OCRソフトの選定ポイント
業務効率向上にOCRを活用するには、適切なツール選びが求められます。具体的に何をベースとして選定すればよいのでしょうか?特に重要な3点を紹介します。
自社の目的に合ったソフトを選ぶ
OCRの利用目的は、組織によってさまざまです。OCRの導入効果を最大限に高めるためには、自社がOCRを利用する目的を明確に定めて、目的に合ったソフトを選定しましょう。
例えば、手書きのメモからテキストデータを作りたい場合は、手書き文字の認識精度が高いツールを選ぶ必要があります。何を目的として導入するかをはっきりさせれば、ニーズと機能がズレてしまう心配がありません。
読み取り精度や機能を十分に検討する
OCRソフトによって読み取り精度(認識率)や他に備えている機能が違います。導入目的を明確にするとともに、ツールのスペックをしっかり確認しましょう。
精度・機能を十分に確認しないまま導入を決めると、必要な機能が不足していたり読み取り精度が期待よりも悪かったりして、活用しきれないという問題が起こり得ます。
また、文字の認識率だけでなく、文字の位置を認識する精度も確認しましょう。文字が記載されている位置を正確に認識・記録できるOCRを選ぶことで、同じ様式の書類を連続で読み取れるようになり、OCRの稼働効率がアップします。
希望の言語に対応しているか確認する
OCRには日本語だけでなく、世界各国の言語に対応しているものもあります。国産のツールを選ぶ場合、海外からの書類を読み取るシーンも想定しているなら、導入前に希望の言語に対応しているかを確かめましょう。
OCRに翻訳ツールとしての機能も期待するケースでは、対応している言語に加えて翻訳の精度も重要です。逆にそのまま出力したい場合は、その言語を使っている国のツールを選んだ方が精度を期待できるでしょう。
また、海外のOCRを選ぶとき、日本語に対応しているかどうかは必須のチェックポイントです。
無料で使えるおすすめOCRソフト3選
OCRの導入を検討する際に、最初から有料ツールを契約するのは不安だという人も多いでしょう。まずは無料ツールを導入し、使用シーンが拡大してきたタイミングで有料ツールに移行するのも一つの手です。無料で使えるおすすめのOCRソフトを紹介します。
Microsoft OneNote
Microsoft OneNoteは、Microsoftが提供している『OneNote』は、機能の一つとしてOCRを提供しています。複数ページにまたがるテキスト情報の出力から名刺情報の抽出までカバーしており、無料ツールでありながら高機能な点が魅力です。
WordをはじめとしたMicrosoftのOffice製品と連携できるのも、効率化に役立つポイントです。紙の資料を読み取ってそのままWordに取り込み、手を加えることもできます。
Microsoft OneNote デジタル ノート アプリ | Microsoft 365
Google ドライブ
Googleが提供するオンラインストレージサービス『Google ドライブ』には、OCRが標準搭載されています。読み取りたい画像ファイルをアップロードして出力ボタンをクリックするだけで、簡単に文字情報の読み取りが可能です。
複数ページから構成されるPDFファイルにも対応している他、メールアドレスを登録するだけで利用できる手軽さも魅力といえるでしょう。専用ソフトを導入する前に、まずはOCRを試してみたい人におすすめです。
ただし、ファイルサイズの上限が2MBと小さめなので、大きなサイズのファイルを扱いたい組織には適さない可能性があります。
個人向けのクラウド ストレージおよびファイル共有プラットフォーム – Google
NewOCR.com
NewOCR.comは、PDFと複数の画像形式からの出力に対応している無料のオンラインOCRソフトです。
海外のサービスではあるものの、出力言語が日本語も含めて非常に多く、グローバル企業やクロスボーダーECを運営している事業者など多言語を扱う組織に向いています。
アップロードの上限が設けられておらず、ファイルサイズの大きな文字や画像でも処理できる点もメリットの一つです。ユーザー登録せずブラウザー上で利用できるため、導入のハードルが低いのも注目のポイントです。
Free Online OCR – Convert JPEG, PNG, GIF, BMP, TIFF, PDF, DjVu to Text
構成/編集部