パナソニックがエオリアユーザーのユーザーデータを元に検証したところ、毎日のエアコン利用状況を表す「単日利用率」は、6月30日の時点で70.6%と7割を超えていた。その後も異例の暑さが続き、猛暑日の記録が歴代最多を記録している地域も多い。
そして、暑い日が続くと気になってくるのがエアコンの電気料金だ。今年は燃料費などさまざまなものが値上がりしているので電気料金も気になるところ。そこで、パナソニックでは今夏のエアコン節電状況を調査し、結果を発表した。
28℃は「設定温度」ではなく「室内温度」と理解しているのは9%
今夏のエアコン節電について、「政府が、家庭や企業に対し、今夏の節電を要請していることを知っていますか?」という質問では、86%が「はい」と答え、ほとんどの人が節電要請を認識していた。
さらに、電気代の上昇や節電要請から、今夏はより節電を意識したいかをたずねたところ、86%が「節電したい」「どちらかというと節電したい」と回答し、高い節電意向が明らかに。
しかし、調査の中で、政府が節電方法として呼びかけたエアコンの設定に関する「28℃」について、大きな誤解があることがわかった。
この28℃をエアコンの「設定温度」と混同している人が多いが、あくまでも28℃は室温の話なのだ。「政府の節電要請で定める“28℃”とは次のうち何の設定だと思いますか?」という質問では、正しく回答できたのはわずか9%のみという結果になった。
同じく室温28℃の指針を掲げる環境省のクールビズのHPでも下記のように明示している。
冷房の設定温度を28℃にしても、室内が必ずしも28℃になるとは限りません。そういう場合は、設定温度を下げることも考えられます。「クールビズ」で呼び掛けている「室温28℃」は冷房の設定温度のことではありません。※
※出典:環境省
エアコンは室内機内部のセンサーで温度を測定しているため、設定温度と実際の室温が異なっているケースもあり、家の構造や日当たりなども影響してくる。なかには、エアコンの手入れ不足で能力が発揮できていないケースもあるのだ。
快適な空気環境を作るためにも、温度計などで室温を確認しながら室内温度を調整することが重要である。
室内温度については、86%が自宅の室内温度を確認する方法がある一方で、14%は「ない」と回答しており、温度計を持っていない人はこの機会に実際の室内温度をチェックしてみるのも良いだろう。
エアコンの風量設定、消費電力が少ないのは「微風」より「自動」
続いて、エアコンの風量設定について「自動」と「微風」を比べた時に、消費電力が少ないのはどちらだと思うか質問を行った。
エアコンの風量設定は、環境にもよるが、微風にすると設定温度に至るまで時間がかかり、逆に消費電力が増えてしまう。しかし、正しく回答できたのは約6割で、4割が誤解をしていることが明らかに。
パナソニックの独自の調査では、「自動」と「微風」を比較したとき、「微風」は「自動」に比べて設定温度に到達するまでの消費電力が20%高く、到達するまでの時間が6.4分長いという結果も出ている。※
一見節電に繋がりそうな「微風」だが、人が調整するよりも賢く室温をコントロールしてくれる「自動」を積極的に活用しよう。
※稼働開始時外気温/室温30℃以上、設定温度26℃冷房時
調査概要
2022年 夏のエアコン節電に関する調査
調査地域:全国
調査期間:2022年6月22日(水)~6月23日(木)
調査方法:インターネット調査
調査機関:ジャストシステム
調査対象:20~60代の男女
有効回答:550名(男性:327名、女性:223名)
関連情報:https://panasonic.jp/aircon/air_letter.html
構成/Ara