してもらうことですよ。でも、それが難しい。
吉田:失敗しそうな時のギリギリまで見極めています。そこでほっとく勇気が必要ですし、ストレスにもなりますが、ギリギリまで我慢する。
──女性のサウナーが増えたことについてお話をいただきたいです。
吉田:ウチもレディースデーをやりますので、女性が増えたと感じます。そういえば、両国・錦糸町一帯に住む地元女性の多くが「江戸遊」に通っていますよね。
平井:ありがとうございます。私が創業した96年は、女性が入れる施設はほとんどなかったんです。スーパー銭湯もない時代でした。女性用のサウナ施設はあっても、新宿など一般の女性が入りにくいエリアに少しある程度。私は女性がひとりでも来やすい場所に作るのが夢でした。
新保:気軽に行ける施設が増えて、業界全体が活性化するのはうれしいです。その一方で、私たちの課題はあり、それは混雑の緩和です。サウナ室入るのに、お客様を待たせてしまうと、やはり気持ちよく過ごせないと思います。予約もできるのですが、当日枠もあり、運営の課題は多いです。
吉田:土日は混んでいるから、平日に来ていただきたいと思いますよ。これからの目標は「毎日同じ」でいること。「あそこはすごい」と言われたら、まだまだ未熟。お客様が「普通だ」と思っていただいたら大成功。
新保:私もそう思います。私たちは日常の中にあるから「いつもと変わらない」ことを続けるのみです。
平井:あとは地元全体を盛り上げていきたいです。変わりゆく東京で、変わらぬ「普通」を提供する。さあ、そろそろ現場に戻りますか!
全員:はい!
両国・錦糸町で皆さんをお待ちしています
※東京温泉:銀座6丁目にあった日本初のサウナ施設。1951(昭和26)年創業、1993(平成5)年閉店。蒸し風呂、ミルク風呂、キャバレー、食堂酒場などを備えた娯楽の殿堂。男性専用。
取材・文/前川亜紀 撮影/小倉雄一郎
ドラえもんの激レアサウナグッズも登場!初心者にもガチ勢にもおすすめのサウナーバイブル「Saunner2022」発売中
2014年3月に日本初のサウナ専門誌として誕生した伝説のバイブル『Saunner』。最新刊『Saunner 2022』が好評発売中です。今回は前回以上に編集部による偏愛たっぷりの特集企画が満載! その注目企画をピックアップした。
定価1320円(税込)
発売日2022.06.30
判型/頁B5判/128頁
https://www.shogakukan.co.jp/books/09104258
【注目ポイント1】
サウナをもっと好きになる!大特集は「サウナー深化論」
「ととのう」だけでは満足できなくなったサウナーたちへ、サウナをもっと深く楽しむためのヒントや新しい視点を施設や識者たちへの取材をもとにまとめました! サウナって、まだまだ奥が深いんです。
どこかで見たような施設紹介でなく、サウナの楽しみ方や固定観念を変える新しい視点にこだわって取材しました!
事務所社長、元付き人に聞く、往年の名俳優・梅宮辰夫さんのサウナ道では自身のものまねをするロバート秋山さんに遺したサウナーならではの言葉に着目。また、サウナ好きなら前から何となく気づいていたであろう、ビーナス像のあるサウナにハズレがない理由を追究したほか、サウナでゆで卵はできるのかを本気で検証した企画も。サウナ店主たちに聞く座談会では、ブームの舞台裏、原油高などの忍び寄る危機、サウナの未来、粋なサウナーになるためのヒントなどを伺いました!
[Phase1]まだ見ぬ世界へ!常識を変えるネクストサウナ
[Phase2]還ってきたくなる老舗サウナの秘密
[Phase3]サウナーの夢!自宅サウナの作り方
【注目ポイント2】
サウナ歴38年のアニキから人気声優、レジェンドまで
サウナーたちからのアツいメッセージに刮目せよ!
名物企画「Saunner Interview」ではそれぞれの視点からサウナについて惜しみなく語って頂きました。〝ととのう〟とはまた違った視点のサウナの楽しみ方から生き方まで深~いお話が満載です!
俳優 高橋克典さん
「サウナ歴38年!高橋さんが語るサウナの後輩たちへのメッセージ」
声優 石川界人さん
「人気声優が語るいい仕事をするためのサウナ活用法」
漫画家 髙橋ツトムさん
「東京ドームサウナの石けんは立っていた」
楽天地スパ 背中流し歴32年 若杉とし子さん
「気持ちよくなるためには、努力が必要」
「IZBA」オーナー アルビナ・マキナさん
「火災で施設がなくなっても、私さえいればもう一度新しいIZBAを作れると信じていました」
【注目ポイント3】
サウナに行ったらドラえもん!?ドラえもんとのスペシャルコラボ企画!
サウナとドラえもん、一見すると関連性がないように思える両者がついに邂逅! スペシャルコラボが実現しました!
1. サウナーの心に響く名言も!
実はサウナにはまんが『ドラえもん』がよく合う!? その理由をドラえもんの大ファンであるサウナーのおふたりに直撃!
2. 書店キャンペーン 実施中!
購入者にオリジナル「ドラえもん缶バッヂ」をプレゼント
※1冊購入につき1つもらえます。
※数に限りがございます。なくなり次第終了となりますので、ご了承ください。
※商品入荷スケジュールは店舗によって異なります。
※配布方法は購入前に書店店頭でご確認ください。
※お渡しはランダムとなります。絵柄は選べませんので、ご注意ください。
3. ココでしか買えないアイテムも! 激レア「ドラえもんサウナグッズ」誌上通販
ドラえもんサウナグッズをご紹介!DIMEオリジナルアイテムも! 大人気につき、品切れ御免!
キャンプ、防災、ジム、サウナ、エコバッグ、DIME最新号の付録「ドラえもん DRY BAG」の超便利な使い方
「ドラえもんDRY BAG」はIPX6相当の防水性能を誇り、大事な荷物が雨や水しぶきで濡れるのを防いでくれる優れもの。密封性が高いので、湿ったり汚れたりした衣類などを入れても安心だ。キャンプやサウナといった今どきの趣味に重宝するほか、水の備蓄や停電時のランタンとしても使えるなど、ドラえもんの”ひみつ道具”みたいに便利! 以下の使い方を参考に、様々なシーンで活用してほしい。
たっぷり入る10ℓの大容量!明かりに照らされて光るドラえもんの反射プリント
ヴィヒタを手に持ったドラえもんのオリジナルデザイン!
白樺の枝葉を束ねて体を叩いたりサウナ室に吊るしたりする〝ヴィヒタ〟を持ったドラえもんは『ドラえもん』サウナウエアシリーズを展開するブランド「TETERA(テテラ)」のオリジナルデザイン。反射プリントにより、夜道ではリフレクターとして機能する。
IPX6相当の防水性能!中身が漏れない!!中身が濡れない!!
口をしっかり閉じられる!
中身を入れた後、真っすぐに揃えた開口部を3回以上しっかりと折りたたむ。あとは、開口部の両端にあるバックルを閉めればOKだ。バックルを閉めた部分をグリップにして持ち歩けるほか、付属のストラップを取り付けてショルダーバッグとしても使える。
おすすめ①[キャンプ]
飲み物の冷却や水辺の散策にピッタリ!
氷水を張ればクーラーボックスに早変わり。飲み物をキンキンに冷やせる。10ℓまでの重さに耐えられるので、グリップ部分を木などに引っ掛けておけるのも便利だ。散策時に活用すれば荷物が濡れるのを気にせずに水辺を歩けるほか、汚れたテントのフライシートを撤収時にドサッと入れるのもいいだろう。
おすすめ②[サウナ]
湿ったタオルや衣類などをひとまとめに!
大容量の10ℓタイプなので、厚手のサウナローブやボディーソープなどをまとめて収納可能だ。入浴後の体を拭いたタオルや、サウナの発汗でビショビショになったハットを、気兼ねなく入れられるのも防水仕様ならでは。洗濯物を干す時にも便利で、洗濯後の湿った衣類をドサッと入れてベランダや庭に持ち運べる。
おすすめ③[防災]
スマホのライトでランタンに!水もためられる
水を張った本品の上に、点灯したライトを下に向けたスマホを置くと、光が周囲に拡散。停電時にはランタンとしても役立つ。最大10ℓの水をためられるので、災害などに伴う断水時の備えとして本品を保管しておくのもいいだろう。開口部を外側に折り返せばバケツとしても活用できるなど、使い道は実に幅広い。
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