「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」内に森と相談しながら作ったというのが、スタジオジブリの世界を表現した「ジブリパーク」だ。ジブリパークは、その名の通り公園施設であるため、大きなアトラクションや乗り物はない。スタジオジブリの世界を、自分の足で歩いて風を感じながら秘密を発見することができる空間だ。
全5エリアで構成され、第1期、第2期とエリアごとに開園時期が異なり、2022年11月1日には、第1期の3エリアが、2023年には、あと2つのエリアのオープンが予定されている。オープン前に、ジブリパークの魅力をご紹介しよう。
テーマ別に分けられた5つのエリアで構成
ジブリパークは、それぞれの作品の世界観が詰まった5つのエリアで構成されている。この秋オープンする3エリアから紹介しよう。
・青春の丘
耳をすませば・猫の恩返しの世界観をイメージした「青春の丘」 ⓒ Studio Ghibli
ジブリパークと調和した景観に生まれ変わる愛・地球博記念公園北エントランスを抜けて、最初に出迎えてくれるのが「青春の丘」だ。
このエリアは、『耳をすませば』『猫の恩返し』などの世界観が広がる。平成初めの住宅街をイメージして作られたなつかしい雰囲気の街並みの中には、『耳をすませば』に登場するアンティーク家具や時計の修理販売を行う「地球屋」があり、ベランダからは園内が一望できる。
また、同劇中に登場する「ロータリー広場」もあり、電話ボックスや掲示板の張り紙などが再現され、作品に流れている空気感を体感することができる。さらに、『猫の恩返し』に登場する「猫の事務所」も猫目線で再現され、それらの家具や小物などを実際に見て楽しむことができる。
・ジブリの大倉庫
天空の城ラピュタ・となりのトトロ・借りぐらしのアリエッティの世界観をイメージした「ジブリの大倉庫」 ⓒ Studio Ghibli
スタジオジブリ作品のさまざまな展示物が詰まった倉庫のような屋内施設が「ジブリの大倉庫」だ。なんと三鷹の森ジブリ美術館の3倍にも及ぶ空間に、倉庫らしさと懐かしさが感じられる和洋折衷の建築が並ぶ不思議な町が広がっている。常設展示室、企画展示室、約170席の映像展示室、子どもたちが遊べる部屋や、カフェやショップなど盛りだくさんのエリアだ。
『借りぐらしのアリエッティ』をイメージした「床下の家と小人の庭」は、アリエッティやその家族が暮らす家と植物の生い茂る庭が表現されている。家や植物は、大きなセットで再現され、アリエッティたちの目線で体験できる空間だ。
『天空の城ラピュタ』からは、廃墟となったラピュタの庭園「天空の庭」が再現され、劇中に登場する「空飛ぶ巨大な船」が、全長およそ6メートルのスケールで設置される予定。これは、かなり迫力がありそう。
『となりのトトロ』の世界で遊べる空間など、多くの引き継が詰まったエリアになっている。
・どんどこ森
となりのトトロの世界観をイメージした「どんどこ森」 ⓒ Studio Ghibli
「どんどこ森」というユニークな名前は、『となりのトトロ』で、サツキとメイが、トトロがまいた種の発芽を祈って踊る“どんどこ踊り”から名づけられたもの。その由来通り、『となりのトトロ』の世界を彷彿とさせる昭和の田園風景のイメージが広がっている。映画内に登場するサツキとメイが住む家を中心に散策できる。
トトロを模した「どんどこ堂」には、子どもたちが中に入れるようになっている。 ⓒ Studio Ghibli
裏山の頂上には、傘をかぶったトトロを模した「どんどこ堂」があり、子どもたちだけが中に入れるようになっている。自然に囲まれた空間で自由に遊びながら、映画の世界観が体感できるエリアだ。
2023年にオープン予定の2つのエリア
2つのエリアは、2023年度のオープンを予定している。少し先になるが、それぞれのエリアについて紹介しよう。
・もののけの里
もののけ姫の世界観をイメージした「もののけの里」 ⓒ Studio Ghibli
2023年秋にオープン予定なのが「もののけの里」だ。『もののけ姫』のエミシの村とタタラ場をもとにした里山的風景をイメージしたエリアだ。愛・地球博記念公園内にある里山を学ぶ体験ができる「あいちサトラボ」の風景と一体化し、エリア内に整備される「タタラ場」や「炭焼き小屋」など、『もののけ姫』に登場する施設の中で体験学習も楽しめる。タタリ神や乙事主をモチーフにしたオブジェも並ぶ予定。
・魔女の谷
ハウルの動く城・魔女の宅急便の世界観をイメージした「魔女の谷」 ⓒ Studio Ghibli
2023年度内オープン予定の「魔女の谷」は、魔法が題材になった作品『ハウルの動く城』と『魔女の宅急便』をイメージしたエリア。この空間内には、なんと「ハウルの城」がリアルに再現される予定とのこと。この映画に登場するソフィーが働いている帽子屋「ハッター帽子店」、また、『魔女の宅急便』の主人公キキの実家「オキノ邸宅」も登場予定。さらに、映画内に登場したようなパンが購入できる「グーチョキパン店」の構想もあり、注目エリアになりそうだ。
映画の世界観が、これまでにはない大規模で再現され、作品の展示物なども見られ、スタジオジブリ作品の世界に没入できる「ジブリパーク」。ジブリファンのみならず、初めて作品に出会う子どもたちも一緒に楽しめる新たな公園施設だ。
チケットは、すべて日時指定の予約制で、エリアごとに購入する必要がある。入場時間は指定されているが、退場時間の制限はないため、ひとつのエリアでゆっくりしたいならその分だけ購入し、1日で他のエリアも見たいなら、時間をずらして購入しておくと安心だ。また、チケット発売当初は、申し込みが集中するおそれがあるため抽選販売だが、その後、先着順で発売されるのでご安心を。
■ジブリパーク
住所:愛知県長久手市茨ケ廻間乙1533-1 愛・地球博記念公園内
電車:愛知高速交通 東部丘陵線(リニモ)『愛・地球博記念公園』駅下車すぐ※ジブリパークには専用駐車場がありません。
営業時間:平日10:00~17:00 ※学校の長期休暇期間の平日は9:00~17:00/土・日・休日:9:00~17:00
休園日:毎週火曜日(火曜日が祝日の場合は翌平日)※学校の長期休暇期間は営業
入園料:
・ジブリの大倉庫 平日 大人2000円/子ども(4歳~小学生)1000円/土・日・休日 大人2500円/子ども(4歳~小学生)1250円
・青春の丘 大人1000円/子ども(4歳~小学生)500円
・どんどこ森 大人1000円/子ども(4歳~小学生)500円
※3歳以下は無料
発売日と購入方法:
・2022年11月分(11月1日~30日)
抽選販売:申し込み受付終了
先着順販売:9月10日14:00から(Boo-Wooチケット、全国のローソン・ミニストップ店頭の「Loppi」)
・2022年12月分(12月1日~28日)
抽選販売:申し込み受付 9月10日10:00~21日23:59(Boo-Wooチケット)
当選発表:10月4日15:00ごろ
先着順販売:10月10日14:00から(Boo-Wooチケット、全国のローソン・ミニストップ店頭の「Loppi」)
文/林ゆり
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