1956年に「楽天地天然温泉会館」としてオープン以来、建物も設備も大きく進化し続ける錦糸町の「天然温泉 楽天地スパ」。その変わらぬ名物といえば『お背中流し』。背中を流し続けて32年。サウナの酸いも甘いも知り尽くした若杉とし子さん、見参!!
週末には50人以上の背中を流すこともあった
名前はね、わ・か・す・ぎ、と・し・こ。若いに、木の杉ね。としこの〝とし〟はひらがなで、〝こ〟は子供の子。
お背中流しは、始めてもぉ~32年!
背中流しは最初先生に講習受けたんですよ。マッサージとかも含めての先生がいたんです。その先生に2週間講習受けたの。
厳しかったですよぉ。講習受けても2か月は見習いですから。
当時はとにかくお客さんが多かったんですよ、ココは。
お風呂場入ると、湯船から湯船の縁に座ってる人から、もぉ~いっぱい!
背中流しも、平日の少ない日でも1日に27人くらい流しました。
週末になると50人から55人くらい流しましたもん。
流す同僚もいっぱいいましたよ。
早番が3人。中が……中っていうのは、真ん中の時間帯の担当の人で、この中が1人、遅番が4人。
でも今はワタシ独り……そんな感じでやってます。
お客さんには力士や親方衆もよく来られてましたよ。
間垣親方(56代横綱・2代目若乃花/大関までの四股名は若三杉)とか、琴櫻(53代横綱)とか。
──錦糸町駅の隣の駅は国技館のある両国駅。この界隈には相撲部屋も多いのだ──
とにかくお客様はオジ様連中がほとんどでしたよね。でも、今は若い人も増えてきました。
特に週末とかになると、友達で連れ立って、ドッと来る。
でね、ワタシが背中流ししてるのをはたから見てて、興味あるみたいよ。混んでる時はそうでもないんだけど、空いてる時なんかに若い人が、
「あの~初めてなんですけど」
なんてやってくるのよ。
それで流してあげると、
「いや~気持ちよさそうだと思ってたんですけど、やっぱり気持ちよかったです」
なんて言ってくれますよ。それで、その後はクセになるんですよね。続けて何回も流しを受けに来られるようになっちゃうんですから。
でもクセになるっていったら、背中流しもそうですけど、やっぱりサウナですよ。
サウナはクセになる!
ワタシはもぉ~サウナ大ッ好き!
ここは12年前に改装して男性専用になっちゃいましたけど、それまでは女性のお風呂があったんですよ。
ワタシたち仕事してる従業員も、仕事が終わったらお風呂に入れたんです。それで早番の時なんかは4時半には仕事終わるから、それから必ず入って。
女性でも常連になると、1週間に5回くらいサウナに入りにくる人がいるんですよね。そういう人ともサウナ友達になって。
ワタシなんか仕事に来てるんだか、サウナ入りにきてるんだかわからないなんて冗談交じりに言ってたもんですよ、エヘヘヘ!
でも、男性専用になっちゃいましたからね。
それで家の近場のサウナ行ってたんですけど、最近はアレじゃない、 サウナも気づくとなくなっちゃったりしてるじゃない。
「ココ、いいなぁ~」
なんて思ってると、なくなっちゃって、何か月かすると分譲マンションになっちゃってね。
サウナっていうのはやっぱり家の近くが一番でしょ。
とし子さんの背中流しは、まるでリズムに乗って小刻みにステップを踏むかのような、見てるだけでも〝技〟を感じる動きで行なわれる。実際に受けるとその数倍「〝技〟!」を実感する。
背中流しの基本コースは10分950円。炭酸水を使って洗う炭酸コース15分1300円。スカルプシャンプー使用のスカルプコース15分1300円。炭酸とスカルプ両コース合体のデラックスコースが18分1650円。
よ~くあったまった人は、垢も無理なく落ちるのよ
背中流しのサービスの概要は、上半身のアカスリと洗体、そして洗髪。下半身に関しては、当然その後に自分で洗ってくださいということに。日本で「楽天地スパ」でしか受けられないサービスです!