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【カブガールが行く】北海道の絶景スポット「天に続く道」をクロスカブで走ってみた

2022.08.29

北海道斜里町にある国道334・244号線は、全長約28kmにおよぶ直線道路。まっすぐな道が空まで続いているように見えることから『天に続く道』という名前で人気を集める観光地です。

今回は愛車クロスカブと一緒に天に続く道を目指し、知床横断道路を経由しながらツーリングに出かけてみました。果たして絶景は見られるのでしょうか?

北海道には直線道路が多い

今回のツーリングは筆者にとって5回目の北海道。これまで道内を走って実感していたのは、北海道には広くてまっすぐな道が多いということ。

実際滞在している期間、先が見えないほどの直線道路を何度も見かけています。

そのため『天に続く道」に対してはひとつの疑問を持っていました。

それは「他の直線道路と何が違うの?」「どうして国道334・244号線だけが観光地として有名になったの?」ということ。

疑問があれば、現地に行って自分の目で確かめるのが一番。斜里町へと向かってみることにしました。

雨の知床横断道路

経由地として訪れたのは道東随一のツーリングスポット、知床横断道路。その日は午後から激しい雨が降っていました。

標高が高いこともあり、峠道は霧に包まれて50m先も見えません。気温も低く、8月にも関わらずレインウェアの下にダウンジャケットを身に着けていたほど。大荒れです。

スマホのアプリで雨雲レーダーを確認すると、天に続く道の周辺も雨の真っただ中。しばらくは降り続く予報でした。

「ちゃんと景色が見えるんだろうか?」

不安はもうひとつありました。

知床横断道路では近年ヒグマが多く見られ、つい先日も1頭の若いヒグマが車のミラーに前足をかけ、車体を揺さぶる行動を見せたというニュースを聞いたばかり。

生身で走るライダーにとって、人間を恐れないヒグマに出会うのは恐怖以外のなんでもありません。

「頼むから、今日だけはヒグマが出ませんように!」

その祈りが通じたのか、単に雨で巣から出てこなかっただけか。幸いにも1頭も動物を見ることなく海沿いまで降りることができたのでした。

空に伸びる光のハシゴ

時刻は17時前。すっかり陽が傾き、水平線はオレンジ色に染まりかけています。

なんとか明るいうちに到着できそう…!海沿いの国道334号線を走ったあと、案内の看板に従って農道へと左折しました。

直前まで降っていた雨の影響で路面が濡れ、鈍い光を反射しています。

右も左も畑に囲まれ、見通しが良いとは言えない場所。陽が沈んでいくのを右側の視界の端に見ながらも、どのように天に続く道が現れるのかまったく想像できずにいました。

5分ほど走ったころでしょうか。真っ青に目立つ看板に「P」と書いてあるのが見えました。

「ここだ!」

筆者の背後に絶景が広がっていることを証明するように、駐車場内の人たちは皆同じ方向を眺め、カメラを構えている人も少なくありません。

慌てて転がるように駐車場に入り、後ろを振り返ると…想像以上の景色が広がっていました。

※駐車場で撮影をしていた方々が帰ったあと、他に撮影者がいない状況で走行写真を撮っています。

水たまりが反射する夕陽と走行中の車のライトが繋がり、まるで空に向かって光のハシゴが伸びているよう。

柔らかい北海道の舗装にできたタイヤのへこみ、直前まで降っていた雨、夕暮れ間近の時間帯など、偶然が重なって見えたまっすぐな光。

「これまで見た直線道路とは全然違う!」

ひと目で断言できるような、息をのむほどの光景でした。

秘密は地形にあり?

せっかくなので、筆者が感じていた「他の直線道路と何が違うの?」「どうして国道334・244号線だけが観光地として有名になったの?」という疑問の答えに迫ってみましょう。

素人の考えではありますが、理由のひとつは地形にあるのではないでしょうか。

国土地理院地図で確認したところ、天に続く道のスタート地点は海別岳の裾野にあり、標高110mほど。その先は6kmほどが下り坂で標高5mほどの高さになったあと、残りの20㎞は標高5~30mほどの間に収まる比較的平坦な道が続いています。

遮蔽物がない高い視点から見降ろすことで、まっすぐ伸びる道が端まですべて見える。それが天に続く道が絶景になったポイントなのではないでしょうか。

(延長線上に高い山が存在しないことも、道が空に繋がっているように見える要因ではないかと思います)

眺めているうち、ハシゴの向こうへと陽が沈みました。

お腹が空いた筆者は夕ご飯を求め、斜里町の街へ向けて天に続く道をくだることにしました。ところが…走っても走っても飽きるほどにただまっすぐな道が続き、一向に街が近づかないのです。

「なるほど。コレは本当に天でも空でも、どこまででも走れちゃいそう…!」

実際に走ってみてわかりました。地形や山の影響はもちろんあれども、結局は天に続く道の形そのものが一番の特徴。カーブひとつないまっすぐな道が28kmも続いているということ自体が奇跡的なんですね。

文/高木はるか

アウトドア系ライター。つよく、しぶとく、たくましくをモットーにバイクとキャンプしてます。 愛車はversys650、クロスカブ110、スーパーカブ90。

高木はるかの記事は下記のサイトから
https://riding-camping-haruka.com

編集/inox.

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