熱気迫り来るサウナ室も何度となく大きな変化を遂げていた…
進化を止めない東京サウナ界のレジェンド「サウナセンター」。永遠に完成しない老舗サウナの舞台裏。
サウナセンター
【住】東京都台東区下谷2-4-7 【営】24時間 【休】無休 【料】3時間入浴1500円(平日限定)、8時間入浴2000円(5:00〜深夜1:00。入店より8時間まで滞在可能、深夜1:00を過ぎると深夜料金が発生)、宿泊3200円(5:00〜翌12:00)、カプセルルーム4900円(VIP)、3900円(上)、4100円(下)。
【電】03・3876・0016 http://sauna-center.jp/index.html
サウナセンター オーナー
吉田秀雄さん
ご祖母様から宿泊業を営む家系に生まれる。サウナ室の昼間のテレビ放送をたき火の映像に変える大英断を下すも、高校野球と大相撲は必ず流す男気の持ち主。入り口のガンダムは吉田社長の趣味。
始まりは終電を逃したビジネスマン救済のため
「サウナセンター」。
サウナ好きではまず知らない人のいない東京の老舗サウナ。
この「サウナセンター」を、
「ちょっとご無沙汰してましたけどまた来ちゃいました」
なんていう頻度で利用していると必ず気づくことがある。いつもどこかで何かが少しずつ変化・進歩しているのだ。
もはやこの進化し続ける状態は、かのウォルト・ディズニーが、自らが造ったあのテーマパークを〝永遠に完成しない〟と言ったのと同じようなスピリットすら感じる。
そんな「サウナセンター」の長い進化の歴史について、吉田秀雄社長に話しを伺ったので、検証したい。
「創業は昭和54年。その頃は24時間働けますかの時代で、終電なくなるまで働く人も多かった。ウチは父が団体旅館やビジネスホテルをやってたんですが、ビジネスホテルはシングルからすぐ埋まる。ならば、そういうお客様をもっと安価でお泊めする施設はできないかと、仮眠もできる24時間型の温浴施設として開業したんです」(以下、吉田氏)
「サウナセンター」その創業時の主目的は入浴よりも終電のなくなったビジネスマンの宿泊場所であった。
当時、銭湯以外の浴場はすべて条例上は〝特殊浴場〟で営業許可は日の出から日の入りまで。が、先代社長の各所への熱心な働きかけによって24時間営業の許可が下りたそうだ。「サウナセンター」は24時間営業温浴施設のパイオニアでもあった。
「新小岩の『レインボー』さんも同時期に24時間で営業始めた記憶があるので、そうともいえないですけどね。ただ当時はこのビルに300人が、階段にもあふれてザコ寝のように寝ていたそうですよ」
恐るべし24時間働けますか……。
水風呂の横の外気の入る休憩スペース。夏にはここに風鈴が吊られ涼しげな音色を奏でる。季節ごとのちょっとした味わいもまた「サウナセンター」。
人気の水風呂。よく見ると手前側に水深の浅い部分があるが、平成元年のリニューアル以前は、この部分は水風呂ではなく浴室の床。まだ水風呂が今みたいに認知される前の話……。
この左手前に現在あるペンギンルームは元ミストサウナ。水風呂を冷たくしたら「入れない」という年配常連客がジックリ体を冷やせるよう、3℃のペンギンルームは作られた。