富山のサウナといえば北陸の大御所「スパ・アルプス」が有名だが、それ以外にも実は個性豊かなサウナが無数にある注目エリアだ。日本全国を駆け巡るサウナフォトジャーナリスト・オグ裸と、その甘言に誘われたライターさとうが、富山の最新&レジェンドサウナに汗を流す。
温泉天国よつやのゆ
【住】富山県高岡市四屋672-2 【営】9:00~24:00 【休】なし 【料】550円
ネタを超越したサウナのポテンシャル!
「行ったことないんだけど、富山にネタ的に抜群のサウナがあるんです」
とサウナフォトジャーナリストオグ裸。
「サウナにね、ウオータースライダーがあるんですよ!」
それはネタ的だなァ~。
「おもしろい写真が撮れそうですよ」
ということで「よつやのゆ」である。
最初に〝ネタ的〟と、失礼なことを書いてしまいましたがイヤイヤイヤイヤ、「よつやのゆ」、サウナとしても侮り難し! スウェーデンのTYLÖ社(現在はフィンランドのHELO社と合併しTylöHelo社)のサウナストーブが置かれた石張りのサウナ室は、四方八方からの遠赤外線が強烈。
そして湿度も十分。ストーブ上にオートロウリュのパイプがあるので、そのおかげの湿度と思いきや、施設の方いわく、オートロウリュはしていないという。なのになぜこの湿度? という謎の熱気が体をグイグイと押してくるタイプの脊髄から熱くなり、汗が汗腺の奥のほうから湧き出るかのようなグッドサウナ。
水が循環し続ける水風呂も広くて爽快。
そんな水風呂のすぐ横にあるのが、噂のウオータースライダーの滑り口である。
ウオータースライダーが設置されているのは男性浴場だけだが、この男性浴場は2層構造になっている。
1階部分には温浴槽に洗い場、露天風呂になんとプールがあり、そして2階にはサウナと水風呂、そしてスライダー滑り口が鎮座。そのスライダーは2階から1階のプールへと続いているのだった。
平成3年にオープンしたこの「よつやのゆ」。家族連れやお子様にも、単なるお風呂以上にこの施設を楽しんでいただきたいという社長のアイデアで、このウオータースライダーを設置したという。
何はともあれ滑ってみる。
すみません、わずか2階から1階への高低差を滑るだけだろうと、ワタクシ、このスライダーをナメておりました。
ところが、スライダー内を流れる水量が多いのか、その勢いとスピードは、昔、都内のプールにあった超急角度スライダーのフリーフォールスライダー並み!
さらにプールでは考えられない全裸で滑り降りることによる解放感を逸脱した別次元の解放感!
これは今までのどんなサウナでも味わえなかったスリル&リバティー!!
こんな世の中だからこそ、男だったら一度ならずと二度三度、滑って味わいたい別次元のフルスイングを!
命知らずのスピードを生み出す傍若無人なほどに圧倒的な量の水がスライダーのパイプ内を流れる。スライダー内は青く、何やら南国の珊瑚の海をブッ飛ばしてるかのような気分。
こんな写真が載るとは誰も予想しなかったであろう
この浴室内の階段を上がったところにサウナ室。そして水風呂。噂のウオータースライダーの入り口がある。滑る時は、施設の人に声をかけてスライダー内に水を流してもらうように。
施設から飛び出すスライダー解放感もブッ飛び級!
この建物から突き出たU字形のパイプがスライダー。パイプの手前左側から直線を右にツッ走り、とんでもない遠心力を感じながらヘアピンカーブを曲がり、気がつけばフルチン状態でプールにダイビングしているのだった。
幅の広い滝から循環された水が注ぎ込む水風呂。サウナ室の目の前にあるという位置関係もありがたい。
館内案内板には「ネオトロン・サウナ」の文字が。これは赤外線を発する白いプレート型のサウナ熱源。サウナ室の壁をよく見ると木枠に囲まれ設置してある。
外気浴も味わえる露天風呂。茶色い左の湯は薬湯。富山といえば、昔から薬の本場! スライダーで興奮した体は薬湯で癒してね。
L字形にベンチを配した、白い石壁がスカンジナビアチックなサウナ室。サウナストーン上のオートロウリュ用吐水口は現在使っていないというが、不思議なぐらい湿度あり。
取材・文/カーツさとう 撮影/小倉雄一郎