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投資のリスクヘッジとして知っておきたい「VIX指数」とは?

2022.09.08

S&P500に投資しているのであれば、VIX指数に詳しくなっておくのがおすすめです。S&P500のリスクヘッジとして活用できるため、運用に役立てられるでしょう。VIX指数の概要やメリット、リスクヘッジの考え方について解説します。

VIX指数とは?

VIX指数は株式市場の温度感を知るのに役立つ指標です。VIX指数の具体的な意味や算出方法について解説します。

S&P500のオプション取引を基に算出

VIX指数とは、米国の株価指数である『S&P500』先物のオプション取引(権利売買取引)の値動きから導き出される指数です。シカゴオプション取引所(CBOE)が算出し公表しています。

投資家の心理状態を表すものとされ、日本語では『恐怖指数』とも呼ばれる指標です。VIX指数の数値が高ければ、市場に対する投資家の不安感や恐怖感が高まっていることが分かります。

VIX指数は、S&P500の将来的な『ボラティリティ』を予測したものです。ボラティリティ(Volatility)とは、価格変動の度合いを示す数値であり、ボラティリティが大きいほど対象商品の価格変動も大きくなります。

VIX指数の算出方法

VIX指数は、S&P500先物のオプション取引における、次の30日間の『インプライドボラティリティ』を示したものです。インプライドボラティリティとは、実際のオプション取引から予想される、原資産の変動率を指します。

VIX指数は0~100%で表示され、市場の安定時には10~20%の間で変動します。30%超のゾーンは警戒領域と呼ばれ、VIX指数が警戒領域にある場合は市場が不安定であると見なされます。

市場がリーマンショックや新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたときには、VIX指数の値は80%を超えました。VIX指数の過去最高値は、リーマンショック時の89.53%です。

VIX指数関連ETFに投資するメリット

株チャートをチェックする

(出典) pexels.com

特定の指数の動きに連動した運用成果を目指す投資信託がETFです。VIX指数と連動するETFに投資するメリットを紹介します。

下落時に利益を上げることができる

VIX指数に連動するETFに投資するメリットの一つに、相場が下落したときに利益を出せる点が挙げられます。相場が大きく変動すると予想した場合、VIX指数の投資を戦略に加えるのは有効です。

VIX指数は株価の下落時に上昇し、株価の上昇時には下落します。相場の値動きと逆に動く性質を生かし、株価の上昇時に購入して下落時に売却すれば、利益を上げることが可能です。

ただし、VIX指数は思ったほど大きく変動しないケースもあります。相場の下げ幅が小さい場合は、損失が発生する恐れがある点に注意が必要です。

S&P500と併用してリスクヘッジ可能

S&P500と連動するETFや投資信託で運用している場合、VIX指数連動型ETFを併用すれば、VIX指数の性質を生かしたリスクヘッジが可能です。

何らかの理由でS&P500が下落した場合、VIX指数の上昇分で損失を補えます。逆に、VIX指数の値下がりリスクに対しては、S&P500の上昇分でカバーすることが可能です。

VIX指数連動型ETFへの投資は、日本株のリスクヘッジにも活用できます。日経平均株価やTOPIXといった日本の株価指数が下落した際にも、VIX指数が逆方向に動くケースがあるためです。

VIX指数に投資する方法

お金を数える

(出典) pexels.com

VIX指数はあくまでも数ある指標の一つに過ぎないため、VIX指数自体への投資はできません。VIX指数を活用して投資したい場合、どのような方法を選べばよいのでしょうか。

VIX指数に連動するETFを購入する

ETFにはさまざまな種類があり、中にはVIX指数に連動する商品もあります。VIX指数に投資したい場合は、VIX指数に連動するETFを購入しましょう。2022年8月時点で、VIX指数に連動しているETFは『国際のETF VIX短期先物指数』ただ一つです。

VIX指数に連動した商品には、ETFだけでなくCFD取引もあります。CFD取引は『差金決済取引』とも呼び、現物の受け渡しは行わず、取引開始時と終了時の価格差で決済が行われる取引です。レバレッジを効かせられるため大きな利益を期待できますが、その半面リスクも大きくなります。

VIX指数に投資する際の注意点

株価を調べる

(出典) pexels.com

VIX指数投資は長期保有に向かない点を覚えておきましょう。コンタンゴにより価値が下がる点にも、注意が必要です。

長期保有には向いていない

VIX短期先物指数は、時間が経つにつれて下落する傾向があるため、長期保有には向きません。VIX指数の変動を見ながら、短期的な利益を追求するのに適した投資対象です。

VIX指数とVIX短期先物指数は、短期で見ると同様の動きをするものの、長期的にはVIX短期先物指数の方が下落していきます。VIX短期先物指数の商品説明にも、『当商品は長期保有には適さない』とはっきり記載されています。S&P500と併用して、リスクヘッジの目的で利用するのがおすすめです。

「コンタンゴ」によって価値が減少する

VIX指数関連のETFのうち、VIX指数先物に連動にしている商品では、『コンタンゴ』と呼ばれる状況により、時間が経過するほど価値が減少していく点に注意しましょう。

コンタンゴとは、決済期日が近い先物より、決済期日が遠い先物の方が価格が高い状態のことです。先物は決済の期日が決まっており、期日が先になるほど価格の不確実性が増すため、先物価格も高くなる傾向があります。

先物型ETFの運用者はいつまでも先物を持ち続けられないため、期日が近い先物を売り、期日が遠い先物を買うことを繰り返します。コンタンゴの状況では、『安く売って高く買う』を繰り返す形になってしまうのです。

構成/編集部

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